今日から冬時間になりました。時計の針を1時間戻すので、一日が1時間長くなったような感じがします。
たった1時間の違いなのですが、この時差が意外と体に響きます。これからしばらく、朝起きる時間や眠くなる時間にも微妙なずれを感じることになりそうです。
今日は、サバニージャとドゥケサの間にある海辺のバルで、友人が参加しているバンドのライブがありました。かなり大人数のバンドで、ほかの友人からも「行かない?」と連絡が来ていました。
天気も良く、海辺まで出かけるには気持ちの良い日です。ただ、ここから車で1時間以上かかります。
少し迷いましたが、結局行かないことにしました。
明日からの一週間は少し忙しくなりそうですし、今日はお酒を飲みたい気分でもありません。無理に出かけるより、家でゆっくり過ごしながら明日からの準備をすることにしました。
そんな日曜日のお茶の時間に食べたのが、ここ二日ほどかけて剥いた栗です。
今回は、その栗を虎屋の羊羹と一緒に食べてみました。
これが、とてもよく合いました。
羊羹は、夏にこちらへいらした日本人の知り合いから頂いたものです。重いのに虎屋の羊羹を二本も持ってきてくださり、それ以来、少しずつ大切に食べています。
虎屋の羊羹といえば、一時期Xでも話題になっていたのを思い出します。海外駐在員へのお土産として羊羹をもらうことについて、いろいろな意見が出ていたように記憶しています。
私にとっては久しぶりの虎屋でしたから、頂いた時は素直にうれしいものでした。
羊羹を食べながら、ずいぶん昔の香港時代のことも思い出しました。
当時、私は香港にある日系企業で働いていました。日本から出張で来る方も多く、お土産を頂く機会がかなりありました。
家族と一緒に駐在している方なら家へ持ち帰ることができますが、単身赴任の方は少し事情が違います。仕事関係の会食も多く、せっかく日本から頂いても、食べる機会がなかなかありません。
そのため、ありがたいことに、食べ切れない分を私が頂くこともよくありました。
今でも特に覚えているのが明太子です。
私自身も一箱頂くのですが、それとは別に、さらに何箱かまとめて「食べて」と渡されることがありました。
今考えると、なんとも贅沢な話です。
もちろん自分だけでは食べ切れないので、日本人の友人にお裾分けしていました。みんな喜んでくれて、そんな時は私もうれしかったものです。
大手日系企業で働いていると、日本から来る人も多く、それに伴って日本のお菓子や食品を頂く機会も増えます。今のスペインの山村暮らしとはまったく違う環境でした。
ただ、何でも配れば喜ばれるわけではない、ということも香港で学びました。
ある時、日本から頂いた「すやの栗きんとん」を香港人のスタッフに分けたことがあります。
私は「すやの栗きんとん」が大好きなので、「これはきっとおいしいだろう」と何の疑いもなく配ったのですが、どうも評判が良くありません。結局、食べずに捨ててしまった人までいました。
それを見た時は、とても悲しかったです。
自分がおいしいと思うものを、相手も同じようにおいしいと感じるとは限りません。国が違えば食文化も味覚も異なるのは当然なのですが、その時に改めて実感しました。
それからは、頂き物を香港人のスタッフにも分ける時には、「これは香港の人が好きかな」と考えるようになりました。分からなければ、先にスタッフに好みを聞いてから配ることもありました。
そんな経験を重ねるうちに、食べ物の好みは育った環境や食文化に大きく影響されるのだと感じるようになりました。
今日はそんな昔のことを思い出しながら、近隣の白い村ヘナワシルの山で採れた栗と、日本の虎屋の羊羹を一緒に食べました。
温かいお茶を飲みながら口にすると、やはりおいしい。
遠く離れたスペインに長く暮らしていても、こういう味を食べるとほっとします。
「やっぱり日本人の味覚がDNAに入っているのかな」
そんなことを思いながら、静かな日曜日の午後を過ごしました。
夜になってバルコニーへ出ると、雲一つない空に大きな月が浮かんでいました。
美しいまん丸満月です。
昼間はライブに出かけることも考えていましたが、結局今日は家でのんびり。
栗と羊羹を味わいながら昔の香港での暮らしを思い出し、夜にはバルコニーから美し満月を眺めました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


