この日は、午前11時に目覚ましをかけていました。ところが鳴った瞬間、「何のためだったかな」と、すっかり予定が頭から抜けています。
少しして思い出しました。友人宅に一週間ほど滞在していた、フランスから来た家族がこの日出発することになっていて、家の鍵を受け取る約束をしていたのです。
11時半頃になると聞いていたのですが、なかなか連絡がありません。どうしたのだろうと思っていると、「シーツがまだ乾かないので待っている」とのことでした。
てっきりそのまま空港へ向かうのかと思っていましたが、飛行機は翌土曜日の早朝便だそうです。この日は空港に近い別の町まで移動し、そこで一泊してから空港へ向かうということでした。
結局、シーツは完全には乾かず、屋上のテラスに干したまま出発することになりました。「そのまま置いてあるから」と言われ、私は鍵を受け取りました。
その後しばらく仕事をしていたため、友人宅へ行く頃にはすっかり暗くなっていました。家の電気はすでに落としてあるので、懐中電灯を持って向かいます。
屋上まで上がってみると、干してあった洗濯物は夜露のせいか少し湿っていました。そのままにしておくわけにもいかないので、家の中へ取り込み、下の階に移して室内干しにしました。
ひと仕事終えた後は、ローラのところへ顔を出しました。そこにはセビリアから来た友人たちもいて、にぎやかです。
本当は昼食に誘われていました。スペインの昼食は遅く、午後2時、場合によっては3時半頃になることもあります。この日は仕事があったので昼食は断っていたのですが、夕方になって少しだけ立ち寄ることにしました。
ビールを飲んでいると、カリージャ(carrillada)を出してくれました。豚の頬肉を柔らかく煮込んだ料理で、これがとても美味しかったです。
ところが、しばらくすると妙に寒く感じ始めました。
ただ気温が低いというより、体の中からゾクゾクするような寒さです。「何だか寒いな」と思いながら過ごしていましたが、無理をせず早めに帰ることにしました。
家に戻ると、電気ヒーターを出しました。昼間の外はまだ暖かいのですが、家の中にはすでに秋を通り越して、冬のような冷たさが入り始めています。
その変化を一番分かりやすく教えてくれるのが、台所に置いてあるココナツオイルです。
私は時々コーヒーにココナツオイルを入れるのですが、暖かい時期には透明な液体になり、気温が下がると白く固まります。
つい最近まで液体だったはずなのに、今ではすっかり白く固まっています。カチカチというほどではありませんが、もう完全に液体ではありません。
「やっぱり寒くなったんだな」と、こんなところでも季節の変化を感じます。
この日のゾクゾクする寒さも、単に家の中が冷えてきたせいだと思っていました。
そのまま暖かくして、早めに休むことにしました。
