目を覚まして外を見ると、昨日の予感どおり、見事な雲海が広がっていました。
最近では「これは雲海になりそうだ」と、空の様子だけでなんとなく分かるようになってきました。少し前の自分では考えられなかったことです。
田舎に住む人が、空や風の匂いで天気を言い当てる、そんな話をどこか遠い世界のことのように思っていましたが、気がつけば自分も少しずつ、自然の変化を感じ取れるようになってきたのかもしれません。
ふと気配を感じて振り返ると、黒い鳥がじっとこちらを見つめていました。そんな何気ない瞬間にも、この土地での暮らしが、自然とゆるやかにつながっていることを実感します。
同じ朝でも、場所によって景色はまったく異なります。
ロンダの方角はすでに霧が上がり、青空が広がり始めているのに対して、地中海側へ向かう谷には、まだ深い霧が残っていました。
もし昨日まで滞在していた友人の家にいたら、きっと一面の霧の中だったでしょう。
散歩に出ると、鳥のさえずりに混じって草刈り機の音が聞こえてきます。さらにこの時間帯は、小学校のお迎えを知らせる音楽も流れ、どこか賑やかな朝です。
その音楽は、まるで夜のカクテルバーのようなジャズの音楽。登校する子どもたちにとって、この音楽が一日の始まりとして合っているのか少し不思議な気もしています。
今日はよく晴れていて、本当ならバルで朝食を取りたい気分になります。けれどスペインでは、土日に営業する分、月曜日を休みにするバルも多く、いつもの店も閉まっています。
結局、家に戻って朝食をとり、やるべきことを片付ける一日にすることにしました。
道ばたには黄色い花が咲き始め、春の訪れを静かに知らせています。
そして来週からはいよいよ、スペイン、とりわけアンダルシアの大きな行事である「セマナ・サンタ(聖週間)」が始まります。
特にセビリアやマラガでは、荘厳な行列が街を練り歩きます。ひとつの行列に千人以上が参加し、夕方に始まって夜通し続き、朝に終わることもあるほどです。
その規模と熱気は圧倒的で、初めて見たときはただ驚くばかりでした。
一方、この小さな村では、もう少し素朴な形で行われます。それでも金曜日には多くの人が集まり、女性たちは美しく装い、村は一気に華やぎます。
ただ気になるのは天気です。今年は予報が変わりやすく、雨の心配がつきまといます。セマナ・サンタの行列は、雨が降ると中止になることも珍しくありません。
かつて、セビリアの行列が中止になり、涙を流す若者の映像をテレビで見たことがあります。当時はなぜそこまで悲しむのか分かりませんでしたが、今ではその気持ちが少し理解できるようになりました。
それは単なる行事ではなく、信仰や誇り、そして人生の一部でもあるのです。
そして夕方。
週末にペットシッターをしていた家の友人と会う約束をしていたのですが、待ち合わせのバルがまさかの休業。普段はほとんど閉まることのない店なので、少し心配になるほどでした。
結局、ガソリンスタンドの横にある別のバルへ移動すると、友人たちが次々と集まり、思いがけずにぎやかな時間になりました。
ペットシッター先の方からは、カディスのお土産もいただきました。名産のマグロをオリーブオイルで漬けた保存食で、スペインらしい一品です。
トーストにのせても良し、ご飯と合わせても良し。日本のお米があればさらに楽しめそうですが、こちらのお米でどう味わうか考えるのもまた一興です。
この日の午後、天気予報にはなかった雨が突然降り出しました。強く降ったかと思えば、15分ほどで止んでしまう、そんな気まぐれな天気です。
まだ少し肌寒さは残りますが、そろそろ太陽の光を思いきり浴びたい、そんな思いが日に日に強くなってきています。
最後までお読みいただきありがとうございました。






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