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【村の行事】2022年
6月11日(土)〜12日(日) Feria de Artesania ヒメラ村
8月18日(木)〜21日(日) フェリア(夏祭り)

2024/11/18

11月18日(月) 夫婦別姓と日本国籍

 今朝は綺麗な雲海が広がっていました。

今回は昨日の夫婦別姓について続きを書きます。

日本人が外国籍の方と結婚した場合、夫婦は別姓になります。そして、親の戸籍から抜けて、一人の戸籍になります。外国籍の夫や妻は日本の戸籍には入らず、備考欄に記載されます。

もし姓を外国籍の夫と一緒にしたい場合は、婚姻届と一緒に改名届を提出すれば、複雑な手続きをせずに夫の姓に変更することが可能です。改姓するかどうかは相手の国の文化風習に寄るところが大きいと思います。

また、子どもが生まれると姓を変える人が多いように思います。なぜなら、子どもと親の姓が異なると、特に国をまたいで移動する際に色々と面倒だからです。

スペインは夫婦別姓が一般的なので、スペイン人と結婚する場合は別姓になることが多いじゃないでしょうか。しかし、私の友人であるイギリス人女性はスペイン人と結婚して姓を変更しました。というのも、それまでの姓は前の夫のものだったからです。

話がそれますが、

かつて、日本人女性が外国籍の方と結婚すると自動的に日本国籍を失うという法律がありました。酷いですよね。

ですが昭和25年に改正され、日本国籍を保持できるようになりました。ただ、日本人女性と外国籍の夫の間に生まれた子どもが日本国籍を取得できるようになったのは、昭和60年の改正からです。

それまでは、日本人男性の子どものみが日本国籍を取れたんです。酷い話です。

香港に住んでいたとき、台湾人と結婚した日本人女性がいました。彼女には娘さんが二人いて、日本国籍を取得していました。法律が変わった際、彼女はすぐに手続きを取ったそうです。

しかし、膨大な書類を用意し、時間もかかり、挙句の果てには大使館の職員から

「本当の子どもかどうか」

と疑われたことに憤慨していました。

彼女が

「こんな大変な手続き、自分の子どもじゃなきゃやらないわよ」

と言っていたのが、今でも耳に残っています。

蓮舫さんの国籍問題が話題に上がるたび、その女性の言葉を思い出します。そして、蓮舫さんのお母様も多くの書類を揃えて、大変な思いをして国籍を取得されたのだろうなと思います。

そうやって大変な思いをして日本国籍を取得した時代があったというのを知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。私も香港でその女性に合わなければ知らなかったことです。

これらは、先人の日本女性たちが頑張って手に入れた権利なのだと思います。その方々には感謝の気持ちでいっぱいです。

2024/11/17

11月16日(土) ランチと夫婦別姓

今日は、イギリスから村に遊びに来ている友人の60歳の誕生日を祝うため、村のレストラン「カフェテリアマリア」に行くことになっていました。

とはいえ、村に到着してから悪いお天気が続き、さらに体調を崩したとのことで、肝心の友人自身は来ることができませんでした。

昨夜はローストチキンをたっぷりいただき、ワインもほぼひとり一本空けたので、正直なところ彼が来ないのなら行かなくてもいいかなと思いました。

昨夜のローストチキン

食後のチーズ

でも結局、他の仲間たちと5人でランチに行くことになりました。

最初はビールで乾杯し、その後は地元ロンダのワインを楽しみました。


メインディッシュにはイベリコ豚の「セクレト」と呼ばれる希少な部位の炭火焼きです。


他のメンバーはラムの足一本や、ステーキなどを注文。


それから最後はデザートとコーヒーで締めくくりました。


お酒も料理もまちまちなので、割り勘にはいつも少し思うところはあるのですが、仕方ありません。ということで今回は一人当たり45ドルほどの金額になりました。

ここ1年半で物価が急上昇していて、以前なら同じような食事が一人25ドルくらいで済んだものです。

ユーロを日本円に換算すると、当時は1ユーロが135円ほどだったので、25ユーロで3,375円程度。それが今では1ユーロが163円に上がり、45ユーロなので7,335円になります。以前は「安いな」と感じた外食も、今では気軽に行けるものではなくなってしまいました。

今回一緒に行ったのは、イギリス人2人とオランダ人2人です。最近、日本でも夫婦別姓の話題が取り上げられているので、彼らに少し聞いてみることにしました。

オランダでは、結婚ではなくパートナーシップを選ぶ人が多いそうです。オランダ人の友人カップルは20代半ばの息子さんと娘さんがいるにも関わらず、結婚したのはたった2年前だそうです。その理由は、フランスに家を購入した際、結婚していないと手続きが非常に複雑になったからだとか。そして現在結婚していても別姓を使っており、お子さんはご主人の姓を持っているそうです。

