朝4時45分に起きました。
目覚まし時計が鳴った時は、なぜこんな時間に音がしているのか分からず、しばらくぼんやりしていました。少ししてから、早朝の山歩きに出かける約束をしていたことを思い出しました。
目的地は、ここから車で30分ほどのところにあるガウシンという村です。村の近くには、標高千メートルほどの山があります。その山に登り、夏至の日の出を見ることになっていました。
まず、朝5時半に村のガソリンスタンドで待ち合わせました。参加したのは、オランダ人の夫婦と私、それにイギリス人のアレックスです。そこからアレックスの車に乗り、ガウシンのガソリンスタンドまで向かいました。
到着した時は、まだ辺りが真っ暗でした。懐中電灯で足元を照らしながら、山道を歩き始めます。ガウシンから参加した三人とも合流しました。
その三人は、私より年上に見えましたが、普段から毎週のように山を歩いているそうです。暗い道でも迷いなく、すたすたと登っていきます。
一方、私たちは少しゆっくりと歩いていたため、頂上で日の出を見ることはできませんでした。
それでも、登っている途中で空が少しずつ赤くなり、周囲の景色が見えるようになってきました。懐中電灯がなくても足元が分かるほど明るくなった頃、ふと右側を見ると、すぐ近くが崖のようになっています。
暗いうちは気づかなかったのです。
もともと高い場所が得意ではないため、明るくなるほど足がすくんできました。最後の急な登りに差しかかったところで、「私はここから先には行きません。ここで待っています」と伝えると、友人の女性も一緒に残ると言ってくれました。
きれいな日の出を見るためとはいえ、無理をして登る気にはなれませんでした。足を滑らせれば、ただでは済みそうにありません。
山歩きに慣れた人たちは、年齢に関係なく驚くほど元気です。この日も、六十代から七十代に近いと思われる人たちが、軽やかに歩いていました。ただ、慣れていて自信があるからこそ、思いがけない場所で足を滑らせることもあるのでしょう。
私が落ちたら、「六十代の日本人女性がスペインの山で遭難、無謀な行動」とでも報道されそうです。そんなことを考えると、なおさら先へ進む気にはなれませんでした。
残念ながら頂上からの日の出は見られませんでしたが、途中からでも大きな太陽が昇ってくる様子は眺められました。
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| 頂上は目の前 |
この日は少し霞んでいたため、遠くまでくっきりと見渡せたわけではありません。それでも、海側から姿を現す夏至の朝日は十分にきれいでした。
私の家から見える日の出とは、少し印象が違います。自宅のバルコニーからも朝日は見えますが、こちらでは山の向こうから昇ってきます。今度は早起きして、家からゆっくり眺めてみようと思いました。
頂上まで行けなかったとはいえ、涼しい時間に山を歩けたのは気持ちのよいものでした。散歩というより、立派なハイキングです。
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| ローマ時代のもの |
山肌には大きな石が幾つも転がっていました。丸みを帯びた岩が重なり合い、場所によっては、まるでゴジラの卵が並んでいるようにも見えます。少し不思議で、印象に残る風景でした。
もう一度歩いてみたい気持ちはあります。ただし、あの崖の近くまで行くのは遠慮しておきます。景色は好きでも、高い場所はやはり苦手です。
山を下りたあとは、皆で朝食を食べてから帰りました。
登りよりも、むしろ下りの方が大変だったように思います。足元には滑りやすい落ち葉が多く、一歩ごとに踏ん張らなければなりませんでした。
その日はまだ筋肉痛を感じませんでしたが、年齢を考えると、痛みが出るのは翌日か、その次の日かもしれません。
家に戻ってからは、もう外へ出ずに過ごしました。すると、フランスに住む友人から連絡があり、また一緒に旅行をしようという話になり、しばらくメッセージを交わしながら、行き先や日程について考えました。
夕方には、スペイン代表のサッカーの試合がありました。本当はバルで見たかったのですが、早朝からの山歩きで、さすがに疲れています。外へ出ればビールも飲みたくなるでしょう。
結局、その日は家に残り、友人とインスタのメッセージをやり取りしながら試合を見ました。
頂上の日の出には間に合わず、崖の手前で立ち止まりました。それでも、暗闇の中を歩き、少しずつ明るくなっていく空を眺められただけで、早起きをした甲斐はありました。
無理をせず、自分が楽しめるところまで行く。それくらいが、今の私にはちょうどよい山歩きです。






