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【村の行事】2026年
祝日8月15日(土) 、壁のないフェスティバル 8月14日(金) &15日(土)、夏のフェリア8月20日(木) 〜23日(日)

2026/09/20

9月8日(火) 最後のプールと犬との別れ、久しぶりの我が家へ

今日でペットシッティングも終わりです。

今回は一軒目の友人宅から、少し家に戻った後すぐ別の友人宅へ移動し、合わせて10日ほど犬たちと暮らしました。思っていたより長いペットシッティングになりましたが、振り返ってみると、あっという間だった気もします。

今日も朝は涼しかったものの、日中は暑くなりました。

朝のうちに犬と散歩へ出ようかとも思ったのですが、帰る前に家を整えておかなければなりません。掃除をしたり、荷物をまとめたりしながら過ごすことにしました。

その合間に、昨日途中で見るのをやめたアニメ『四月は君の嘘』を少しだけ見ました。また目がうるうる。こういう作品は、続きが気になって見始めると危険です。

そして午後には、この家で最後のプールを楽しみました。

9月に入ってからもこうして気持ちよく屋外のプールに入れるのは、この辺りでもそれほど多くありません。例年なら8月後半になると、まだ昼間は暑くても朝晩の気温が下がり始めます。それにつれてプールの水も冷たくなり、泳ぐ人は次第に減っていきます。

9月になると、さらに朝晩は冷え込むようになります。昼間に気温が上がったとしても、水はなかなか温まりません。寒がりの私には少し辛くなってきます。

ところが今日は真夏のような陽気で、水もそれほど冷たくありませんでした。

最後にもう一度泳げたのは嬉しいことでした。

プールから上がった後は、いよいよ帰る準備です。

荷物をまとめ始めると、犬はすぐに気付きます。こちらが鞄を出したり、物を詰め始めたりすると、何となく落ち着かなくなるのです。

「どこかへ行くの?」

そんな顔でこちらを見ています。

夕方、最後のご飯をあげ、ウサギの水も確認しました。植物にも少し水をやり、家の中をもう一度確認します。

飼い主たちは夜に帰宅する予定だったので、それほど急ぐ必要はありません。7時半頃、家を出ることにしました。

ところが私が荷物を持って外へ出ようとすると、犬がキュンキュンと鳴き始めました。

荷物を持っているので、「置いていかれる」と分かったのでしょう。

これが一番辛いところです。

庭はきちんと囲われているので、飼い主から言われていた通り、犬は屋外に出しておきました。水とベッドも用意して、後ろ髪を引かれながら家を出ました。

本来なら飼い主たちは夜10時頃には帰宅する予定だったそうですが、飛行機が遅れ、実際に家へ着いたのは午前2時過ぎでした。

4時間ほどの遅れです。

帰宅すると犬は大喜びだったそうです。その話を聞いて、私もほっとしました。

私は家へ戻る途中、いつものバルの前を通りました。友人たちがたくさんいたので、少しだけ合流してから自宅へ帰りました。

久しぶりの我が家です。

冷蔵庫を見るとビールが一缶残っていました。それを取り出して、簡単なおつまみを食べながらYouTubeを眺めます。

何もしないでぼーっとしていると、まるで旅行から帰ってきたような気分になりました。

今回は本当に天気に恵まれました。

夏のペットシッティングは荷物が少なくて済みます。これが寒い季節になると、かなり事情が違います。

田舎の家は冬になると冷えます。私は寒がりなので、念のため寝袋を持っていくこともあります。厚手のスリッパや足元用のヒーターも必要になります。

夏ならビーチサンダル一足で済むところが、冬はそうはいきません。

食事も同じです。

暑い時期なら簡単なものを持っていき、それを食べれば済みます。しかし寒くなると温かい料理が食べたくなり、米を炊いたりパスタを茹でたりすることになります。

すると飲み水だけでなく、料理用の水も必要です。

この家の水は水質検査もされていて問題はないのですが、独特の匂いがあります。おそらく地下水なのでしょう。私は慣れていないので、今回は自宅から7リットルほど水を持っていきました。

飲むだけではありません。

歯を磨いたり、お茶を入れたりしているうちに、思った以上になくなります。料理までするなら、さらに持っていかなければなりません。

冬になると、寝袋にヒーター、厚手の衣類、食料、水。

ペットシッティングというより、小さな引っ越しのようになります。

その点、夏は随分楽です。

こうして約10日間続いた犬たちとの暮らしも終わりました。

犬と暮らす生活は、やはり楽しいものです。

ただ、自分でもう一度犬を飼うかと聞かれると、今は考えてしまいます。

犬を飼えば、10年、14年と責任を持って一緒に暮らさなければなりません。その頃の自分の年齢を考えると、簡単に決められることではありません。

それ以上に、またいつか別れなければならないことを考えると、私の気持ちが持たないような気もします。

だから今は、こうして友人たちの犬を預かり、たっぷり可愛がるくらいが、私にはちょうどいいのかもしれません。

犬のいる生活を楽しんで、そして自分の家へ戻る。

久しぶりに静かな我が家で飲むビールも、なかなか悪くありません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026/09/19

9月7日(月) 犬が立ち止まった朝、庭に現れたうさぎ

朝8時を少し過ぎた頃、犬と散歩に出ました。

今日はちゃんと一周歩くぞ、と思って家を出たのですが、朝は思った以上に涼しく、「サマーセーターを着た方がよかったかな」と感じるほどでした。それでも薄手のカーディガンを羽織っていたので、そのまま歩き始めました。

犬も最初は元気よく歩いていました。

ところが途中で突然立ち止まり、地面の匂いを嗅ぐのではなく、鼻を上げて空気の匂いを嗅いでいます。そして、その場から動かなくなってしまったんです。

「あれ?」と思いました。

この犬はそれほど大きくありません。体重は、おそらく15キロ前後でしょうか。少しおデブちゃんになっているので、もう少しあるかもしれません。

何か危険なものの気配を感じたのかもしれないと思い、「じゃあ、帰る?」と言うと、今度は素直に家の方向へ歩き始めました。

一度家の前を通り過ぎ、その先までもう少し歩いてみましたが、やはり途中で戻りたそうにします。結局、この日の散歩は予定していた一周コースを諦めました。

以前飼っていた犬は35キロほどある大型犬でした。その頃の散歩では、こちらが「怖い」と思うことはほとんどありませんでした。

むしろ、向こうから犬などが来れば、こちらの犬が相手に危害を与えないよう気を付ける側でした。

ところが小さな犬と歩いていると、少し感覚が違います。本人が何かを怖がっている様子を見せると、「これは無理をしない方がいいな」と思います。

犬には人間には分からない匂いや気配が分かるのでしょう。

結局、朝の散歩は短めに切り上げて帰宅しました。

午後になると、また気温が上がってきました。

「最後にもう一度プールに入ろうかな」とも思ったのですが、この日は仕事を終わらせることにしました。

納期そのものはもう少し先です。ただ、分担して翻訳している仕事で、他の方はすでに担当部分を終えていました。私だけいつまでも残しておくのも気になるので、「今日は仕上げよう」と決めました。

それでプールは諦め、仕事を済ませました。

夕方には、庭の植物に水をやりました。

この家では、留守の間も植物に水をやるよう頼まれています。家の周りはホースで水を撒けるのですが、少し離れた場所にはジョウロを持って行かなければなりません。

そこにはトマトなどを育てている一角もあります。

水をやろうとそこへ行くと、うさぎがいました。

この家でもうさぎを一匹飼っています。ただし、そのうさぎは今はケージの中です。家の人が留守なので、外へ自由に出すわけにはいきません。私は餌と水をあげるだけです。

ところが、庭にいたのは別のうさぎでした。

しかも、いかにも野生のうさぎという姿ではありません。

この辺りで見かける野生のうさぎは、普通は茶色で、毛も短く、すっきりした姿をしています。それに対して庭に来ていたうさぎは、白とグレーが混ざったような色で、毛もふわふわしています。

どこか飼いうさぎらしい姿なのです。

この家で飼われているうさぎも、ペットショップで買ったというより、近所で生まれた子をもらったような話を聞きました。

そのため、庭にやって来るこのうさぎも、同じ辺りで生まれた仲間なのかもしれません。どこかの家から逃げたのか、それともそのままこの辺りに住み着いたのか。詳しいことは分かりません。

犬が近づかないよう扉を閉めてから、私はしばらくそのうさぎを眺めていました。

向こうも、じっとこちらを見ています。

「何もしないからね」

そう話しかけたら、逃げずにじっとしていました。

野生なのか、元飼いうさぎなのか、それとも近所を自由に行き来しているだけなのか。

人間には分からないことが、ここには結構あります。

水やりを終え、夜は前日から見ていた『ピアノの森』の続きを見ました。

何度も見ている作品なのですが、やはりまた感動してしまいます。

その後は『四月は君の嘘』。こちらも音楽が中心の作品で、ピアノとバイオリンが登場します。

私はこういう音楽を題材にした作品が好きです。

ただ、見始めた頃には少し遅い時間になっていたので、途中をかなり飛ばして最後の2話を見ることにしました。

こうして一日が終わりました。

朝は犬が何かの気配を感じ取って立ち止まり、夕方は庭で見知らぬうさぎと見つめ合いました。

動物たちのおかげで、自然の中で暮らしていることを改めて感じる一日でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026/09/18

