まるで夏が突然やって来たかのような陽気になりました。
ついこの前まで寒さに身を縮めていたのに、今日は半袖でもいいのではと思うほど。こんなにも急に季節が変わるものかと、少し戸惑うくらいの明るい一日でした。
そんな朝、私は慌ただしく荷物をまとめていました。今週から友人一家が旅行に出かけるため、その間、家とワンちゃんのココの世話を任されたのです。
彼らが出かけるのは「セマナ・ブランカ」。スペイン語で「白い週」という意味で、アンダルシア地方では学校が一週間休みになります。
けれど地域によって事情は少しずつ違います。たとえばセビリアでは、春祭りのフェリアの時期に別のお休みがあるため、この週は通常通りなのだそうです。同じアンダルシアでも休みの取り方が異なるのは、なかなか興味深いものです。
ともあれ、家族は朝のうちに出発し、私は昼過ぎに到着しました。
ココとの再会
ココは15キロほどの雑種のハンティングドッグ。ウサギを追うような犬種で、とにかく元気いっぱいです。テニスボールが大好きで、ひとりで遊んでくれればいいのですが、必ず私の足元まで持ってきて「投げて」と催促します。
しかもそのボールは、よだれでびっしょり。前回は素手で触っては何度も手を洗うことになり、それも少々手間でした。友人にその話をすると、「ゴム手袋を持っていけば?」とひと言。なるほど、その手があったかと、今回はしっかり持参しました。
まるで引っ越し
とはいえ、ただ泊まりに行くわけではありません。ここで仕事もするため、荷物はほとんど引っ越しのような量になります。
愛用のノートパソコンは13インチで画面が小さく、作業には少し心もとないため、ポータブルモニターも持参。さらに外付けハードディスク、キーボード、延長コード、そして電気スタンドまで。
というのも、ここは英語圏の方のお宅で、間接照明が中心。雰囲気はとても素敵なのですが、仕事をするにはやや暗いのです。自分で明かりを確保しないと、なかなか集中できません。
食べ物も、冷蔵庫のものを自由に使っていいと言われてはいるものの、やはり自分の調味料や食材を持参します。たとえるなら、「醤油を持っていく」ような感覚でしょうか。結局、生活の一部をそのまま運ぶことになります。
大きな家と、少し野生の気配
家は二階建てで、寝室が四つ。広いテラスにプール、さらに別棟のコテージまであります。前回まではそのコテージに泊まっていましたが、冬は寒く、犬の世話や料理のしやすさも考えて、今回はメインハウスで過ごさせてもらうことになりました。
けれど、こうした自然に近い環境の家には、思わぬ「訪問者」が現れることもあります。
コテージに滞在していたときのことです。夜中にトイレの電気をつけた瞬間、床をさっと走る影が見えました。
なんと、ムカデでした。
どうしていいかわからず、洗剤やシャンプーをかけ続け、完全に動かなくなるまで一時間以上見守ったことがあります。結局、近所に住むフランス人の友人に電話をし、翌朝処理を手伝ってもらいました。
また、別のお宅でペットシッターをした際には、大きなネズミが出て、30キロほどあるワンちゃんが本能のハンティングモードに入ってしまったこともあります。
ワンちゃんを止められず、どうして良いかわからなくなり、近くに住む同じ友人に電話をし、ドアを閉めて犬を近づけないようにするよう指示を受けました。翌朝始末してもらうことになったのですが、
その直後、誇らしげにくわえて私のもとへ持ってこようとしたのです。
思わず悲鳴をあげると、その声を聞いた友人が、夜中にもかかわらず車で駆けつけてくれました。
こうして振り返ると、家を預かるというのは、ただ留守番をすることではなく、その土地の自然ごと引き受けることなのだと感じます。
便利さとは少し違う、野生の気配が残る暮らし。
それもまた、この土地らしさのひとつなのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

