この日はマラガで一日を過ごしました。
朝は、宿泊している場所の下にある「カラコレス」というカフェで朝食をとりました。観光地の近くにある店なので、正直あまり期待しすぎないようにしていたのですが、パンが思った以上に美味しく、一日の始まりから少し気持ちが上がりました。
朝食を終えてから、中心地へ向かって歩いていきました。
途中、マラガ市内にあるローマ劇場の中を通り、そこからアルカサバの城壁を見上げました。ローマ時代の劇場跡の上に、イスラム時代の面影を残す城壁がそびえる風景は、マラガの歴史の重なりを感じさせます。
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| VRのゴーグルを付けて見学している旅行者 |
次に立ち寄ったのは、マラガ大聖堂です。
以前このあたりでは、オリーブの葉のついた小さな枝を持ったヒタノの人たちが近寄ってくることがありました。うっかり受け取ってしまうと、その後にお金を求められ、払うまで付きまとわれます。
今回はそういう人は見かけませんでしたが、観光地では、差し出されたものを気軽に受け取らない方がよいと改めて思います。
その後、ラリオス通りを歩きました。この通りを歩くと、やはりマラガに来たのだと感じます。
ただ、2年前に訪れた時と比べると、人の数は少なめでした。前回はちょうどお祭りの時期で、通りは人でごった返していました。それに比べると、今回はずいぶん歩きやすい人出です。
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| 2024年5月 |
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| 2024年5月 |
観光客であふれる賑やかさもマラガらしさのひとつですが、この日は少し落ち着いた雰囲気の中で、町をゆっくり歩くことができました。
その後、中央市場の方へ向かいました。市場の中を少し見て回ると、魚介や肉、野菜、果物が並び、スペインの食の豊かさを改めて感じます。
市場は、ただ買い物をする場所というより、その土地の暮らしや食文化が見える場所です。旅行で訪れる時も、こういう場所に立ち寄ると、町の空気がぐっと身近に感じられます。
市場を見た後は、すぐそばにあるバルで昼食をとることにしました。どちらかというと、旅行者向けのメニューが用意されているような雰囲気の店でした。
周りのテーブルには、大きな皿に盛られた魚介が次々と運ばれていきます。その量を見て、私たちの料理もどうなることやらと少し心配になりました。
案の定、大きなイカとタコの足が出てきましたが、近くのテーブルの皿を見た後だったので、思ったよりは控えめに感じて少しほっとしました。それでも、二人で食べるには少し多めです。三人くらいで分けたら、ちょうどよかったかもしれません。
値段は観光地らしく少し高めでしたが、市場のすぐそばということもあり、イカはとても美味しかったです。新鮮な魚介を気軽に食べられるのは、やはり港町マラガならではの魅力です。
面白かったのは、午後2時を過ぎると、店の雰囲気が少し変わってきたことです。スペインでは昼食の時間が日本より遅く、2時を過ぎるころから地元の人たちが本格的に食事に来ます。
その時間になると、観光客向けとは少し違う通常メニューも出てきて、店の空気が少しずつ地元寄りになっていきました。
食事の後は、別の店でコーヒーを飲みました。スペインでは、食後に場所を変えてコーヒーを飲むことがよくあります。ひとつの店で全部済ませるのではなく、食事は食事、コーヒーはコーヒーと、少しずつ場所を変える。そのゆるやかな流れも、スペインで過ごす時間の楽しさです。
その後は、港の方へ向かって歩きました。マラガの港周辺は整備されていて、大型クルーズ船も停泊していました。海沿いを歩いていると、町の中心とはまた違う開放感があります。
内陸の村で暮らしていると、海のそばを歩くだけで、いつもとは違う気分になります。空気の流れも、光の感じ方も、どこか少し違って感じられました。
港のあたりを歩いた後、再び町の中心へ戻りました。そしてまたラリオス通りへ出て、ラリオスホテルの屋上にあるバルで一杯飲むことにしました。
ここは景色がとても良い場所です。
この場所を知ったのは、23年ほど前に父とこのホテルに宿泊したことがきっかけでした。その時に見た夜景がとても綺麗で、今でも印象に残っています。
久しぶりに同じ場所を訪れると、今のマラガを眺めながら、昔の旅の記憶も少し重なりました。
その後、ピカソの生家のある場所にも立ち寄りました。マラガといえば、ピカソの町でもあります。美術館に入らなくても、生家の周辺を歩くだけで、この町が持っている文化的な一面に触れたような気持ちになります。
すでにお腹はかなりいっぱいでしたが、帰り道に雰囲気のよい地元向けのバルを見つけました。店の中からフラメンコの音楽が流れていて、思わず足を止めたくなるような空気があります。
せっかくなので入ってみることにしました。スペインらしい音楽が流れる中で、軽くタパスをつまみ、ビールを一杯飲みました。
事前に調べていた店ではなく、歩いている途中でふと見つけた店に入る。こういう偶然の時間が、旅先ではあとから印象に残るものです。
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| セマナサンタで出るマリア像 |
その後は宿へ戻り、外には出ずに、部屋でワインを飲みながらおしゃべりをして過ごしました。
この日は、アルカサバの城壁や大聖堂、市場の魚介、港の景色、ラリオスホテルから眺めた町並み、そして偶然見つけたバルの音楽が、少しずつ一日の記憶に残りました。
歩いて、食べて、飲んで、昔の旅を思い出しながら、今のマラガの空気を感じる。そんな何気ない時間の中に、この町で過ごす一日の豊かさがあったように思います。