9月6日(日) 犬と歩く朝、午後はひとりプール

朝は薄い雲が空を覆い、かなり涼しく感じました。せっかくなので犬と散歩に出ようと思いながら、少しゆっくりしていたら、家を出たのは11時頃になってしまいました。

この辺りには、ぐるりと一周すると1時間半ほどかかるハイキングコースがあります。朝の涼しさが続いていたので、今日は一周できるかもしれないと思って歩き始めました。

ところが、途中から太陽が顔を出し、急に暑くなってきました。

私一人ならそのまま歩けそうでしたが、犬には少し暑すぎます。この先まで行かせるのはかわいそうだと思い、途中で引き返すことにしました。

本当はもう少し先まで歩いて、川に架かる細い橋まで行くつもりでした。一人ずつしか渡れないような小さな橋で、そこを渡ると川の反対側へ出られます。

川まで行けば犬も水に入って涼めると思っていたのですが、そこへ着く前に暑そうになってしまいました。

途中には、今年2月の嵐で崩れた道もあります。

道路の半分ほどが削られたままで、まだ修復されていません。その横を歩きながら、「また大雨が降ったら、ここもさらに崩れるのではないか」と少し心配になりました。

短い散歩にはなりましたが、それでもこの辺りは歩くには気持ちの良い場所です。

帰宅してからはブログを書いたりして過ごしました。散歩の途中に立ち寄るかもしれないと友人に伝えていたので、「暑くなったので途中で引き返した」と連絡も入れました。

そして2時過ぎに昼食。

日本にいた頃なら随分遅い昼食ですが、スペインで長く暮らしていると、私もすっかりこの時間が普通になっています。

昼食後、しばらくするとまた暑くなってきました。

朝はあれほど涼しかったのに、午後になると気温は一気に上がります。前日は34度ほどまで上がったようです。この辺りでは、午後4時、5時頃になって一番暑くなることも珍しくありません。

そこで、庭のプールへ入りました。

一人で入るプールです。

何とも贅沢です。

夏にペットシッティングを頼まれると嬉しい理由の一つが、こういう時間かもしれません。もちろん毎回プールのある家というわけではありませんが、今回は犬たちと一緒に留守番をしながら、暑くなればプールにも入れます。

9月に入ると、年によってはもう寒くなって、プールどころではないこともあります。今年は朝晩こそ涼しくなってきましたが、昼間はまだ真夏のような暑さです。

夏の終わりに、静かな庭で一人プールに入る。

なかなか良いものです。

プールから上がってシャワーを浴び、髪も洗いました。今回はドライヤーを持ってきていません。昼間の暑いうちなら自然乾燥で十分ですが、夜になってから洗うとさすがに冷えそうなので、早めに済ませておきました。

私が寝泊まりしているのは、母屋の横に建っている小さなコテージです。普段は宿泊用に貸し出しているところで、テレビもあります。

Netflixが見られるか試してみましたが、こちらでは見られませんでした。

一方、母屋のテレビではNetflixが見られます。コテージのキッチンは現在ガスが使えず、電子レンジしか使えないので、火を使って料理をする時には母屋のキッチンを使わせてもらっています。Netflixも見ていいと言われていたので、夜は母屋へ移動しました。

何か新しい作品を見ればいいのですが、結局選んだのは、以前から大好きな「ピアノの森」です。

何度見ても好きなものは好きです。

物語が進むにつれて、また感動してしまい、気が付けば遅くまで見ていました。何度も目が潤みます。

この先はいよいよコンクールの場面です。

明日は続きを流しながら、ピアノの音楽をBGM代わりにして、仕事やブログを書こうかなと思っています。

朝は犬と散歩をして、午後は一人でプールに入り、夜は好きな「ピアノの森」を見る。

そんな、ワンちゃんと二人きりの日曜日でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2026/09/17

9月5日(土) 田舎暮らしの隣人問題、犬が待つ家へ

朝5時頃、電話がかかってきました。出なかったのですが、その音で目が覚めてしまい、それからなかなか眠れませんでした。途中でも何か大きな音がしたような気がします。

そんなわけで、この日は朝から頭がぼんやりしていました。

前日に終わらせておいた方が良かった仕事が少し残っていたので、午前中はそれを片付けました。締切を過ぎていたわけではありませんが、できれば昨日のうちに終えておきたかったものです。結局、2時間半ほど仕事をしましたが、寝不足の頭ではいつも以上に時間がかかったような気がします。

この日はローラたちが来るかもしれないと思っていましたが、なかなか連絡がありませんでした。家で昼食を済ませていると、別の友人から「夜、近くのバルで会おう」と連絡があり、その約束をすることにしました。

ところが、その後になってローラたちがやってきました。

「連絡してくれたら、バルに行く約束をしなかったのに」と少し思いながらも、一緒に軽く何かをつまみ、ビールを少し飲みました。彼らはその後村へ戻るというので、途中で待ち合わせのバルまで送ってもらうことにしました。

待ち合わせ場所は、コルテス駅の近くにある「パラ」というバルです。

店が開くのは夜8時。オーナーたちは外にいるのですが、8時になるまでは店を開けません。私は少し早く着いたので、テラスに座って友人たちを待つことにしました。

空は曇り気味で、時折ぽつぽつと雨が落ちてきました。このところの暑さに比べれば過ごしやすい気温で、かといって寒いわけでもありません。

本格的に降るのかなと思いましたが、雨はすぐに止みました。

友人たちが到着してからは、道路を挟んだ反対側に置かれているテーブルへ移動しました。

この夜は私を含めて4人です。そのうちの一組は、私が時々ペットシッティングを頼まれている夫婦です。次は10月にも彼らの家へ行く予定です。

今ペットシッティングをしている家には、母屋の隣に2ベッドルームのコテージがあり、旅行者に貸し出しています。この夫婦の家にも、簡単なキッチンが付いた1ベッドルームの宿泊施設が3室あり、それぞれ旅行者に貸しています。

今はまだ気候も良く、旅行する人の多い時期です。そのため、3室とも宿泊客で埋まっているそうです。

ところが、彼らには以前から頭を悩ませている問題があります。

近所に、週末や休暇になるとやって来る人たちがいて、大音量でカラオケをするのです。

自分たちだけなら多少我慢もできるのでしょうが、宿泊客がいるとなると話は違います。静かな田舎で過ごそうと思って来た旅行者のすぐ近くで、大音量のカラオケが始まってしまっては困ります。

これまで警察に相談したり、村役場へ話をしに行ったりと、色々動いてきたそうです。一時は2年ほど静かになっていたものの、最近また始まったとのことでした。

今回も苦情を言いに行ったそうですが、特に女性のほうがかなり強い口調で言い返してくるらしく、「怖い」と話していました。

スペインでは、感情が入ると声も大きくなり、ものすごい勢いで話す人もいます。まるで機関銃のように言葉が飛び出してくるので、内容が分かっていても圧倒されることがあります。スペイン語が母語ではない人なら、なおさらでしょう。

そんな話をしているうちに、「せめてカラオケが上手ならまだいいんだけどね」という話にもなりました。

英語圏出身の友人たちにとっては、スペイン語の歌そのものにあまり馴染みがないこともあるようです。英語の歌は世界中で耳にする機会が多い一方、スペイン語の歌には独特の力強さがあります。

私は、その力強さがフラメンコにはとてもよく合っていると思います。

ただ、それが大音量のカラオケとなり、しかも頻繁に隣から聞こえてくるとなれば、音楽の好みとは別の問題です。

苦情を言うと、「ここはスペインなんだから、これくらい当たり前だ」と言われることもあるそうです。

確かにここはスペインです。でも、スペインだから何をしてもいいというわけでもありません。

特に宿泊施設を経営している人にとって、隣人との騒音問題はかなり深刻です。旅行者に気持ちよく滞在してもらいたいと思っていても、自分たちだけではどうにもできないことがあります。

田舎暮らしというと、静かでのんびりした生活を想像しがちですが、実際に暮らしていると、こうした隣人問題もあります。どこの国でも、近所付き合いは簡単ではありません。

そんな話をしながら、4人でしばらく飲んで過ごしました。

この日はローラたちの車でバルまで送ってもらっていました。今いる家までの道は途中からかなりガタガタしていて、夜、自分の車で一人で帰るのは少し自信がありません。

そのことは事前に話してあったので、帰りはご夫婦の旦那さんが家まで送ってくれました。

家に着くと、ワンちゃんがとても嬉しそうに出迎えてくれました。

ほんの数時間出かけていただけなのに、まるで何日も会っていなかったかのような歓迎ぶりです。こうして待っていてくれる存在がいると、家に帰る楽しみも増えます。

朝は寝不足でぼんやりと始まった一日でしたが、最後はワンちゃんに迎えられ、改めて犬のいる生活の楽しさを感じた土曜日でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026/09/16

