朝9時過ぎ、カーテンを開けると、久しぶりに青空がのぞいていました。
あれほど続いていた雨がひとまず上がり、空に淡い光が差し込んでいます。まだ少し風はあるけれど、これなら歩けそう。そう思って、久しぶりに散歩に出ました。
村の真上には青空。でも、その周りを取り囲むように雲が追いかけてくるように広がっています。
今日一日は曇りがちで、夜中からまた雨になる予報。そして明日は大雨警報が出るかもしれないとのこと。日曜日にはようやく晴れると言われていますが、どうなるでしょうか。
足元を見ると、あちこちに折れた枝が落ちています。強い風と雨の爪痕です。
上から何か落ちてきたら危ないなと思い、フードをかぶって歩きました。ほんの少しでも外の空気を吸うと、それだけで気持ちが軽くなります。
夜の揺れ、朝の静けさ
昨夜も一度、音とともに小さな揺れがありました。しっかりと大きく揺れるというほどではないけれど、神経だけが先に反応するような感覚。眠っていて気づかない揺れもあったのかもしれません。
今朝は地震がありませんでした。このまま収まってくれたらいいのに、と願わずにはいられません。
70歳代の村の人が「こんな揺れは生まれて初めてだ」と話していました。それほど、この地域では珍しいことなのです。
山の向こう側、グラサレマ村では、まだ全村民避難しているそうです。ここからそう遠くない場所です。
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| 山の向こうにグラサレマ村あります |
散ってしまったアーモンドの花
道端のアーモンドの花は、ほとんどが散っていました。
本来なら2月上旬は満開に近い季節。山肌がやわらかなピンク色に染まるはずでした。今年は嵐に打たれ、花びらが地面を覆っています。
アーモンドは蜂によって受粉します。でも、この嵐では蜂も飛べなかったでしょう。今年の実りは厳しいかもしれません。
オリーブの実もたくさん落ちていました。この地域では、9月後半からアーモンドの収穫が始まり、その後11月頃からオリーブの収穫が始まります。ここに残っていた実は、誰のでもないオリーブの木です。
けれど、スペイン北部の方ではまだ摘み終えていなかったという話も耳にしました。今回の大雨は、きっと大きな打撃になったはずです。
水に浸かった線路
川の水位は少し下がっていましたが、それでも爪痕ははっきり残っています。
ここの路線はアルヘシラスからロンダ、そしてアンテケラまで。かつてはグラナダまで一本でつながっていました。
その途中にあるヒメラ・デ・リバルやベナオハン駅周辺が、川の氾濫で線路が水に浸かってしまったため、今は鉄道が運休しています。雨が続く限り、本格的な復旧も難しいでしょう。
また、村を出る三本の道のうち、今通れるのは海側へ向かう一本だけ。ロンダ方面へは迂回が必要です。陸の孤島というほどではないけれど、不便さは否めません。
太陽と、油断
それでも、太陽が当たると体がぽかぽかと温まります。光があるだけで、こんなにも気持ちが違うのかと実感します。
知らなかったのですが、この地域はアフリカプレートとユーラシアプレートが接する場所に近いのだそうです。ここに20年以上住んでいる間に、地震は小さいのが数えるほどしかなかったので、この地域は地震とは縁がないのだと思っていました。
でも今回の群発地震で、この地域も結構あるんだと改めて実感しました。
また、「ドン」と音がしていていたのは、岩の隙間に水が入り込み、空気が押し出されるからというのもあるそうです。ここの山は岩でできているよなものです。理屈を聞いても、実際に揺れるとやはり怖いものです。
慣れというもの
家に戻ると、窓から光が差し込み、外から笑い声が聞こえてきました。みんな、太陽が出ると自然と外に出たくなるのでしょう。
そんな穏やかな時間の中で、昼に小さな揺れが一度。さらに午後3時前にも二回ほど、ガタッと。
最初の頃は、揺れるたびに「外へ出なきゃ」「バッグはどこ?」と慌てていました。今は、揺れてもご飯を食べ続けている自分がいます。慣れてしまったのでしょうか。
でも、非常用バッグの場所をすぐに思い出せない自分に気づき、はっとしました。慣れは、安心とは違うのだと。
夜のアラート
午後にも数回揺れ、最後の一度は少し大きく感じました。やはり怖いものです。
夜になると、携帯のアラートが鳴りました。明日は大雨警報。川沿いに住む人は避難するようにとのこと。村からも連絡があり、今夜は別の場所へ移動してくださいと呼びかけていました。
親戚の多い土地なので、身を寄せる場所がある人は多いでしょう。それでも、もし行き場がなければ手配します、と村は伝えています。こういうときの支え合いに、胸が少し温かくなります。
夕方から再び雨が降り始めました。今はそれほど激しくありませんが、夜中から朝にかけて強まる予報です。
木曜、金曜を越え、日曜日には晴れると言われています。その言葉を小さな灯りのように心に置きながら、今日も静かに過ごします。
どうか、これ以上大きな揺れも、これ以上の被害もありませんように。
最後までお読みいただきありがとうございました。






