ニームの宿を出て、次の宿泊地であるリヨンへ向かいました。途中で立ち寄ったのは、ローヌ川沿いの町ヴァランスです。
昼食には、そば粉で作られたガレットを食べました。クレープに似ていますが、甘いクレープとは違い、ガレットは食事としていただくものです。
中にはチーズとベーコンのような肉、卵が入っていました。少し塩気が強かったものの、付け合わせのサラダもあり、昼食には十分な量でした。隣の席の人は、サラダをお代わりしていました。
食事をした広場では、少し前まで市場が開かれていたようです。到着した時にはすでに店じまいが始まっていましたが、昼食を終えて外へ出る頃には、今度は周囲のカフェからテーブルや椅子が並べられ、広場の景色が変わっていました。
近くにあった教会にも立ち寄りました。
華やかさよりも素朴さを感じる教会で、サンティアゴ・デ・コンポステーラへ向かう巡礼路とも関係があるようです。
町を長く見て回る時間はありませんでしたが、昼食と教会を通して、ヴァランスの落ち着いた雰囲気に少し触れることができました。
その後、再び車に乗り、リヨンへ向かいました。
リヨンに到着して最初に戸惑ったのは、駐車場からホテルまでの道です。路面電車の線路に沿って歩き、駅の中に入り、線路を越えて広場へ出ました。初めての場所で荷物を持ちながら歩いていたこともあり、ホテルに着くまでが少し複雑に感じられました。
ホテルは建物の5階にあり、到着した時には古いですがエレベーターを使うことができました。部屋は思ったより広く、コンセントも十分にあります。ただし、エアコンはなく、置かれていたのは扇風機だけでした。夏のリヨンでは、これはなかなか厳しいものがあります。
さらに不思議だったのが、トイレの造りです。西洋の宿では珍しく、トイレとシャワールームが別になっていました。ところが、トイレは中に入ってドアを閉めると、座った膝が当たってしまうほどの狭さです。
幸い、トイレの前には寝室と廊下を仕切るドアがありました。そのため、寝室のドアを閉め、トイレのドアは開けたまま用を足すことになりました。
なぜこのような設計になったのか、不思議でなりませんでした。
それでも、シャワーの水の出は良く、部屋そのものは快適でした。
チェックインを済ませると、さっそく街へ出ました。まずはリヨンの市場を見ようと路面電車に乗りましたが、途中で運行が止まってしまいました。仕方なく、そこから二駅ほど歩いて向かいます。
どうもデモの影響らしいです。
到着したのは閉店間際だったため、場内に残っている人はそれほど多くありませんでした。想像していた屋外市場ではなく、建物の中に店が並ぶ、洗練された雰囲気の市場です。総菜や菓子が美しく並び、特にエクレアがとてもおいしそうに見えました。
スペインの市場には、野菜や肉、魚などが日常の食材として並ぶ、生活に密着した印象があります。一方、リヨンの市場は、食材だけでなく、すぐに食べられる料理や菓子まで含めて楽しむ場所のように感じました。
市場を出たあとは、フルヴィエールの丘にあるノートルダム聖堂へ向かいました。香港のビクトリア・ピークへ上がる乗り物を思わせるケーブルカーに乗り、一番前の席に座りました。ところが、走っている間はほとんどトンネルの中です。景色を楽しみにしていましたが、外の様子はまったく見えないまま、丘の上に到着しました。
地上に出ると、そこには立派な聖堂が建っていました。
中へ入ると、外観から想像していた以上に華やかです。金色の装飾に、ターコイズグリーンのような青っぽい緑色が重なり、言葉では表しにくい美しい色合いが広がっていました。
聖堂の外側へ回ると、リヨンの街を一望できる場所があります。丘の上から見る市街地は美しく、ここまで上がってきた甲斐がありました。
近くの広場では音楽が流れ、人々が輪になって、フォークダンスのような踊りを楽しんでいました。特別な舞台があるわけではなく、集まった人たちが自然に踊っています。ビールを飲みながら眺めていると、広場全体に穏やかな空気が流れていました。
丘を下りたあとは、ホテルの方向へ歩きながら夕食の店を探しました。大通りから一本入った路地で見つけたのは、内装の美しい、いかにもフランスらしい雰囲気のレストランです。
にぎやかな通りから少し外れただけで、落ち着いた店が見つかるところもフランスらしく感じました。観光客が行き交う大通りだけでなく、その裏側に静かな店や路地が隠れています。
夕食を終えてホテルの近くまで戻ると、広場には大勢の人が集まっていました。バルが屋外にテレビを出し、フランス代表のサッカーの試合を放送していたのです。
フランス国歌が流れると、広場にいた人たちが一斉に大きな声で歌い始めました。旅先でその国の代表戦を見ると、普段とは違う街の表情に出会えます。大きなビールを注文しましたが、少し量が多く、最後までは飲み切れませんでした。
ホテルはすぐ近くだったため、途中で広場を離れ、部屋に戻ってテレビをつけました。ところが、試合の前半を見ているうちに、そのまま寝落ちしてしまいました。結局、フランスが勝ったのかどうかも分からないままです。
しかも、夜にはホテルのエレベーターが止まっていました。仕方なく、少し酔った状態で階段を上り、5階の部屋へ戻りました。
ヴァランスで食べたガレットから始まり、リヨンの市場、丘の上の聖堂、広場の踊り、そしてサッカー観戦まで、長い一日でした。