9月4日(金) ペットシッティングを渡り歩く、夜のプールへ

朝、外を見ると、昨日よりも家の周りまで霧に覆われていました。

9月に入ってからも昼間は暑いのですが、朝の景色だけを見ると、少しずつ季節が変わっているように感じます。

オリーブの実、今年の出来は良さそうです。

この日は、数日間のペットシッティングを終えて一度自宅へ戻り、その日のうちに次の家へ移動する予定でした。

まだ車が手元になかったので、友人に迎えに来てもらうことになっていました。それまでに荷物をまとめ、簡単に掃除をして、家の中を整えました。

10時半頃、友人が迎えに来てくれました。

家を出てゲートまで歩いていくと、世話をしていたワンちゃんも一緒についてきます。私が車に乗ると、置いていかれることが分かったのでしょう。悲しそうな声で「アウ〜」とハウリングを始めました。

すると、それを聞いた近所の犬までハウリングを始めます。

一匹が鳴き、それに別の犬が応え、また別の犬が鳴く。少し後ろ髪を引かれながら、その家を後にしました。

自宅へ戻ってからは、洗濯をして買い物へ。

翌日からまた別の家でペットシッティングをするので、その間に食べる物を買っておかなければなりません。帰宅してから簡単な作り置きをし、再び荷造りです。

何だか一日中、荷物を出したり入れたりしている気がします。

そんなことをしていると、車の修理屋さんから「車ができたよ」と連絡が入りました。

ようやく車が戻ってきます。

修理代を支払い、久しぶりに自分の車を運転しました。ところが、走り始めると何となく違和感があります。

アクセルとブレーキの位置が、以前より高く感じるのです。

足を上げた状態で運転しているような感覚で、しばらくすると足が疲れ、つりそうになってきました。

これでは長距離は無理です。

何か調整できるのか、もう一度修理屋さんに相談したほうがよさそうです。

とはいえ、車が戻ってきたことで移動は一気に楽になりました。荷物を積み込み、そのまま次のペットシッティング先へ向かいました。

着いたのは午後4時頃です。

この日もかなり暑く、家にはプールがあります。

せっかくなので友人に「泳ぎにおいでよ」と声をかけると、マリとローラが遊びに来ることになりました。二人が到着したのは午後5時頃だったと思います。

そこから、かなり長い時間プールに入っていました。

この家のプールは細長い形ではなく、どちらかというと正方形に近い形です。特別大きいわけではありませんが、横幅があり、深い場所もあるので泳いでいて気持ちがいいのです。

夕方になっても水は心地よく、気付けば夜10時頃まで泳いでいました。

ところが途中で、突然足がつりました。

昼間、車を運転した時から足に負担がかかっていたので、その影響もあったのかもしれません。

「痛い、痛い、痛い!」

友人に足を押してもらいましたが、どうも力が足りません。

「もっと強く、もっと強く!」

と言って、かなり力を入れてもらいました。

私は足がつった時の対処には慣れている方だと思います。どこを伸ばせばいいのか何となく分かります。しかし友人にしてみれば、なぜそんなに強く押すのかと思ったでしょう。

足も何とか元に戻り、その後はプールサイドでのんびり過ごしました。

ビールを飲み、さらにロゼワインを2本開け、途中からマリのご主人も加わりました。

ちょっとした物をつまみながら話していると、灯りの周りを大きな虫が飛び始めました。

ホーネットです。

日本で言えば、大きなスズメバチのような虫でしょうか。

スペインでは外来種のアジアスズメバチが問題になることもありますが、この時飛んできたものは、見た感じでは昔からいるヨーロッパ系のホーネットだったように思います。

それでも、とにかく大きい。

ブーン、ブーンと灯りの周りを飛び続けるので、気になって仕方ありません。

私は以前ホーネットに刺されたことがあるので、なおさら警戒していました。

マリのご主人は「別に刺したりしないよ」と言っていましたが、最後は始末してくれました。

大きなホーネットを見ると、今でも昔の出来事を思い出します。

もう10年ほど前になるでしょうか。

夏になると、友人の家のプールでよくパーティーをしていました。愛犬モンスターの最後の夏にも、一緒に遊びに行きました。

2015年8月

あの頃は今よりパーティーが多く、私はよく巻き寿司を作って持って行ったりしていました。

その夜も、そろそろ帰ろうと思い、プールサイドに置いてあったリュックに、巻き寿司を入れて持ってきた大皿をしまおうとしました。

チャックを開けようと手を伸ばした、その時です。

どうやらバッグの近くにホーネットが隠れていたらしく、指を思い切り刺されました。

本当に「ブスッ」という感じでした。

太い針が指に入ったような、鋭い痛みです。

その場にいた友人たちは慣れたもので、すぐにアレルギー用の薬を持ってきてくれました。

「これを飲んで」

「息苦しくなったらすぐ言って」

「エピペンもあるから」

周りはてきぱき動いているのに、刺された私は呆然として座っていました。

幸い、翌日はそれほど腫れずに済みました。

翌日の指

それでも、刺された瞬間の感覚だけは、今でもはっきり覚えています。

そんな昔話をしながら過ごしているうちに、夜もかなり遅くなりました。

友人たちが帰ったのは、たしか夜12時頃だったと思います。

私もその後はすぐに眠りました。

ところが朝5時頃、突然、日本から電話がかかってきました。

家族や親戚ではなく、ちょっとした知り合いです。

朝5時です。

さすがに、もうブロックしたくなるような気分でした。

その話は、また別の機会に。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2026/09/15

9月3日(木) 雲海に包まれた朝、次は犬とネズミのお世話

朝、目が覚めると、家の中にはまだ昨日の暑さが残っていて、熱がこもっていました。

昨日も一日暑く、シッティングルームの天井にあるファンをずっと回していたほどです。

ワンちゃんが早くから外へ出たそうにしていたのでドアを開けると、外は驚くほど涼しくなっていました。

昨日は谷間に雲海が広がっていましたが、今日はどうやらこの家も雲の中に入ってしまったようです。辺り一面が霧に包まれています。

これは曇り空というより、完全に雲海の中です。

ここまで濃い霧に包まれているなら、ロンダの方向までかなり広い範囲が雲の中に入っているのではないかと思いました。

自宅にいたら、雲海が動いていく様子をタイムラプスで撮れたのに、と少し残念です。

霧は午前10時半頃まで残っていました。

昼になると、今度はまた暑くなりました。結局この日も天井のファンを回しながら過ごします。

それでも太陽が出てくれたのは助かりました。

今ペットシッティングをしている家には通常の電気が通っておらず、電力は太陽光発電です。今の季節ならそれほど問題はありませんが、冬になって曇りや雨の日が続くと、使える電気にも限りが出てきます。

そのため、必要のない電気はなるべく使わないようにします。

朝から霧に包まれていたので少し心配しましたが、その後は晴れてきたので一安心です。こういう暮らしをしていると、太陽は単に「天気が良い」というだけではなく、生活そのものを支えているのだと実感します。

日中は仕事をしながら、翌日から始まる次のペットシッティング先とも連絡を取りました。

その家族は朝早く出発するそうですが、犬は外で過ごしているので、私がすぐに行かなくても大丈夫とのことでした。今いる家を出た後、一度自宅へ戻る必要があるため、夕方に向かうことにしました。

餌のことや家のことなど、いくつか説明を受けていると、

「それから、ラットにも餌をあげてね」

と言われました。

ラット?

