朝9時を少し過ぎた頃、散歩に出ました。昼間は暑くなりますが、朝は涼しい風が吹いています。前日の夜はかなり風が強く、嵐というほどではないものの、窓の外で風の音が続いていました。それも朝には収まり、歩くには気持ちのよい天気になっていました。
日差しはすでに強いのですが、今のところは冷たい風の方が勝っています。時間がたつにつれて太陽の力が上回り、やがて肌がじりじりと焼けるような暑さになります。それでも朝と夜には涼しい風が戻ってくる。この寒暖差が、この土地の夏のよいところです。
夏は暑過ぎるから嫌だという人も多いのですが、私はここの夏が好きです。
日本や香港の夏は湿気が多く、外に出ると体にまとわりつくような暑さを感じます。香港では冷房の効いた建物の中で過ごす時間が長く、外に出るのは短い時間だけでした。日本では外を歩く機会も多いうえ、建物の中もそれほど冷えていないことがあります。夜になっても蒸し暑さが残り、なかなか体が休まりません。
こちらでも地元の人が「今日は蒸し暑い」と言うことがあります。しかし、日本の夏を知っている私には、思わず「これを蒸し暑いと言うのだろうか」と感じてしまいます。
散歩道の途中には、今年植えられた樫の木が4本あります。
まだ幹も細く、この暑い夏を無事に乗り越えられるのか、少し心配です。根がしっかり張るまでには時間がかかるでしょう。
その近くには、緑の葉を大きく茂らせた木が2本立っています。10年以上前、まだ愛犬がいた頃に植えられた木です。当時は3本ありましたが、1本は根付かず、残った2本がここまで大きく育ちました。
今年植えられた4本も、せめて1本でもこの夏を乗り越え、いつか葉を茂らせてほしいものです。
散歩を終えた後は、銀行へお金を下ろしに行きました。別の銀行のATMへ向かおうとしたところで、友人のアンディと息子さんに会いました。
アンディは内装工事の仕事をしています。夏は暑さが厳しいため、朝7時頃から仕事を始めるそうです。スペインでは10時前後に朝食休憩を取ることがありますが、その時間までにできるだけ仕事を進めておかないと、暑さで体がもたないのでしょう。
この日は気温が低く、外にいても快適でした。二人と一緒にバルへ入り、昔の話や、アンディが日本を訪れた時の話をしました。私はコーヒーを飲み、二人は朝食を食べていました。
別れた後、ATMで支払いを済ませて家に戻り、少し仕事を始めました。すると、友人のベロニカから「今からプールへ来ない?」と連絡が入りました。
「まだ仕事をしているから、後で行くね」と返すと、「後って、いつ?」と聞かれました。昼食の後に行くつもりだと伝えましたが、その後も「いつ来るの?」という連絡が何度も届きます。
スペインの人たちの押しの強さには、時々驚かされます。ただ、それくらい強く誘ってもらわなければ、私は仕事を切り上げて出掛けようとは思わなかったでしょう。
結局、プールのバルへ着いたのは午後5時過ぎでした。
友人のトニーも来ていて、プールで泳いだ後、ベロニカと一緒にバルで過ごしていました。
この日は本当に気温が下がっており、風も絶えず吹いていました。午後5時を過ぎているのに、日陰では肌寒く感じるほどです。真夏のスペインで寒いと感じることが、何だか不思議でした。
三人でいろいろな話をし、楽しい時間を過ごしました。その後はベロニカと別のバルへ移動し、またフライドチキンを食べてしまいました。
仕事をしている時には、何度も誘われることを少し面倒に感じていたのも事実です。それでも、こうして「おいで」と声を掛け、家から連れ出してくれる人がいることは、本当にありがたいことだと思いました。
一人で暮らしていると、仕事を理由に、そのまま一日を終えてしまうこともあります。この日は友人たちのおかげで、涼しい風の中で話をし、笑い、土曜日らしい夕方を過ごすことができました。
夜空には、半月を少し過ぎた月が浮かんでいました。満月へ向かう途中の月は明るく、静かな村の夜をきれいに照らしていました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




