今日も外に出れば暑いのでしょうが、家の中はそれほど気温が上がらず、比較的過ごしやすい一日でした。真夏になると、外よりも家の中に熱がこもって暑くなることがありますが、今日はまだそのような感じではありません。
ただ、空の色はいつもの鮮やかな青とは少し違っていました。薄い青に霞がかかったような色です。南スペインでは、サハラ砂漠の方から熱気が流れ込むと、空がこのような色になることがあります。強烈な暑さというより、辺り全体が生ぬるい空気に包まれているようでした。
この日は朝からしっかり仕事をしました。近いうちに日本から知人が来る予定で、私の村ではありませんが、知り合いが所有している家に滞在します。その準備のため、明日は現地へ行かなければなりません。
ところが、そのために必要な買い物をすっかり忘れていました。夕方、仕事を終えてから出かけることにしましたが、夜にはサッカーのスペイン戦、準決勝があります。買い物が遅くなると、試合を見にバルへ行く時間にも影響します。
買い物の前には仕事も終わらせたい。試合にも間に合いたい。やること自体はそれほど多くないはずなのに、気持ちばかりが焦っていました。
しかも、この日は朝から妙に眠く、何も考えずに一日中寝ていたいような気分でした。暑いというより、空気がぬるく、その重さに体が引っ張られているようです。
それにしても、なぜこの年になって、こんなに毎日忙しく感じるのでしょう。以前より作業の速度が遅くなり、少しの用事でも一日が終わってしまうからかもしれません。本当に忙しいのか、それとも時間の使い方が変わっただけなのか。そんなことを考えながら、まずは目の前の仕事と買い物を済ませました。
夜になり、サッカーのワールドカップを見ようとバルへ向かって歩いていると、途中で知り合いに会いました。私が行こうとしていたのは、普段は年配の男性たちが多く集まるバルです。しかし、「近くの店に行こう。他の知り合いも来るから」と誘われ、予定を変えて一緒に行くことにしました。
店に入ってみると、そこは若者ばかりでした。思いがけない場所に来てしまったようで、最初は少し場違いな気もしました。
それでも、試合が始まると店内には明るい空気が広がりました。店の人が客のテーブルに、皆でつまめる軽い食べ物を運んでくれます。客を集めるためのサービスでもあるのでしょうが、気遣いが感じられ、思っていた以上に楽しく観戦できました。
ビールを3本飲んだところで、翌朝が早いことを思い出し、試合の途中で帰ることにしました。その時点でスペインは2点を入れており、このまま決勝に進めそうな雰囲気でした。
家まで歩く途中、村の通りは驚くほど静かでした。人の姿もほとんどありません。皆、家やバルで試合を見ているのでしょう。村全体がテレビの前に集まっているようでした。
家に着いてから続きを見ていると、スペインはそのまま勝利し、決勝進出を決めました。試合が終わると、外から車のクラクションが聞こえてきました。スペインでは、サッカーの勝利や結婚式などのお祝いの時に、車を走らせながら盛んにクラクションを鳴らします。
ただし、今回聞こえてきた音はほんのわずかでした。アリカンテに住む友人に聞くと、そちらでは花火まで上がっていたそうです。やはり都会は違います。
7月に入りましたが、村にはまだ人が少ないように感じます。以前は夏になると、もっと多くの人が戻ってきました。ワールドカップの試合がある夜などは、バルも通りも人でいっぱいになったものです。
今は、村を離れて都会へ働きに出た人が多く、簡単には帰ってこられません。そして、昔は元気に夜遅くまで騒いでいた人たちも、皆、少しずつ年を重ねました。村が静かになったのは、人口が減ったからだけではなく、そこに暮らす人たちの時間が流れたからでもあるのでしょう。
それでも、スペインは決勝へ進みました。決勝は日曜日です。その夜には、今日よりも多くの人がバルに集まり、昔のような賑やかさが少し戻ればいいなと思います。


