朝になっても、壊れたバルコニーのシャッターはまだ開きません。いつもなら外の景色を眺めるところですが、それもできず、少し閉塞感のある10月の始まりになりました。
そんなことを考えていて、ふとバルコニーに置いてある植物のことを思い出しました。シャッターが開かないので、すっかり忘れていたのです。水をやらなければと思いましたが、空を見ると雨が降りそうな気配もあります。今のところは、それに期待することにしました。
朝は少し仕事をしました。ここしばらく仕事が少なかったのですが、ようやくまとまって入ってきて、ほっとしました。
その後はカルメンの家へ。週に一度、彼女のお祖父さんが残した昔の手紙をデジタル化する作業を手伝っています。古い手書きの手紙を一枚ずつ読み取り、文字に起こしていく作業です。
家を出て驚いたのは、その暑さでした。室内にいるとそれほど感じなかったのに、外へ出ると10月とは思えないほど暑く、まだ夏が残っているようでした。
カルメンの家で手紙の作業をしていると、彼女の友人の娘さんたちがやって来ました。友人は今、この村に家を借りて2か月ほど滞在していて、その娘さんが友達と一緒に数日だけイギリスから遊びに来ているそうです。
本当は前日にカルメンの家で一緒に食事をする予定だったそうですが、それはキャンセルになり、この日は少しだけ顔を出すことになったようです。
ただし、彼女たちは家の中には入りませんでした。テラスで飲み物を飲みながら話しています。
理由を聞いて驚きました。
娘さんが新型コロナに感染していたのです。
イギリスでクラブか何かへ出かけた後、一緒にいた人から「コロナに感染したので、あなたも検査したほうがいい」と連絡が来たそうです。こちらへ来てから検査をすると陽性だったため、カルメンたちには近づかないようにして、ずっとテラスにいました。
飛行機にも乗ってこちらまで来ています。
「コロナって、まだ普通にあるんだな」
久しぶりにその存在を身近に感じました。
都会では人と接する機会そのものが多いので、こうした感染症に出合う確率も高くなるのかもしれません。反対に、この辺りのような人口密度の低い田舎に暮らしていると、大勢の人が集まる場所へ行く機会自体がそれほどありません。
そんな話をしながら、以前ロンドンへ行った時のことを思い出しました。
その時、友人と大きな店で会いました。食事だったのか、カフェだったのかはもう覚えていませんが、とにかく広い室内に大勢の人がいました。店内がにぎやかなので、会話をするにも普段よりかなり大きな声を出さなければなりません。
すると、その直後に見事に風邪をひきました。
人が大勢集まる場所へ行くと、こういうこともあるのだなと妙に印象に残っています。
この日来ていた三人は犬も連れていて、カルメンの犬と楽しそうに過ごしていました。
「犬はコロナにならないよね」
そんな話まで出ましたが、人間たちは念のため距離を取りながらのおしゃべりです。
しばらくして三人が帰り、私も手紙の作業を終えて家へ戻りました。
ところが、この日はまだ仕事が残っています。それも、その日のうちに終わらせなければならないものです。
帰宅してから再び机に向かい、作業を続けました。
ようやく終わったのは夜11時半頃。
今、仕事を終えてビールを飲みながらこれを書いています。
仕事というのは不思議なもので、何もない時は本当に何もないのに、一度入ってくると次から次へと重なることがあります。それでも、仕事があるのはありがたいことです。
そして明日からは、荷造りもしなければなりません。
これから数泊、またペットシッティングへ行きます。
今回の家にはプールがあります。AirbnbやBooking.comにも掲載されていて、三つある客室を旅行者に貸している家です。
残念ながら、ちょうど宿泊客が来る予定だそうで、お客さんがいる間は私はプールには入りません。誰もいなければ使えるのですが、今回は難しそうです。
もっとも、10月ですから、それほど暑くはならないでしょう。
それでも一応、水着は持っていくつもりです。
10月最初の日は、壊れたシャッターの向こうで始まり、昔の手紙を読み、思いがけずコロナの話を聞き、夜遅くまで仕事をする一日になりました。
そして明日からは、少しだけいつもと違う場所での暮らしが始まります。



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