朝9時ごろに外へ出ると、空気がとても気持ちよく感じられました。気温は13度ほどと表示されていましたが、体感ではもう少し暖かく、17度くらいあるようにも思えます。太陽の光はやわらかく、風は少し冷たくて、歩くにはちょうどよい朝でした。
いつものように公園を通ると、ついこの間まで青々としていた草がすっかり刈られていました。緑に覆われていた地面は、一気に土色が目立つようになり、少し寂しい景色です。
もちろん、これも必要な作業なのだと思います。春の草は、放っておくとあっという間に伸びてしまいます。茎が太くなれば刈るのも大変ですし、このあたりでは乾燥が進むと火事の危険もあります。早めに草を刈っておくのは、安全のためなのでしょう。
それでも、雨のあとに一面が緑に染まっていた時期を思うと、もう少しだけ眺めていたかった気もします。スペイン南部の春は美しいのですが、その美しさは長くは続きません。雨が少なくなるにつれて、緑の色も少しずつ薄くなっていきます。
公園の草刈りが終わると、次は私がいつも散歩している道沿いの草も刈られるのかもしれません。道端の花も、少し前まできれいに咲いていたものが、もうずいぶん落ちていました。春が深まるというより、少しずつ初夏へ向かっているのを感じます。
そんな朝の散歩中に、ふと思い出したのが、昨日予定されていた犬のイベントのことでした。
このあたりには、ペロ・デ・アグア・エスパニョールという犬種で有名なブリーダーがいます。スペインのウォータードッグで、巻き毛のような毛並みが特徴の犬です。
以前、裕福な人がヘリコプターで子犬を引き取りに来て、そのまま飛び立っていったという話を聞いたことがあります。それほど有名なブリーダーなのでしょう。
その犬種に関するイベントがあると知り、ポスターも見かけていたので楽しみにしていたのですが、当日になってポスターの上に「延期」と書かれた紙が貼られていました。少し残念でしたが、こればかりは仕方ありません。
この犬種の話をするとき、私はいつもオバマ元大統領の犬を思い出します。オバマ家が迎えた犬はポルトガル原産のウォータードッグだったと思いますが、見た目や名前が少し似ているので、つい混同してしまいます。
スペインの犬はペロ・デ・アグア・エスパニョール、ポルトガルの犬はポルトギーズ・ウォーター・ドッグ。どちらも水辺で働いてきた犬の仲間ですが、犬種としては別のものです。分かっているつもりでも、何度も間違えそうになります。
散歩を続けていると、冷たい風が頬に当たりました。太陽の光は暖かいのですが、風があるおかげで暑くなりすぎません。これで風が止まると、日差しがじりじりと強く感じられ、歩きながら上着を一枚ずつ脱ぎたくなるのですが、この日はその必要もありませんでした。
午後は少し仕事をしたあと、電球を買いに出かけました。数日前にも買いに行こうとしたのですが、そのときは店が閉まっていて買えなかったのです。
切れた電球を持って行き、店員さんに「これと同じものが欲しいです」と伝えました。すると、「あっちにありますよ」とだけ言われました。もちろん売り場がどこにあるかは分かっているのですが、私が知りたかったのは、同じ型の電球がどれなのかということです。
しかも、その日に限ってリーディンググラスを持っていませんでした。仕方なく、持参した古い電球の小さな文字を目を細めながら確認し、売り場の電球と見比べました。
かなり苦労しましたが、どうにか一つ買うことができました。本当は二つ欲しかったのですが、まずは試しに一つだけにしておきました。
電球には、白っぽい光のものと、暖かみのある少し黄色っぽい光のものがあります。こちらでは、暖色系のやわらかい照明が好まれることが多い気がします。いわゆる間接照明のような、落ち着いた明かりです。
ただ、私はあの暗さが少し苦手です。西洋の人たちは間接照明を好む人が多いように感じますが、私の目にはどうにも暗すぎます。
以前、元夫と暮らしていたときも、家の中が暗くて内心かなり不満でした。相手にとっては明るすぎる照明がつらいようで、結局こちらが我慢することになりました。
今は自分好みの明るさにできます。明るい電気を遠慮なくつけられるというのは、意外と大きな自由です。
その後、闘牛場の横にあるいつものバルへ行きました。
しばらくすると村の知り合いがやってきて、二人で話していたのですが、そのうちに別の二人も加わり、女性四人で井戸端会議のようなおしゃべりになりました。
彼女たち三人は、おそらく子どものころからずっと一緒に過ごしてきた仲なのだと思います。
一人は小学校の先生、もう一人はアンダルシア州の公務員、そしてもう一人は詳しくは分かりませんが、週に一度ジブラルタルへ行く仕事をしているそうです。
今週の水曜日は行かないと言っていました。理由は、イギリスの祝日だからだそうです。ジブラルタルはイギリス領なので、スペインにいながらも、こういうところで国境の存在を感じます。
ジブラルタルとスペインの関係がぎくしゃくすると、国境の通過が厳しくなることがあります。その話をすると、「今は全然大丈夫」と言っていました。
スペイン人は身分証明書で行き来できますが、私は日本のパスポートなので少し事情が違います。
短期観光であれば日本のパスポートはビザ不要のようですが、ジブラルタルは英国領であり、スペインとの国境事情も変わることがあります。実際に行く前には、念のため最新情報を確認しておいたほうがよさそうです。
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| 2020年1月ジブラルタル空港 |
月曜日でしたが、結局ビールを2本飲み、楽しい夜になりました。暑くも寒くもなく、でも少し冬の気配も残るような空気。空には今にも雨が降りそうな雲が広がっていましたが、バルのテラスで過ごすにはちょうどよい夜でした。
草が刈られて少し寂しくなった朝の景色から、電球選び、そしてジブラルタルの国境の話まで、なんでもない一日の中に、いろいろな話が詰まっていました。
スペインの田舎暮らしは、特別なことがなくても、誰かと少し話すだけで一日がふっと豊かになります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。








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