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【村の行事】2026年
祝日8月15日(土) 、壁のないフェスティバル 8月14日(金) &15日(土)、夏のフェリア8月20日(木) 〜23日(日)

2026/07/31

7月24日(金) 誕生日の夜に思い出した、冷戦時代のブダペスト

ロンダから戻った後、遅めの昼食を取り、少し休んでから仕事を始めました。もう少し続けようと思っていたところに、友人の息子ちゃんから連絡が入りました。私は彼のことを、スペイン語で「mi sobrino(私の甥)」と呼んでいます。


「飲みに行こう」と誘われたので、仕事を切り上げて家を出ました。時刻は夜9時を過ぎていましたが、夏のスペインはまだ明るい時間です。


一緒にタパスを食べながら話していると、その日が彼の誕生日だと分かりました。「mi sobrino」と呼んでいながら、誕生日をすっかり忘れていたのです。それでも、そんな大切な日に声を掛けてくれたことが、何より嬉しく感じられました。


彼の年齢を聞き、私自身が同じ年齢だった頃のことを思い出しました。当時は香港に住んでいて、失恋のため毎日のように泣いていました。その頃は心が痛み、生きていることさえ辛く感じていましたが、今となっては遠い思い出です。彼の年齢をきっかけに、長い間忘れていた記憶が、突然よみがえってきました。


彼は少し前、妹ちゃんが暮らしているブダペストを訪れ、週末を含めて4日ほど過ごしたそうです。その話を聞いているうちに、今度は私が初めてブダペストを訪れた時のことを思い出しました。


それは1988年9月中旬、まだ東西冷戦が続いていた時代です。ウィーンでビザを取り、列車でハンガリーへ向かいました。

1988年ドナウ川

駅で、日本から来た大学生と、ニューヨークから来た日本人男性に出会いました。3人で同じコンパートメントに座り、ブダペストまで一緒に旅をすることになりました。

国境付近に着くと、係官が車内に入ってきました。乗客を立たせ、座席の上や下を懐中電灯のようなもので照らしながら、誰かが隠れていないかを調べていました。車内には物々しい空気が漂っていました。

入国時の詳しい手続きまでは覚えていませんが、国境で感じた緊張感は、今でも記憶に残っています。

ブダペストでは宿を予約していませんでしたが、ニューヨークから来た日本人男性が泊まる予定だというホテルに、3人で向かいました。とても立派なホテルで、それぞれ部屋を確保することができました。

ホテル代が幾らだったのか、どのように支払ったのかは、今では覚えていません。それでも、思いがけず立派なホテルに泊まることができ、嬉しかったことは覚えています。

スパや大きな温水プールなども備わっていたようです。しかし、当時の私はそのようなホテルに慣れておらず、残念ながら十分に楽しむことができませんでした。

夜は3人で外へ出て、見つけた食堂に入りました。トレーを持ち、並んでいる料理から好きなものを選ぶ、カフェテリアのような店です。私たちはいろいろな料理を取りましたが、残念ながら、あまり口には合いませんでした。

周囲を見ると、現地の人たちはパンとスープ程度の食事をしていました。その中で私たちだけが何皿も並べていたため、残すのが申し訳なく感じられました。私は、取った分を何とか食べ切りました。その時の光景も、なぜか強く印象に残っています。

翌日は一人で街を歩きました。細い道に入ると、建物の壁に銃弾と思われる跡が幾つも残っていました。戦争の傷跡です。

その後に訪れた市場では、安くておいしいソーセージを食べました。街を見渡せる丘のような場所を歩いた記憶もあります。

タクシーに乗った時、運転手さんが「この国の体制は、あと2年ほどで変わる」と話していました。その時は半信半疑でしたが、実際には、その約1年後に東ヨーロッパを取り巻く状況が大きく変わりました。

ベルリンの壁が崩壊したというニュースを見た時、ブダペストの運転手さんの言葉を思い出しました。

今の美しく明るいブダペストを訪れれば、当時の記憶はきっと上書きされてしまうでしょう。それも悪いことではありませんが、暗さや緊張感を含めたあの時代の印象を、私はもう少しそのまま残しておきたいと思っています。

そんな昔話をしながら、夜は過ぎていきました。

翌24日の朝は、9時前に久しぶりの散歩へ出ました。

昼間の暑さが嘘のように、朝の空気はひんやりしています。標高の高いこの村は、日中は気温が上がっても、朝晩には涼しさが戻ります。日本でいえば、長野県などの山間部に近い気候かもしれません。

昨夜は思いがけず遠い昔まで記憶をたどりましたが、朝になると、目の前にはいつもの村の景色が広がっています。涼しい空気の中を歩いていると、頭も気持ちもすっきりしました。

乾季なのに健気に咲く花

散歩の後は、スーパーへ向かう前に郵便局へ寄りました。いつも窓口にいる女性の姿はなく、代わりに見慣れない男性が座っていました。どうやら、彼女は夏の休暇に入ったようです。

スペインでは、1か月ほどの休暇を取ることも珍しくありません。働く人に認められた権利なので、夏になると多くの人が当然のように休暇を取ります。小さな村の郵便局も例外ではありません。

その後、銀行へ行き、ATMで現金を下ろそうとしました。ところが、機械が動いていません。まだ朝の9時です。朝一番から現金を引き出せないとは思いませんでした。

郵便局ではいつもの担当者が休暇に入り、銀行ではATMが止まっています。夏のスペインでは、何もかもが普段よりゆっくりと動いているように感じます。

涼しく気持ちのよい朝でしたが、最後にはやはり、スペインの夏らしい出来事が待っていました。

祭の準備

最後までお読みいただき、ありがとうございました。