一方、イギリス人の友人のうち、一人の女性は前の結婚の際には姓を変えず、現在のお子さんたちは前の夫の姓を使っています。しかし、今のパートナーとの結婚を考えており、その際には姓を変えることを検討しているようです。私の知っているイギリス人女性の多くは、結婚すると夫の姓に変える人が多いように思います。

スペインについても話題に上りました。スペインでは姓が二つあります。これは両親の姓を一つずつ受け継ぐからです。

分かり易く日本の名前を使って説明します。

例えば父親の姓が「山田加藤」、母親の姓が「佐藤鈴木」だとすると、子供の姓は「山田佐藤」になります。そしてその子供が次に子供を持つと、父親の姓である「山田」が受け継がれます。一方、山田佐藤さんの奥さんが「坂本木下」という姓であれば、「坂本」が引き継がれ、子供の姓は「山田坂本」となるのです。つまり、結局は父方の姓が強く受け継がれていくわけです。そしてその姓は結婚しても変わりません。

面白いのは、スペインでは家族の中で同じ姓を持っているのが兄弟姉妹だけで、両親はそれぞれ異なる姓を持っている点です。この複雑な姓の仕組みは、かつて、特定の異教徒をあぶり出すための仕組みだったとスペイン人の友人が教えてくれました。

また、以前住んでいた香港は、夫婦別姓です。香港の姓は漢字一文字なので種類が少なく、結婚する際に同じ姓の人との結婚を避けるという文化がありました。子供は父親の姓を受け継ぐため、家族の中で母親だけが異なる姓を持つことになります。

では、外国人と結婚した日本女性の場合はどうなるのでしょうか?これはまた明日にでも書くことにしますね。名字ひとつ取っても、国や文化によってこんなにも違うのはとても興味深いです。

2024/11/16

11月15日(金) 鍵屋とシエスタ

嵐は過ぎ去ったものの、今日一日もどんよりとした曇り空が広がり、どこか重たい雰囲気に包まれていました。

今日は鍵のコピーを作りに行こうと思い立ち、鍵屋さんを訪ねたのですが、

「午後に来てください」

と言われてしまいました。

この村ではまだシエスタの文化が根強く残っています。昼寝を実際にとる人もいますが、しない人もいます。(夏はほぼ全員シエスタします)

それでも、個人経営のお店は午後2時から5時までしっかりと閉まります。村にある唯一のチェーン系スーパーは、最近ではシエスタの時間帯も営業するようになりましたが、その時間に買い物をする人はあまり多くありません。

私は静かに買い物ができるその時間帯を好んで狙うのですが、お肉屋さんはその時間は閉まっているので、スーパーのパックに入ったお肉で我慢することになります。

鍵屋さんに行ったのは午後1時15分ごろでした。日本ではこの時間はすでに午後ですが、ここではまだ昼食前の時間です。

鍵屋さんの言う「午後」とは、実際には午後5時以降のことを指しているのです。

午後5時過ぎにもう一度出かけるのは正直なところ少し面倒です。それに、その時間帯に出かけるとついついバルに立ち寄ってしまう癖があります。

そしてバルに立ち寄ると、ついビールを一杯、いや二杯と飲んでしまうのです。さらに友人が一人、また一人とやってくると、話が弾んでエンドレスな時間が続いてしまうのです。

なので、鍵のコピーは明日にすることにしました。明日なら、こちらの「午後」はお店が閉まってしまうので、きっと1時ごろに行けばスムーズに鍵のコピーを作れるでしょう。

今夜は友人の家に遊びに行く予定です。集まるのはイギリス人の女性たち。どこの国でも同じで、時々夫抜きで集まりたい時があるんでしょうね。女性同士の気軽な会話を楽しむ時間はとても大切です。

