朝、バルコニーに出た瞬間、世界が真っ白に消えていました。
雲が降りてきて、村全体が霧の中にすっぽり隠れてしまったよう。
昨日から降り続いた雨が今朝ようやく止んだかと思えば、今度は霧。空気の冷たさが頬に触れると、季節が確実に深まっていることを感じます。
11時を過ぎたころ、ようやく霧が上へと上がっていき、お昼ごろには青空が広がりました。とはいえ、湿った冷たい空気が流れた一日でした。
外を見ると、羽のついたアリが数匹、ひらひらと飛んでいます。毎年この時期、一斉に羽アリが飛び立つ日があるのですが、どうやらその“前触れ”のようです。雨上がりに現れる彼らを見ると、季節のリズムを自然が教えてくれている気がします。
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| 羽が落ちたアリ |
近いうちに、村じゅうで羽アリが乱舞する日が来るのでしょう。家の中に入らないよう今日は窓をきっちり閉めておきました。
今日は一日、家の中で仕事をしていました。
本当は少し散歩に出ようと思っていたのですが、アマゾンの荷物が届く予定だったのです。
この村では、配達時間の指定ができません。アマゾンが一方的に「○日頃にお届けします」と決めてしまう仕組み。しかも時間の指定は一切なし。
だから、受け取る側は“いつ来るかわからない荷物”を、ただ待つしかないのです。
普段は郵便局止めにして、自分の都合のいい時間に取りに行くようにしています。
でも今回はそれができない商品で、家まで配達されることに。
音楽をお流し仕事に集中していたこともあり、気づけば13時。
メッセージを確認すると、「配達中」と書かれていました。
この家にはベルがないので、配達員さんは玄関のドアを“ドンドン”と叩くしかないのです。
ドアと言っても私のドアではなく、4つピソがあるのですが、その共同のメインドアです。
なので注意していないとノックの音を聞き逃してしまいます。
夕方になって再びメッセージを見ると、「配達済み」との表示。
“え? いつ来た?”と思ってドアを開けると、そこに段ボールが静かに置かれていました。
おそらく、下の階の人が受け取ってくれていたのでしょう。
ありがたいことです。
この村で暮らしていると、「時間どおりに届く」という感覚が少しずつ薄れていきます。
郵便局も、商店での受け取りも、営業時間はまちまち。
それでも、人の手を介してきちんと荷物が届く。
そんな小さな確かさが、少し嬉しく感じられるようになりました。
今日の霧のように、見えないものの中にも、ちゃんと届いているものがある。
そんなことを思った静かな午後でした。
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