最初は、家にネズミが出るという話なのかと思いました。

「それ、ペット?」

と冗談半分で聞いてみると、

「そう。娘のペット」

との返事。

本当にペットのネズミでした。

これまでペットシッティングで世話をしてきたのは、ほとんど犬か猫です。そこへ突然、ネズミが登場しました。

しかも、

「触ってあげてね」

と言われています。

いやいや、餌はあげますけど、触るのは別にいいです。

まだどんなネズミなのかも分かりません。小さいのか、大きいのか。かわいいのか、それとも私の想像する「ネズミ」に近いのか。

少々不安を抱えながら、翌日を待つことになりました。

夕方というより、もう夜に近い8時頃、庭やテラスに並んでいる植木鉢に水をやりました。

この家の持ち主カルメンは、本当に植物を育てるのが上手です。英語で言う「グリーンフィンガー」のような人で、家の周りにはたくさんの鉢植えがあります。

一つずつ水をやっていると、今度は蚊に何か所も刺されました。

蚊なのか、ブヨのような虫なのか、よく分かりません。ただ、プツッと膨らんで、しっかり痒くなるタイプです。

虫といえば、朝にはまた脚の長いハチが一匹、家の中に現れました。

外へ逃がそうと思っているうちに姿を消してしまったので、そのまま一日、どこかに潜んでいたようです。

そして夕方、再び登場。

何とか外へ出そうとしたのですが、なかなか出てくれません。犬もいるので放っておくわけにもいかず、結局、殺虫剤を使いました。

かわいそうではありますが、これでこの家に来てから4匹目くらいでしょうか。

もう十分です。

虫との共同生活には、そろそろ慣れてもよさそうなものですが、やはり慣れません。

本来なら、この日の午前中には今の家を出るものだと思っていました。ところが予定が変わり、カルメンたちが帰ってくるのは翌日になりました。

一日延びましたが、持ってきた食料が夜まで残っていたのは幸いでした。

問題は翌日です。

次のペットシッティング先へ行く前に、一度自宅に戻り、食料なども用意しなければなりません。しかし今、車は修理中です。

そこで友人のマリーに連絡して、迎えに来てもらえないかお願いしました。

ただ、最後に「分かった」という返事がなかったので、

「あれ、私のメッセージの書き方が悪かったかな」

「失礼な言い方をしてしまったかな」

などと、少し気になってきました。

こういう時、返信が一つないだけで、急に自分の書いた文章を読み返したくなるものです。

まあ、迎えに来てくれることを祈るしかありません。

車の修理工場にも連絡しました。

「明日には何とかなると思う」

という話でした。

早く戻ってきてほしい反面、少し複雑な気持ちもあります。

次のペットシッティング先へ行く道は、かなりのガタガタ道なのです。

未舗装のような場所では石が跳ねて、車の下に当たることもあります。せっかく高いお金を払って修理した直後に、また何か壊れたらたまりません。

「直った初日から、あの道を走るのか……」

と思うと、何とも言えない気分です。

雲海の中で始まった一日は、太陽光発電を気にし、ネズミの話に驚き、蚊とハチに悩まされ、最後は車の修理の心配で終わりました。

明日からは、また別の家でのペットシッティングが始まります。

そして今度は、犬だけではありません。

ネズミも待っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

9月2日(水) 雲海の朝、川で遊んでぐっすり眠る犬

朝起きて外を見ると、低い場所まで雲が下りてきていました。いわゆる雲海です。

今いる場所から眺めても綺麗でしたが、自分の家からなら、どんな風に見えているのだろうと思いました。山の多いこの辺りでは、ときどきこうして谷が雲に覆われます。朝の涼しい空気と相まって、何とも気持ちのいい景色でした。

そんな朝、近所に住んでいるイギリス人夫婦の奥さんが、犬を連れて散歩に出かけることになりました。

行き先は、エスタシオン・デ・コルテスの近くにある川沿いの散歩道です。川の周囲を一周できるコースがあり、ちょっとしたハイキングにはちょうどいい場所です。

しかも、この日はその辺りまで雲が下りてきていました。

犬にとっても、暑くなる前の朝の時間が散歩のチャンスです。昼間はまだかなり暑いので、のんびり歩くなら朝のうちに限ります。

犬を送り出した後、私はいつものようにパソコンに向かって仕事をしていました。

すると12時半頃、ものすごい勢いで犬が家の中へ飛び込んできました。

突然だったので驚きましたが、どうやら相当楽しかったようです。

後で写真を見せてもらうと、川にも少し入ったようでした。暑い日は、水を見ると犬も入りたくなるのでしょう。

散歩だけではなく、途中でバルにも寄って朝食を食べてきたそうです。一周歩いて、川で遊んで、バルで一休み。犬にとってはなかなか充実した午前中だったようです。

もっとも、帰ってきてからは、さすがに疲れたらしく、昼間はぐっすり眠っていました。

朝はあれだけ元気に出かけていったのに、満足そうに眠っている姿を見ると、こちらまで少し嬉しくなります。

私はといえば、その後も特に出かけることなく、仕事をして一日を過ごしました。

ここにいる間は、犬の世話と仕事が中心です。

朝の雲海を眺めて、犬が散歩へ出かけ、元気よく帰ってきて、その後は静かに眠る。

そんな何気ない一日でした。


2026/09/14

9月1日(火) エッフェル塔の思い出と、9月最初の暑い一日 

ペットシッティング2日目です。この日は朝からかなり暑くなりました。

外は暑くても、この家の中は意外と涼しいのですが、それでも天井のファンは一日中回していました。

以前、夏に遊びに来た時には、昼間にファンを回すと「肌寒い」と感じたこともあります。それを思うと、今回は随分暑かったのでしょう。夜、寝る前まで止めることはありませんでした。

朝には、家の中に蜂が2匹入ってきました。

どうしようかと慌てながら殺虫剤を使ったのですが、スプレーがうまく噴射せず、霧ではなく液体がポタポタ落ちてきます。それでも少しは蜂にかかったようで、2匹とも動かなくなりました。

申し訳ない気持ちはありましたが、仕方ありません。

今度は床に落ちた殺虫剤が気になります。犬がよく横になる場所だったので、慌ててきれいに拭き取りました。それ以降、蜂は入ってこなかったので一安心です。

そんな午前中、英会話をしている友人から、この夏に夫婦で出かけたフランス旅行の話を聞きました。

一週間ほどの、なかなか豪華な旅行だったようです。食事も美味しく、添乗員さんも素晴らしく、とにかく大満足だったとのこと。話を聞いているだけでも、随分よい旅だったことが伝わってきました。

私は20代の頃、短い期間ですが国内旅行の添乗員をしていたことがあります。香港へ行く前の話です。

仕事では北海道へ行くことが多く、何度も行ったり来たりしていました。九州方面へ行くこともありました。当時の知り合いの中には沖縄方面の仕事が多く、そのまま離島へ移った人もいたように記憶しています。

私が担当していたのは比較的安いツアーが中心でした。

ただ、旅行という仕事は値段が安ければ楽というものでもありません。お客さんが求めるものはそれぞれ違います。

まして高額な旅行なら、払った金額に見合う満足をしてもらわなければなりません。添乗員さんにも相当な経験と気配りが求められるのでしょう。

友人のフランス旅行には現地ガイドも同行していたそうです。その話から、ヨーロッパの観光ガイドのことを思い出しました。

スペインでは、観光地で団体を案内するにはガイドの資格が必要です。誰でも自由に案内ができるわけではありません。歴史や文化に関する知識も求められます。無資格だと罰金が課せられます。

日本からのツアーを見ていると、日本人の添乗員や案内役とは別に、現地の公認ガイドが一緒について歩いていることがあります。

また、その資格を持つ人がいなければ団体用の手続きができません。

友人の話では、フランスでは現地のフランス人ガイドが説明し、それを添乗員さんが日本語に通訳していたそうです。

スペインで私がこれまで見てきた日本人ツアーでは、日本人の添乗員が説明し、その横に現地公認ガイドが一緒にいる形が多いように感じます。国や場所によってやり方も違うのでしょう。

そんな話をしていて、20年ほど前に父とグラナダへ行った時のことを思い出しました。

アルハンブラ宮殿へ行く予定だったのですが、父が、

「説明を聞かないと分からない」

と言い始めました。

私はガイドブックを見ながら自分たちで回れば十分だと思っていたのですが、父はどうしても日本語で説明を聞きたかったようです。

そこで日本の旅行会社へ電話して、日本語の案内を頼めないか聞いてみました。

ところが、日本人の案内役だけではなく、資格を持つ現地ガイドもつける必要があるとのことで、半日で450ユーロほどと言われました。

当時のレートで日本円にすると5万5千円程度です。

「半日でそんなに払うの?」

と思い、結局父を説得してやめました。

今なら物価も随分上がっていますから、もっと高いのでしょう。さらに円安まで考えると、日本から個人で現地ガイドをお願いするのは相当な金額になります。

当時は今のように、ガイドがマイクを使い、旅行者がイヤホンで説明を聞く方式もまだ一般的ではありませんでした。

大勢の人がガイドの周りに集まって話を聞いていたので、父には、

「近くへ行って、ちょっと聞いておいで」

などと言った覚えがあります。

今ならそんなことはできません。

友人は今回、モン・サン・ミシェルにも行ったそうです。

私はまだ訪れたことがありません。名物のオムレツも食べたそうですが、想像していたものとは随分違ったと言っていました。

「写真撮った?」

と聞いたら、

「撮ってない」

とのこと。

それは撮っておいてほしかった、とこちらが残念になりました。

一方、エッフェル塔には登れなかったそうです。

旅行中にインターネットで調べた時にはまだ空きがありそうだったものの、ホテルへ戻って正式に予約しようとした時には、もう取れなくなっていたそうです。

私は昔、一度だけエッフェル塔へ上ったことがあります。

35年以上も前のことです。クリスマス少し前でした。

不思議なもので、上から見た景色よりも、今でもはっきり覚えているのはエレベーターに乗っていた係員のおじさんです。(今写真を見るとお兄さん^^)

