朝、目を覚ますと、窓の外に薄く漂う雲の帯が見えました。
「雲海」と呼ぶのがふさわしい、静かで幻想的な光景。
東の空が少しずつ赤く染まり、雲の間から朝日がのぞくその様子は、何度見ても心が澄んでいくようです。
私の住むこの村は、標高650メートルほどの小さな白い村。
昔、岐阜からいらした方が「金華山より高いんですね」と言っていたのを思い出します。
霧が下にたまると、谷の方にある別の村がすっぽりと霧に包まれ、まるで物語の中の世界のようになります。
今日は一日曇りの予報。夜には雨が降るかもしれないとのことですが、今年は雨の季節がずいぶん遅れています。
思えば、去年までは9月の半ばにはまとまった雨が降っていたのに、今年は10月も終わりかけて、ようやく空気に湿り気を感じるようになりました。
おかげで寒くなるのも遅く、私にとってはありがたいこと。
村の家の床はタイル張りで、夏はひんやりと気持ちがいいのですが、冬になると底冷えします。
暖房設備もあまり整っていないので、秋のうちはまだ電気ストーブでしのげますが、冬になるとガスストーブを使います。
ただ、締め切るとガスが心配なので、換気を兼ねて隙間風には目をつむります。
ここで暖炉を使っているご家庭もありますが、手入れが大変なのです。
火が消えないように絶えず注意していないといけないし、たまに煙が家の中に入ってくるし、なので私は暖炉はいらないです^^。
そんなふうに、ゆるやかに季節が移ろっていくのを肌で感じながら、日々を過ごしています。


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