お問い合わせは ⇒ shiroimura.cortes☆gmail.com 迄、ご連絡くださいませ。(お手数ですが、☆を@に変更下さいませ)
コルテス村の地図 ⇒ こちら
【村の行事】2026年
祝日8月15日(土) 、壁のないフェスティバル 8月14日(金) &15日(土)、夏のフェリア8月20日(木) 〜23日(日)

2026/07/26

7月19日(日) 16年ぶりのスペイン優勝、村中に響くクラクション

朝からとても暑い一日でした。

この日の夜は、スペイン代表が出場する決勝戦です。村役場がパブリックビューイングを用意していたため、私も見に行くことにしました。

会場は役場前の広場ではなく、スーパーの前にある屋根付きのスペースです。普段から祭りや催し物に使われている場所で、この日はスクリーンが設置されていました。それほど大きな画面ではなく、映像も少しぼやけていましたが、若い人たちを中心に大勢が集まっていました。

用意された椅子だけでは足りず、自宅から折り畳み椅子やテーブルを持ってきている人もいます。スペインでは海や川へ出掛けるときにも、椅子やテーブルを車に積んでいく人が少なくありません。屋根の下に椅子を並べた光景は、どこか海辺のようでした。

仮設のバルは出ていなかったため、飲み物や食べ物は各自で持ち込みです。私は近くのバルでビールをプラスチックの容器に入れてもらい、それを持って会場へ向かいました。

初めは、座っている人たちのすぐ後ろに立って見ていました。画面を正面から見られる、なかなか良い場所です。

ところが、しばらくすると十代の女の子たちが隣に集まり始めました。友達が次々に加わり、私は少しずつ端へ押しやられていきます。最後には持ってきた椅子を私の足に当てながら場所を広げようとする子までいました。

椅子が当たって少し痛かったのですが、謝る様子もありません。国に関係なく、周囲への気遣いがない振る舞いを見ると気分の良いものではありません。

この左の椅子が私の足に直撃

その少し後ろには、知り合いの女の子がいました。今度中学校へ進むくらいの年齢です。その子は一部始終を見ながら、困ったような表情を浮かべていました。

同じ年頃でも、周りのことをきちんと見ている子もいます。もちろん、どこの国でも同じなのでしょう。

結局、その場所を離れ、近所のバルで続きを見ることにしました。

そこは普段から村のおじさんたちが集まる店です。この日は家族連れや小さな子供たちも来ていました。顔見知りのおじさんが椅子を出し、「ここに座ればいい」と場所を作ってくれました。先ほどの会場とは違い、落ち着いて試合を見ることができました。

ハーフタイムには、BTSのメンバーが出演するという話を聞いていました。スペインでも若い女性を中心に人気があり、友人の娘ちゃんもマドリードのコンサートへ行ったことがあります。

しかし、バルのおじさんたちは、ほとんど興味がないようでした。外へたばこを吸いに行く人もいれば、隣の人との話に夢中になっている人もいます。店内が暑かったこともあり、外へ涼みに出る人もいました。画面を見ている人も、何となく眺めている程度です。

スペインでは、テレビがついていても皆がよく話します。パブリックビューイングの会場でも同じで、試合前に出演者が登場しても、周囲の話し声でほとんど聞こえませんでした。

ハーフタイムの演出にも、大きな盛り上がりはなかったように思います。テレビにも観客席があまり映らず、出演者ばかりが映し出されていました。もしかすると、現地のスタジアムでも同じような雰囲気だったのかもしれません。

私は密かに、トム・クルーズが空から降りてくるような派手な演出を期待していました。しかし、もちろんそのような場面はありませんでした。アメリカでも、サッカー人気はまだほかの競技ほどではないのかもしれません。

試合は延長戦に入りました。誰もが、このままPK戦になるのではないかと思い始めた頃です。

ところが、延長後半が始まって間もなく、スペインが得点しました。残念なことに、その瞬間を私は見逃してしまいました。少し気が緩み、携帯電話でメッセージを確認していたのです。外へ出ていた人たちも慌てて戻ってきて、店内は急に騒がしくなりました。

そして、そのまま試合終了。スペインが16年ぶりの優勝を果たしました。

優勝が決まった瞬間、16年前のことを思い出しました。あのときは、どこで試合を見ていたのか、今でも覚えています。

当時、この村にはアルゼンチン出身の人たちが大勢暮らしていました。若い夫婦や小さな子供を連れた家族も多く、村全体に今よりも活気があったように思います。

今回のパブリックビューイングにも、アルゼンチンのユニフォームを着た人が何人か来ていました。しかし、16年前と比べると、その人数はずいぶん少なくなりました。試合を見ながら、村の変化や過ぎた年月のことまで考えていました。

試合が終わると、人々は車に乗り込み、スペイン国旗を振りながらクラクションを鳴らし始めました。しばらくの間、村中にクラクションの音が響き続けました。

静かな夜の村が、久しぶりに大きな喜びに包まれていました。

スペイン代表は、本当に素晴らしいチームでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。