きちんと制服を着ているのに、クリスマス前だからでしょうか、首の周りにキラキラした飾りをつけていました。

その姿が何とも楽しげで、それが妙に印象に残っています。

夜景もきれいだったはずなのですが、そちらはぼんやりしています。

旅の記憶とは、案外そんなものなのかもしれません。

有名な建物や景色より、そこで出会った人の表情や、何でもない瞬間だけが何十年も残ることがあります。

友人の話を聞きながら、初めてヨーロッパを旅した頃のことも思い出しました。

初めてロンドンへ行った時。初めてフランスへ渡った時。船で港を離れていく時の気持ち。

当時は目に入るものがすべて新しく、感動の連続でした。

今はスペインに長く住み、フランスへ行っても同じヨーロッパです。もちろん国が違えば街並みも文化も違いますが、昔のように何を見ても「ああ、すごい」と驚くことは少なくなりました。

ヨーロッパの建物を見慣れてしまったのだと思います。

だからこそ、初めて訪れた友人が楽しそうに旅の話をしているのを聞くと、昔の自分を少し思い出します。

午後は少し仕事をしました。

机に向かっていて、ふと横を見ると、大きな鏡に自分の姿が映りました。

その瞬間、

「これはいかん」

と思いました。

姿勢は悪いし、お腹も随分立派になっています。

夏の間、ビールばかり飲んでいたので、見事なビール腹です。

鏡を見ながら、さすがに少し何とかしなければと思いました。

この家は周りをそれほど気にしなくてもよいので、少し大きめの音で音楽を流しながら仕事ができます。

村の自宅とはまた違う静けさがあります。

ペットシッティングで家を離れていますが、こうしていつもと違う場所で仕事をしていると、ちょっとした一人暮らしの休暇に来たような気分にもなります。

暑さと蜂に始まり、フランス旅行の話から昔の仕事や旅まで思い出した、9月最初の一日でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2026/09/13

2026年8月の振り返り、海とプールとフェリア

8月が終わりました。

振り返ってみると、今年の8月はずいぶん長かったような気がします。

暑さに耐えながらプールに通い、友人たちが次々と村へ帰ってきて、祭りが始まれば昼も夜も外へ出る。

フェリアが終わると、今度は一人、また一人と友人たちが帰っていきました。


途中、朝晩が急に冷え込んで、もう秋が来たのかと思った夜もありました。でも、それで夏が終わったわけではありません。その後は再び35度ほどまで気温が上がり、暑い日が戻ってきました。

夏と秋の間を行ったり来たりしながら、少しずつ季節が動いていった8月でした。

月の前半は、とにかく暑い毎日でした。

昼間に外へ出る気にはなれず、ゴミを捨てに行くのも日が傾いてから。午後になると村営プールへ行き、冷たい水に入ってようやく生き返る、そんな日が続きました。

村の子供たちや10代の若者たちは、本当に夏を楽しんでいます。

スペインの夏休みは長く、約3か月。しかも日本のような夏休みの宿題もありません。プールへ行けば友達がいて、一日中泳いだり、寝転んだり、おしゃべりしたりしています。

女の子たちの水着も大胆で、若いというのはいいものだなあと眺めながら、私は私で静かに水に浸かっていました。

田舎では、都会ほど子供の習い事の選択肢はありません。その点を考えると、成長するにつれて物足りなさを感じる子もいるでしょう。

それでも10歳くらいまでの子供を育てるには、こんなに恵まれた場所も少ないのではないかと思います。

外へ出れば誰かがいる。子供だけで歩いていても誰かが知っている。大人も同じで、一人暮らしをしていても、家から一歩出れば誰かと話します。

これは都会ではなかなか得られない、村暮らしの良さです。

8月になると、普段は村を離れて暮らしている人たちも帰ってきます。

私の友人たちも、マドリードやセビリアなどから次々と戻ってきました。

ローラとも約3か月ぶりに再会しました。

AVEと代替バスを乗り継いでロンダまで来て、そこから一日一本の村行きのバス。都会からこの村へ帰ってくるだけでも、ちょっとした旅です。

それからはプールへ行ったり、バルへ行ったり、友人宅で食事をしたり。

ある時は、老後はマドリードにあるピソに姉妹や友人たち5人で住み、若い世代に面倒を見てもらおう、などと勝手な計画を立てて大笑いしました。

もちろん冗談です。

でも、年齢を重ねてくると、こんな冗談にも少しだけ現実味が混ざってくるのがおかしいところです。

友人との会話から、昔のことを思い出す日もありました。

友人のケンブリッジ出身の友人と話しているうちに、かつてイギリスで暮らしていた頃のシェアハウスや、家を交換して旅をする「ハウススワッピング」の記憶が蘇りました。

また、パラグアイへ移住したいという人の話を聞いて、大学時代に青年海外協力隊を受けたことまで思い出しました。あの時、赴任先として提示されていたのがパラグアイでした。

