朝8時を少し過ぎた頃、犬と散歩に出ました。
今日はちゃんと一周歩くぞ、と思って家を出たのですが、朝は思った以上に涼しく、「サマーセーターを着た方がよかったかな」と感じるほどでした。それでも薄手のカーディガンを羽織っていたので、そのまま歩き始めました。
犬も最初は元気よく歩いていました。
ところが途中で突然立ち止まり、地面の匂いを嗅ぐのではなく、鼻を上げて空気の匂いを嗅いでいます。そして、その場から動かなくなってしまったんです。
「あれ?」と思いました。
この犬はそれほど大きくありません。体重は、おそらく15キロ前後でしょうか。少しおデブちゃんになっているので、もう少しあるかもしれません。
何か危険なものの気配を感じたのかもしれないと思い、「じゃあ、帰る?」と言うと、今度は素直に家の方向へ歩き始めました。
一度家の前を通り過ぎ、その先までもう少し歩いてみましたが、やはり途中で戻りたそうにします。結局、この日の散歩は予定していた一周コースを諦めました。
以前飼っていた犬は35キロほどある大型犬でした。その頃の散歩では、こちらが「怖い」と思うことはほとんどありませんでした。
むしろ、向こうから犬などが来れば、こちらの犬が相手に危害を与えないよう気を付ける側でした。
ところが小さな犬と歩いていると、少し感覚が違います。本人が何かを怖がっている様子を見せると、「これは無理をしない方がいいな」と思います。
犬には人間には分からない匂いや気配が分かるのでしょう。
結局、朝の散歩は短めに切り上げて帰宅しました。
午後になると、また気温が上がってきました。
「最後にもう一度プールに入ろうかな」とも思ったのですが、この日は仕事を終わらせることにしました。
納期そのものはもう少し先です。ただ、分担して翻訳している仕事で、他の方はすでに担当部分を終えていました。私だけいつまでも残しておくのも気になるので、「今日は仕上げよう」と決めました。
それでプールは諦め、仕事を済ませました。
夕方には、庭の植物に水をやりました。
この家では、留守の間も植物に水をやるよう頼まれています。家の周りはホースで水を撒けるのですが、少し離れた場所にはジョウロを持って行かなければなりません。
そこにはトマトなどを育てている一角もあります。
水をやろうとそこへ行くと、うさぎがいました。
この家でもうさぎを一匹飼っています。ただし、そのうさぎは今はケージの中です。家の人が留守なので、外へ自由に出すわけにはいきません。私は餌と水をあげるだけです。
ところが、庭にいたのは別のうさぎでした。
しかも、いかにも野生のうさぎという姿ではありません。
この辺りで見かける野生のうさぎは、普通は茶色で、毛も短く、すっきりした姿をしています。それに対して庭に来ていたうさぎは、白とグレーが混ざったような色で、毛もふわふわしています。
どこか飼いうさぎらしい姿なのです。
この家で飼われているうさぎも、ペットショップで買ったというより、近所で生まれた子をもらったような話を聞きました。
そのため、庭にやって来るこのうさぎも、同じ辺りで生まれた仲間なのかもしれません。どこかの家から逃げたのか、それともそのままこの辺りに住み着いたのか。詳しいことは分かりません。
犬が近づかないよう扉を閉めてから、私はしばらくそのうさぎを眺めていました。
向こうも、じっとこちらを見ています。
「何もしないからね」
そう話しかけたら、逃げずにじっとしていました。
野生なのか、元飼いうさぎなのか、それとも近所を自由に行き来しているだけなのか。
人間には分からないことが、ここには結構あります。
水やりを終え、夜は前日から見ていた『ピアノの森』の続きを見ました。
何度も見ている作品なのですが、やはりまた感動してしまいます。
その後は『四月は君の嘘』。こちらも音楽が中心の作品で、ピアノとバイオリンが登場します。
私はこういう音楽を題材にした作品が好きです。
ただ、見始めた頃には少し遅い時間になっていたので、途中をかなり飛ばして最後の2話を見ることにしました。
こうして一日が終わりました。
朝は犬が何かの気配を感じ取って立ち止まり、夕方は庭で見知らぬうさぎと見つめ合いました。
動物たちのおかげで、自然の中で暮らしていることを改めて感じる一日でした。
