月曜日から続いた犬のお世話が、今日でひと区切りとなりました。
預かっていたワンちゃんのココは、胸がきゅっとなるほど愛らしい子です。私が荷物を持って外へ出ようとするだけで、不安そうな目を向けます。
少しテニスボールで遊んだ後、ココを家の中に入れてからドアを閉めカギを掛けました。その後、ハウリング(遠吠え)が聞こえてきたんです。きっとまた置いていかれるのではないか、と心細くなったのでしょう。
ココは保護犬です。
保護犬にはそれぞれ事情があり、過去があります。飼い主が変わるという経験は、犬にとって大きな出来事です。人が離れる気配に敏感になるのも、無理はないのだと思います。
その声を聞きながら、昔飼っていたボクサー犬、モージョーのことを思い出しました。まだ結婚前、元夫が香港に住んでいた頃に譲り受けた、生後7か月ほどの子でした。以前の飼い主はイギリス人とフィリピン人のご夫婦で、事情があって手放したのです。
ある日、私が数日間世話をしていたときのこと。友人とビーチへ行き、ほんの少しだけモージョーを友人に預けてその場を離れました。すると、声が枯れそうなほど大きな声で吠え続けたのです。普段はほとんど吠えない子だったのに、そのときだけは必死でした。
「また置いていかれるのではないか」
そんな不安が、体の奥に刻まれていたのでしょう。あの必死な声は、いまでも忘れられません。
今回の4泊は、私にとって小さな休暇のようでもありました。
朝は鳥の声で目が覚め、犬と散歩に出て、仕事をし、夜は一緒にソファに座ってNetflixを見る。まるで短期の別荘暮らしです。
気温は急に上がり、昼間は夏のような陽気でした。ただ、その暖かさに誘われてか、虫たちも姿を見せ始めます。
昨夜、ベッドルームで電気をつけた瞬間、天井近くで黒いものが動いているのが見えました。大きなクモです。脚が長く、なかなか存在感があります。掃除機で吸おうと構えましたが、ホースが届きません。降りてくるのを待つしかない――けれど、降りてきたらそれはそれで怖い。
30分ほどしてカーテンレールのあたりまで下りてきましたが、近づいた瞬間、カーテンの裏へ隠れてしまいました。結局そのまま様子を見ながら、半ばあきらめて眠ることに。
田舎の家では、こうした小さな「同居人」は避けられません。短期滞在だから笑い話で済みますが、住み続けるとなると、家のメンテナンスも含めてなかなか大変です。
友人たちの家は、それぞれに個性があります。どの家もとても素敵にデコレーションされ、壁にはたくさんの写真が飾られています。
一方で、間接照明が中心の家も多く、私には少し暗く感じます。のんびりテレビを見るには心地よい明るさですが、何か作業をしようとすると見えにくいのです。
何度か経験するうちに、私は「持参リスト」を作るようになりました。
電気スタンド、小さなヒーター(冬のみ)、お箸と調味料、そして水。地下水を使っている家も多いので、飲み水や歯磨き用の水は持参します。今回は5リットルを2本持っていき、ほぼ使い切りました。
冷蔵庫のものは「自由に使ってね」と言われますが、やはり好みがあります。基本は自分の食材を持参し、オリーブオイルやバター、にんにくなどを少し借りるくらい。ビールも少々いただきます。
こうして自分のペースで過ごす数日間は、ちょっとした「自分だけのホリデー」のようでもあります。
自宅に戻ってゆっくりしていると、友人から「タパスとビール」のお誘いがありました。
男性陣の話題は自然とスポーツへ。6月にアメリカで開催されるフットボールのワールドカップの話で盛り上がります。ここでは野球はほとんど話題にのぼりません。土地が違えば、関心もずいぶん違うものです。
こうして日常に戻り、静かな夜を迎えました。
犬のぬくもりも、クモとの攻防も、暗い部屋も、すべてが良い思い出です。
今日も、いい一日でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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