今とはまったく違う場所で、違う未来を思い描いていた自分がいました。

過去というものは、普段はどこかにしまわれています。それが誰かとの何気ない会話をきっかけに、急に目の前へ戻ってくることがあります。

そんな「記憶」と向き合う時間は、別の形でも続いています。

友人カルメンの祖父が、スペイン内戦後に亡命先のメキシコから家族へ送った1940年代の手紙を、少しずつデジタル化しています。

手書きのスペイン語を読み取り、文字に起こし、現代のスペイン語に直し、英語や日本語へ翻訳していく作業です。

ネイティブのスペイン人でも読めない文字や、今では使われない言い回しもあります。

AIの助けを借りながら、一文字ずつ確認していきます。

80年以上前に、一人の人間が家族を思って書いた言葉です。

紙の上に残された文字を読み解いていると、単なる翻訳作業とは少し違う、神聖な時間のように感じることがあります。

8月12日には日食もありました。

空を見上げたり、80年前の手紙を読んだり、数日前の出来事をブログに書いたり。

考えてみれば、この夏は随分いろいろな「時間」を行ったり来たりしていました。

そして8月後半、村は一年で最も賑やかな時期を迎えました。

フェリア(夏祭り)です。

その少し前から、村には仮設のバーやステージが現れ、夜になると大音量の音楽が流れ始めます。

まるで村全体がクラブになったようでした。

そして始まったのが、バキージャです。

村のメインストリートを柵で囲み、そこへ小型の牛を放します。

昔は何頭も一度に放されましたが、今は一頭だけです。

近くのウブリケでは以前、同じような行事で死亡事故が起き、その後開催されなくなったため、今年はこちらへ来た人も多かったようです。

通りは人でいっぱいになりました。

伝統行事として見れば面白いし、村の人たちが楽しみにしているのも分かります。

その一方で、出番を待つ牛が狭い場所に入れられ、周囲の大きな音や歓声に囲まれている姿を見ると、やはり「かわいそうだな」とも思います。

スペインに長く暮らしていても、何でもスペイン人と同じように感じるわけではありません。

好きなものもあれば、理解はできても好きにはなれないものもあります。

それでいいのだと思っています。

フェリアが本格的に始まると、そんなことを考えている暇もないほど村は賑やかになりました。

昼からバルで飲み、パエリアが振る舞われ、ケバブやベイクドポテトの屋台が並びます。

フラメンカ姿の女性たちが歩き、馬に乗った人たちもやって来ます。

バキージャが終わると、女性たちは一度家へ帰り、食事をしてシャワーを浴び、きれいに支度をして、午後4時頃から再び外へ出てきます。

フラメンコの衣装は、本当にスペイン人女性によく似合います。

くびれた腰と丸みのあるお尻があってこその服です。

寸胴の日本人に着物が似合うように、フラメンコの衣装はスペイン人の体形によく似合う。

私が着るとちんどん屋になるので着ません。

夜になればライブが始まり、さらに人が増えます。

そんな夜、知らないスペイン人から突然、「YouTubeを見ているよ」と声をかけられたこともありました。

これは嬉しかったです。

インターネットに向かって一人で動画を作っていると、誰が見ているのか分かりません。

それが突然、村の通りで現実の人間になって現れます。

不思議なものです。

ただ、楽しい祭りの中でも考えることはあります。

会場にパレスチナの旗が掲げられているのを見た時には、少し戸惑いました。

どの立場を支持するかとは別に、みんなが飲んだり音楽を楽しんだりする場所に政治的な主張を持ち込む必要があるのだろうか。

友人たちともそんな話をしました。

祭りは祭りとして、ただ楽しく飲んでいられる場所であってほしい。

私はそう感じます。

楽しいことばかりだったわけでもありません。

8月は車の故障にも振り回されました。

修理屋さんで説明を聞いても、車の専門用語をスペイン語で並べられると、私にはよく分かりません。

そこで修理屋さんとの会話を録音し、AIの「チャッピー」に聞かせて、日本語に訳しながら一つずつ説明してもらいました。

ギアボックス、タイミングベルト、ドライブシャフトブーツ。

日本語で聞いてもよく分からないものばかりですが、少なくとも何が壊れていて、何を直そうとしているのかは把握できます。

便利な時代になったものです。

また、海へ出かけた日には雨が降りましたが、その分暑すぎることもなく、きれいな海で泳ぐことができました。

海を眺めているうちに、約10年前に虹の橋へ行ってしまった愛犬と過ごした夏の記憶が蘇ってきました。

2015年夏

楽しい記憶というものは、時間が経てば消えるわけではありません。

むしろ、何でもない景色や匂いをきっかけに突然戻ってきます。

フェリアが終わった8月24日頃、季節が一気に動いたように感じた日がありました。

朝は涼しく、夜になると半袖では寒いほどで、カーディガンやジャケットが欲しくなりました。

つい数日前まで40度近い暑さだったのに、温かい料理が食べたくなります。

友人宅で出してもらった温かい料理を食べた時には、「もう夏が終わるのかな」と思いました。

ところが、アンダルシアの夏はそう簡単には終わりません。

その後は再び気温が上がり、35度ほどになる暑い日も戻ってきました。

一度感じた秋の気配が引っ込み、また夏へ逆戻りしたようです。

それでも、人の動きは確実に夏の終わりへ向かっていました。

フェリアが終わると、バルも少し休みに入ります。

夏の間この村に戻っていた人たちも帰り始めました。

ローラもマドリードへ戻りました。

8月29日には、闘技場横のバルで彼女の送別をしました。

人が増える時も一気なら、いなくなる時も一気です。

気温だけを見ればまだ夏なのに、村の景色は少しずつ普段の姿へ戻っていきます。

翌30日は村営プールの最終日でした。

まだ暑い日は続くのに、プールは終わります。

でも監視員として働いている若者の多くは学生です。大学のある町へ戻らなければなりません。

そう考えると、暑いからといっていつまでも開けておくわけにはいかないのでしょう。

最後の日、一人でプールへ行きました。

冷たい水に入りながら、気温とは関係なく、この村の夏は一つ区切りを迎えたのだと思いました。

そして8月最後の日、今度は村を離れてペットシッティングへ向かいました。

車がないので友人に迎えに来てもらい、大型犬の世話を始めました。

8月上旬に行った別のペットシッティングでは、犬が足を痛めていて、こちらも腰が痛い状態でした。

犬の心配をしながら、自分の腰の心配もするという、何とも言えない状況です。

そして8月最終日から始まったペットシッティングでは、初日から部屋に大きなアシナガバチまで現れました。

天井近くの電球の周りを飛び回り、最後は熱で落ちてきたところを何とか処理しました。

旅先ならちょっとした事件ですが、自分の家にいれば起きなかったことです。

最近は、旅行そのものより、旅行へ行くために荷物をまとめたり、移動したりすることの方が面倒になってきました。

昔なら「どこかへ行きたい」と思っていたのに、今は「家が一番」と思うことが増えています。

これは年齢のせいでしょう。

でも、それを悪いことだとは思いません。

若い頃と同じものを好きでいる必要もないでしょう。

外へ出たい時には出る。

友人と飲みたい時には飲む。

山を歩きたければ歩く。

そして疲れたら、自分の家へ戻る。

8月は、村中が熱狂する祭りを楽しみ、たくさんの友人と会い、昔の記憶を思い出し、その一方で車の故障や身体の痛みにも悩まされた一か月でした。

賑やかなものを楽しむ自分もいれば、静かな家へ帰りたい自分もいます。

どちらか一方ではなく、どちらも今の私なのでしょう。

一度は秋が来たかと思うほど冷え込んだのに、また35度の暑さが戻る。

それでもプールは閉まり、友人たちは帰り、賑やかだった村は少しずつ静かになっていきます。

季節というものは、ある日突然切り替わるわけではないようです。

夏に戻ったり、秋を感じたりしながら、少しずつ次の季節へ向かっていくのでしょう。

今年の8月も、終わりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2026/09/12

8月31日(月) 村を離れてペットシッティング、8月最後の日

今日からペットシッティングです。

今は車を修理に出していて手元にないため、友人のマルコスに迎えに来てもらいました。

「家を出る時にメッセージを送ってくれたら、それまでに荷物を下へ運んで待っているから」と言ってあったのですが、

突然「もう家の前にいるよ」と連絡が来ました。

えっ、もう?

慌てて荷物を持って階段を降り、そのまま友人宅へ向かいました。

今回留守番をする家の二人は、11時頃に出発する予定だと聞いていましたが、結局出たのはお昼12時頃でした。アリカンテのもう少し先の方へ出かけ、イギリスから来る友人たちと合流して、借りたヴィラのような所で何日か過ごすそうです。

二人とも旅慣れています。それでも出発前には、「最近は旅行そのものより、荷造りや準備をするだけで疲れるようになった」と話していました。

若い頃からずっと旅行をしてきた人たちです。それなのに最近は、「もう家にいるのが一番いい」と言うようになりました。

それを聞きながら、少し分かる気がしました。

旅行は楽しいのですが、出かけるまでの準備、帰ってからの片付け、洗濯、荷解きなどを考えると、それだけで一仕事です。年齢とともに旅の楽しみ方も少しずつ変わっていくのでしょう。

とはいえ、二人は楽しそうに出発していきました。

問題は、その後です。

私はてっきり木曜日に戻ってくるものだと思っていました。木曜日の夜にここを出て自宅へ戻り、洗濯をして、翌日から始まる次のペットシッティングの準備をするつもりだったのです。

ところが出発間際になって、

「ごめん、帰るの金曜日だった」

と言われました。

えっ、金曜日?

私も金曜日から次のペットシッティングがあります。

しかも次の家はさらに田舎にあるので、食料を買い込み、簡単な作り置きも用意して持っていくつもりでした。何度も買い物に出るのが面倒な場所なので、最初にある程度準備しておきたいのです。

木曜日に自宅へ戻れば、その日のうちに洗濯をして、今の陽気ならすぐ乾かすこともできます。翌日の荷物も落ち着いて準備できるはずでした。

その一日がなくなりました。

さて、どうしよう。

さらに今は車がありません。次の家の人には、車がまだ戻ってこなければ迎えに来てもらうことになっています。

一方で、それまでに修理が終われば、別の友人に迎えに来てもらって車を取りに行き、一度家へ戻って荷物を入れ替え、それから次の家へ向かうこともできます。

頭の中で、いくつもの予定を組み直しています。

しかも次のペットシッティングも、最初は火曜日までと聞いていたのに、メッセージを読み返すと月曜日までになっています。

一体どうなっているのでしょう。

とはいえ、村では夏祭りも終わり、夏だけ滞在していた友人たちも次々と帰っていきました。

この時期になると、村の店も休暇に入り始めます。八百屋も休みに入り、バルも一軒、また一軒と閉まっていきます。

友人もいない。バルも開いていない。

それなら村の自宅で一人でいるのも、こうして人の家で一人で留守番をしているのも、それほど変わりません。

幸いなのは、天気が良いことです。

9月に入ると、アンダルシアの山間部ではそろそろ雨が降ることがあります。それでも晴れれば、まだ夏のように暑くなります。

この家の友人は、万一寒くなった時のためにヒーターまで用意してくれていましたが、今のところその心配はなさそうです。

そして次に行く家にはプールがあります。

天気予報を見ると、金曜日は34度くらいまで上がりそうです。それなら、まだ泳げるかもしれません。

その後は少しずつ気温が下がっていくようなので、泳ぐなら最初の数日でしょう。

そう考えると、水着も一度家へ取りに帰りたいところです。

やはり一日の予定変更は地味に痛いのです。

そんなことを考えながら、午後は仕事をしていました。

8月も今日で終わるので、区切りが良いところまで仕事を片付けてしまおうと思い、夜の9時頃までパソコンに向かっていた時です。

突然、ブーンという音がしました。

見ると、大きな蜂が飛んでいます。

しかも脚の長い蜂です。

どこかに隠れていたものが、電灯を点けた途端、光に向かって飛んできたようです。

「どうしよう、どうしよう」

一人で慌てました。

今週はビールを飲まないつもりでした。ところが家主の友人が出かける前に、

「食べ物は何もないけど、ビールだけは置いてあるからね」

と言っていました。

蜂を目の前にして、なぜか、

「これはもうビールを飲むしかない」

という気分になりました。

とりあえずビールを開けます。

そういえば、この家には殺虫剤があるはずです。以前ここへ来た時、友人が使っているのを見たことがあります。

探してみると見つかりました。

しかし蜂が飛んでいる電灯は、私のパソコンの斜め上です。

ここで殺虫剤を噴射したら、パソコンにもかかってしまいます。

それは困ります。

また「どうしよう」と考えているうちに、蜂の姿が突然消えました。

どこへ行ったのだろうと思って辺りを見ると、テーブルの上に落ちています。幸いパソコンの上ではありませんでした。

おそらく電球の熱にやられたのでしょう。

今度は、ハエ叩きが欲しくなりました。

こういう時のために、ペットシッティングへ来る時はハエ叩きを一本持って歩くべきなのかもしれません。

今回はお箸も菜箸も忘れました。毎回何か一つ忘れます。

仕方がないので平たい物を探し、蜂をパンッと叩きました。

潰してしまったかと思い、しばらく動けずにいました。

そっと確認すると、まだ動いています。

今度は床へ払い落とし、ホウキと塵取りを持ってきて、そのまま外へ出しました。

ホウキにくっついたままだったのか、その後どうなったのかは分かりません。

とにかく家の中からはいなくなりました。

ほっとしました。

私の住んでいる村も十分田舎ですが、自宅なら虫が入ってこないよう自分なりに気を付けています。

ところが、こうしてさらに自然の中にある一軒家へ来ると、外には木も草もたくさんあります。その分、虫も当たり前のように入ってきます。

次に行く家では以前、ムカデが出ました。

ペットシッティングをしていると、少しホリデー気分を味わえる一方で、こういう田舎暮らしらしい出来事も付いてきます。

蜂の騒動が収まって外を見ると、庭の木にはレモンがたくさん実っています。

まだ黄色ではなく、全部緑色です。

いつ頃、黄色くなるのでしょう。

この家のレモンは、実るといつも少し分けてもらいます。

次に来る頃には、少し色が変わっているかもしれません。

夏祭りが終わり、村のプールも閉まり、友人たちも帰っていきました。

そして8月最後の日、私はまた別の家で、少し違った日常を始めています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


8月30日(日) 村営プール最終日、8月最後の日曜日

今日は村営プールの最終日です。

最後なので、一人でも行こうと思って出かけました。例年、最終日は入場料を取らないことが多いのですが、今年はしっかり払いました。

来週もまだ暑い日は続くのに、プールは今日で終了です。

少し残念ですが、プールを開けるには監視員を雇わなければなりません。ここで働いているのは若い人たちが多く、大学生なら夏休みが終われば勉強している町へ戻っていきます。そう考えると、暑いからといって簡単に営業を延長するわけにもいかないのでしょう。

それでも、学校が始まるのはもう少し先です。スペインの学校は9月の第2週頃から始まることが多く、夏休みは3か月近くあります。

しかも、日本のような夏休みの宿題は基本的にありません。

子供にとっては天国でしょうが、親は大変です。

この村なら、「とりあえず毎日プールへ行っておいで」と言いたくなるのも分かります。実際、村の子供たちは本当によく泳ぎます。毎日のようにプールへ通っていれば、自然と上手になるのでしょう。

家庭に余裕があれば、2週間ほどのサマーキャンプへ参加したり、家族旅行へ出かけたりもします。スペインでは大人も夏に長い休暇を取る人が多いので、家族で海辺や別の地方へ出かけることも珍しくありません。

そんなスペインの長い夏休みを眺めていると、日本とは随分違うものだと思います。

そして、プールに来るたびにもう一つ思うことがあります。

10代の女の子たちの水着が、とにかく大胆なのです。

14歳、15歳くらいになると、かなり布地の少ない水着を着ています。それで同級生の男の子たちと、ごく普通に遊んでいます。周りには近所のおじさんたちもいますが、本人たちは特に気にしている様子もありません。

日本の中学生が初めてここへ来たら、かなり驚くのではないでしょうか。

ただ、子供の頃からそういう環境で育つことが良いのか悪いのか、私には分かりません。ビーチへ行けばトップレスの女性もいます。特にドイツやフランスなど、北や中央ヨーロッパから来た人たちには、それほど珍しいことではないようです。

こちらの友人に聞くと、「子供の頃から見ているから、何とも思わない」と言います。

本当に何とも思っていないのか、それともそういうものだと自然に受け入れるようになっているのか。その辺りは私にも分かりません。

ただ、こちらで暮らしていると、肌を見せることに対する感覚が日本とはかなり違うのだと感じます。

そして面白いことに、水着は年齢とともに少しずつ布地が増えていくように見えます。

若い頃は面積が小さく、年齢を重ねるにつれて少しずつ大きくなる。もちろん全員ではありませんが、プールを眺めていると、そんな傾向もあるような気がします。

この日は、プールで久しぶりの再会もありました。

ビルバオに住み、この村にも家を持っている知人です。

ちょうど私が泳ごうとしていたところへ、「久しぶり」と声を掛けに来てくれました。

その時の私は、水着の上にTシャツを一枚着ているだけです。

「いやあ、恥ずかしいな」と思いましたが、彼らは男性同士のカップルなので、まあいいかと思って話していました。

ところが、一緒にいたのはニューヨークから来ている姪御さんと、その旦那さんでした。

それを知った途端、また急に恥ずかしくなりました。

プールなのだから、水着で当たり前。ここはスペインなのだから、そんなことを気にしてはいけない。

頭ではそう思っているのですが、やはり恥ずかしいものは恥ずかしい。

もう少し体を引き締めよう。

そんなことを改めて思った、今年最後のプールでした。

プールから帰ると少し疲れていたのですが、銀行へ行かなければならない用事があり、もう一度外へ出ました。

ATMで支払いをしていると、後ろから大きな声で呼ばれました。

振り返ると、知り合いのスペイン人でした。

今日は飲むつもりはなかったのですが、「バルへ行こう」と誘われ、まあいいかと思って、いつものバルへ行くことにしました。

最初に頼んだのはアクアリウス。次はノンアルコールビールです。

今日はアルコールを飲まないほうがいいと思っていたので、最後まで飲みませんでした。

二人としばらく話していましたが、どうにも会話に入り込めません。

言葉の問題だけではありません。

言葉がそれほど通じなくても、一緒にいて楽しい人はいます。反対に、ある程度言葉が分かっても、なぜか話が弾まない相手もいます。

この日の二人のうち、一人は少し英語を話します。ただ、その英語が私には少し聞き取りにくい。スペイン語も、普段よく話している友人たちとは声や話し方が違うので、なかなか耳に入ってきませんでした。

外国語というのは不思議なもので、聞き慣れた人の声ならかなり分かるのに、相手が変わるだけで急に難しくなることがあります。

それに、この日は話の内容にもあまり興味が持てませんでした。

無理に長居する必要もないので、「今日はもう帰るね」と言って切り上げました。

翌日からイギリス人の友人宅のペットシッティングへ行く予定になっているからです。

今は車がありません。

そのお宅は村の中心から少し離れているため、車がなければ気軽に買い物へも出られません。そのため、何品か作り置きを用意して持っていきます。

あとは御飯を炊くだけです。

お米だけ持って行って向こうで炊いてもいいのですが、それも面倒です。

私は普段、炊飯器ではなく鍋で御飯を炊いています。電気炊飯器も持っていますが、少量なら鍋のほうが楽なのです。

ところが、イギリス人の家へ行くと、意外と「ちょうどいい鍋」がありません。

日本の家庭にある鍋とは、形や大きさが微妙に違います。フライパンも大きく、ずっしり重いものが多い。

毎日使っている道具というのは、ほんの少し違うだけでも使い勝手が変わるものです。

結局、御飯も家で炊いて持っていくことにしました。

村営プールが閉まり、友人たちも少しずつ村を離れ、長かった夏休みも終わりに近づいています。

昼間はまだ暑いのに、暮らしのほうが先に秋へ向かっている感じです。

8月最後の日曜日は、そんな夏の終わりを感じる一日になりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2026/09/09

8月29日(土) 帰っていく友人たち、夏の終わりの白い村

昼の1時頃、友人たちと闘牛場の横にあるバルへ行きました。マドリッドへ戻るローラがいたので、村を離れる前に最後の一杯を一緒に飲むためです。

この日は、偶然ローラがもう一人いました。一人はこれからマドリッドへ帰るローラ。もう一人は村に住みながらマドリッドにも家を持ち、二つの場所を行き来している、すでに仕事を引退したローラです。

さらに、セビリアから来ているローラもいました。彼女は日曜日にセビリアへ戻り、月曜日からまた仕事です。そのため、この土曜日が村でゆっくり過ごせる最後の日になりました。

そのセビリアのローラが、「ガンバス・アル・ピルピルを作るから」と家に招いてくれました。海老をニンニクとオリーブオイルで調理する料理で、日本では「海老のアヒージョ」と呼ばれているものに近い料理です。

彼女の家へ行くと、ガンバス・アル・ピルピルだけでなく、バルのタパスのような料理もいくつかテーブルに並んでいました。

それらをつまみながらさらにビールを飲み、その後はプールへ向かいました。

数日前は急に涼しくなり、夏が終わってしまったかと思うほどでした。この日はまた少し気温が上がっていましたが、プールの水はやはり冷たく感じます。それでも、まだ泳げるくらいの陽気でした。

プールを出た後は、再び闘牛場の横のバルへ。そこには別の友人たちもいて、そのまま合流。

その内の一人は2か月村で過ごしていましたが、彼も明日、海側の街に戻ります。

夜になっても、先日のようにジャケットがなければ寒くていられないほどではありませんでした。少し前まで秋が来たように感じていたのに、この日は夏がもう一度戻ってきたようです。

そして最後に、もう一度ローラの家へ行きました。昼間に出してもらったタパスが残っていたので、それをまたいただきます。

この日が終わると、それぞれがマドリッドやセビリア、海側の町へ戻っていきます。夏の間は当たり前のように顔を合わせていた人たちとも、これでしばらくお別れです。

季節が変わるというのは、気温が下がることだけではありません。夏に村へ戻ってきていた人たちが一人、また一人と帰っていき、少しずついつもの静かな村に戻っていくことでもあります。

夏が少しだけ戻ってきたような暖かい一日。その中で、今年の夏の終わりを少しずつ感じ始めました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



2026/09/08

8月28日(金) 温かい料理に季節を感じる、8月末の白い村

朝は秋を感じる綺麗な景色が広がりました。

こちらの昼食時間になった午後2時半頃、友人たちと待ち合わせました。

まずはバルへ行き、ビールを何杯か飲んでから、ローラの家へ向かいます。

お昼をご馳走してくれたんです。少し涼しくなってきたからと、用意してくれたのは温かい料理。

ほんの少し前までは、私も素麺や冷やしうどん、ざる蕎麦など、冷たいものばかり食べていました。灼熱といえる暑い日が続いていたので、火を使って何かを作る気にもならず、冷たい麺類が一番という毎日でした。

それがいつの間にか、温かい料理を食べて「おいしい」と感じるようになりました。まだ8月ですが、村では朝晩の空気が少しずつ変わり始めています。夏の終わりが近づいているのだと思います。

友人の家には何人か集まり、全部で6人ほどになりました。よく会う友達や、知り合い程度の人もいます。こうして誰かの家に集まり、食事をして、ビールを飲みながら過ごすのも、この村の夏ではよくあることです。

夕方になっていったん家へ戻りました。

お祭り用に飾られました。

少し休んでから、また夜に出かけるつもりでした。寝ようかどうしようか迷いながら横になったところ、結局そのまま眠ってしまいました。しかも目覚ましまで止めていたようです。

次に目を覚ましたのは、友人から電話がかかってきた時でした。

「どこにいるの?」

時計を見ると、もう午後9時を過ぎています。

「今から行く」

そう答えて慌てて起きました。

9時を過ぎているのだから、外はもう真っ暗だろうと思って家を出ると、意外にもまだ明るさが残っていました。完全に日が落ちきっていません。

こういう時、やはりスペインの夏はいいなと思います。

夜9時を過ぎてもまだ明るい。昼間の暑さが少し和らいだ頃から、もう一度一日が始まるような感覚があります。

これから、友人たちが待っているバルへ向かいます。

昨夜はまるで11月のように寒く、厚めのジャケットを着てバルにいましたが、今夜はまた夏の夜のように半袖でも過ごせる気持ちのよい夜でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


2026/09/07

8月27日(木) 夏の終わり、秋の実を摘んで友人と笑う夜

朝は、隣村のヒメラ・デ・リバルからコルテスの駅まで、みんなでハイキングに行く予定でした。

普通に歩けば2時間ほど、のんびり歩けば2時間半くらいの道のりです。走るような速さで歩く人なら、もっと早く着くのかもしれません。

朝8時15分、村のガソリンスタンドで待ち合わせでした。私は今、車がないので、そこから友人の車に乗せてもらうことになっていました。

この日の朝は曇り空。8時ごろには雨が降るという予報で、家を出たころには少しぱらついていましたが、本格的には降っていませんでした。

遅れないようにと早めに家を出ました。ガソリンスタンドまでは下り坂なので、歩いて15分ほどです。案外早く着き、みんなを待っていたのですが、その時点ですでに少し疲れていました。

ガソリンスタンドからの景色

前日はプールで泳ぎ、その後は友人たちと飲んでいます。家に戻ってからはのんびりしていたものの、あまりよく眠れず、どうやら疲れが残っていたようです。

やがてみんなが集まってきましたが、これから2時間も歩くことを考えると、とても行けそうな気がしません。

「やっぱり今日は帰ります」

そう言って、一人で引き返すことにしました。

帰りは当然、ずっと上り坂です。これがなかなかきつい。ゆっくり歩いて家まで戻るころには、もう十分に運動をした気分になっていました。

ハイキングには行かなかったものの、往復しただけで、この日の運動としては十分です。

ガソリンスタンドから村へ戻る道沿いには、色々な果物が実っています。ザクロやイチジクもあります。もちろん多くは人の家の庭や畑にあるものですが、そんな実を眺めながら歩いていると、夏の終わりを感じます。

途中には、野イチゴのような小さな実もありました。昔、何か別の名前で呼んでいたような気もするのですが、どうしても思い出せません。

ほんの5粒だけ摘んで帰りました。

まだ8月ですが、朝晩はすっかり涼しくなってきました。少しずつ秋の味覚も楽しめる季節になっています。

そして夜。

友人から連絡があり、8時半過ぎに家を出ました。この時間でもまだ外には明るさが残っています。

ただ、気温はかなり下がっていました。Tシャツにカーディガンを羽織り、さらに少し厚手のジャケットまで持って出ました。

出かけたころはそれでちょうど良かったのですが、太陽が完全に沈むと、一気に寒くなりました。

まるで11月です。

つい数日前まで、夏祭りの暑さの中を歩いていたとは思えないほどでした。

それでも外でビールを飲みながら、ローラと息子君と3人で色々な話をしました。

この夜、一番笑ったのは、将来の話です。

ローラはマドリッドに家族の大きなピソを持っています。私も以前行ったことがありますが、本当に広い家です。彼女には姉妹が多く、その家で姉妹たちと暮らしています。

そこから話がどんどん広がって、

「みんな年を取ったら、ここで一緒に暮らせばいい」

という話になりました。

ローラの姉妹たちに私まで加わり、女性5人で老後を過ごすというのです。

すると息子君が、

「僕がちゃんとケアマネージャーになって面倒を見てあげるよ」

と言い出しました。

想像しただけでおかしくなり、3人で大笑いしました。

ローラのお姉さんたちも、とにかくよく喋ります。スペイン人はもともと話好きですが、彼女たちはその中でもかなりのお喋りです。

そんな女性たちの中に私まで入ったら、きっと大変です。

「私はスペイン語で『No entiendo, no entiendo(分かりません、分かりません)』って言うわ」

そう言うと、

「だったら一緒においで」

と言われ、またお腹を抱えて笑いました。

帰りは3人で歩きました。

途中、キオスクでチョコレートのような小さなお菓子を買い、みんなで歩きながら食べました。

私の世代は、日本では歩きながら物を食べることに少し抵抗があります。いわゆる「立ち食い」は、あまり行儀の良いことではないと教えられてきた世代です。

ところが、こちらにいると、みんな気にせず歩きながらお菓子を食べます。時にはビールを片手に歩いている人もいます。

私もいつの間にか、そんなことを一緒にするようになってしまいました。

朝はハイキングを諦めて家に帰り、夜は寒さの中を友人たちと笑いながら歩く。

今日も楽しい一日でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

8月26日(水) 地元のトマトと冷たいプール、夏の終わりの一日

この日は昼過ぎ、友達と「タパスでも食べに行こう」という話になりました。


スペインの昼食時間は日本よりかなり遅く、こちらでは午後2時頃でも普通に「お昼」です。1時過ぎに出かけたのですが、フェリアが終わったばかりということもあって、村のバルはことごとく閉まっていました。


祭りの間はどこも忙しかったので、その後に数日休みを取る店が多いのです。長期休暇というほどではありませんが、村全体が少し一息ついているような雰囲気でした。


そんな中、村の端の方にある「カフェテリア・マリア」が開いているというので、そこまで行ってみることにしました。名前はカフェテリアですが、きちんと食事のできるレストランでもあります。


ところが、行ってみるとこの日はタパスがありません。注文できるのは、もう少ししっかりした料理だけとのことでした。


そこで何品か頼んで、皆で分けて食べることにしました。


まず注文したのはトマトの一皿です。私はもっと簡単に、切ったトマトが皿に並んで出てくるようなものを想像していたのですが、実際に運ばれてきたものは思っていたよりずっと豪華でした。

使われているのは、この辺りで採れた地元のトマトです。

さらに、焼いたイベリコ豚に生ハム、ポテトと卵を添えた料理も注文し、それを皆で取り分けました。ビールを飲みながらの、ちょっと遅めの昼食です。


食事の後は、そのまま村営プールへ向かいました。

少し泳いだのですが、もう水がかなり冷たくなっています。それ以上に感じたのが、気温の変化でした。

ついこの間まであれほど暑かったのに、ここ数日で気温が一気に下がっています。まるで階段を何段も飛ばして、急に夏から秋へ移ったようです。

それでも少し泳ぎ、プールのテラスでまたビールを飲んでから家へ戻りました。

フェリアが終わった途端、村はすっかり秋の空気です。

昼間、太陽の下にいればまだ暑く感じます。それでも日陰に入ると、半袖ではそろそろ肌寒いかなと思うほどになりました。

毎年のことなのかもしれませんが、祭りが終わると夏まで一緒に終わってしまうような気がします。あれだけ賑やかだった村が静かになり、気温まで下がると、その変化が余計にはっきり感じられます。

家に帰ると、冷蔵庫にビールが一缶残っていました。

せっかくなのでそれを飲みながら、残っていたオタフクの焼きそばソースを使って焼きそばを作り、一日が終わりました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。