ということで、今夜は地元のワインを一本持参して友人たちとのひとときを楽しんでこようと思います。

空を見上げると、雲の間から綺麗な満月が顔をのぞかせています。その満月に照らされながら、なんだかいい夜になりそうな予感がしています。





2024/11/14

11月14日(木) スペインを襲った豪雨が白い村でも

今朝は雷の音で目が覚めました。

普段は雷くらいじゃ目を覚まさない私ですが、今朝の雷は違いました。

バリバリバリと地響きがする音、そしてすぐに激しい雨。

バレンシアではゴルフボール大の雹が降ったと聞き、家が大丈夫かと少し不安になりました。

屋根にあたる雨音も尋常ではありません。

バラバラバラと激しく響いて、まるでドラムが鳴り響いているような感じ。

白い村の道には雨水を流す溝がないので、高いところから一気に雨水が流れ込み、道が小川のようになっていました。

隣村のヒメラでは川が氾濫し、家屋が浸水したと聞きました。

泥水を掻き出す作業は本当に大変です。

10年以上前に手伝いに行ったことがありますが、私の力ではほとんど役に立たなかった記憶があります。

今の私なら、さらに役立たないでしょう。

そんな嵐の中、今朝はオンラインで英会話レッスンの予定がありましたが、雨の影響でネットの接続が不安定になるだろうと心配していたところ、生徒さんからキャンセルの連絡がありました。タイミングが良かったです。

その後、村の診療所に予約を入れていましたが、女医さんから電話がありました。

「どうする?」

と聞かれ、緊急ではないし、雨がひどいので外に出られないと言ったところ、

「じゃあまた別の日にしましょう」

となりました。

緊急の番号を教えると言われましたが、必要ないのでお断りしました。

電話でスペイン語を話すのは未だ慣れないので、先生のお時間を使ってしまうのも申し訳なくて。

おそらく先生は、今日の予約の全員に連絡していたのでしょう。

また、バリに住む友人から電話がありました。

マラガ市内でも水害が発生し、世界的なニュースになっているため、私のことを心配してくれたんです。

友人からは、何かあったときにすぐ逃げられるように避難バッグを用意しておいたほうが良いとアドバイスされ、その場で実行することにしました。

激しい雨の中でしたが、そんなことも忘れてしまうほど久しぶりに楽しく話ができました。

パリに遊びに行きたいな〜。

夕方になると、嘘のように天気が回復してきました。

その頃、村にホリデーハウスを持つ友人から連絡があり、家を見に行くことに。

鍵を預かっている3軒をチェックしに行きました。

幸い、1軒で暖炉の煙突から少し雨漏りしていた程度で、他は特に問題ありませんでした。

そのうちの1軒からは、モストを買ってきてもらっていたので、それもピックアップしました。

モストは、ワインになる前のまだ発酵途中の飲み物で、結構強めのお酒です。

正式には市販されていないので、バルなどで手に入れるしかありません。

今の時期にしか出回らない季節の風物詩で、近くの村にあるバルのモストがとても美味しいんです。

友人がそれを買ってきてくれたので、さっそくピックアップしました。

今日も一日が終わり、YouTubeを見ながらモストとチーズで晩酌でもしようかな、と思います。

こんな風に、嵐の一日も終わりよければすべてよし、ですね。




2024/07/25

年に一度の車検、見晴らしの良いレストラン

年一度の車検の日、それはもはや仕組み化された行事のようだ。スペインのIT化が進む中、SMSで予約が告げられ、指定されたリンクを開くと、すでに私の車の情報が満載されたページが現れる。日時を選び、クレジットカードの情報を入力すれば、たちまち手続きは完了する。もしもカード払いを好まずとも、請求書をプリントし、銀行で現金を支払う道も残されている。

昔は、期日前に車検場に足を運び、対面での長い手続きを経て、その場で車検を済ませた。時が経ち、ロンダの試験場への電話予約が普通となり、やがてはコールセンターを通じて、そして今やスマートフォン一つで完結する。

受付ではかつては人との会話があり、支払いを済ませ、検査官に渡す紙を受け取ったものだが、今では機械がそれを代行し、ナンバーと予約番号を入力するだけで支払いが完了する。外に設置された掲示板に車の番号が点滅すれば、検査場へ車を赴かせる。

昔は掲示板もなく、車のナンバーと試験場の番号はスピーカーからの音声で知らされた。音質の悪い放送を、不確かなスペイン語で耳を澄ませていたことを思い出す。聞き取れず、周囲の人々の助けを借りたこともあった。それが今では明確な掲示板に変わり、また今年は電気自動車用の充電ステーションも新たに設けられている。

コルテス村に来た二十数年前は、まだ紙とペンの世界だった。今では、恐らく日本をも凌ぐハイテクが公的なサービスにも普及している。毎年、この灼熱の時期に車検に訪れるたびに、スペインの生活が便利になったことを、汗を流しながら感じている。

車検の後は、久しぶりにロンダの街を散策しようと思ったが、熱さに負け、近くの大型スーパーで涼むことにした。昼食前の時間帯ともあり、車が多く、炎天下の屋根なし駐車場に車を停めざるおえず、車内は焼けるように熱くなる。

昼食は、ガソリンスタンド併設のレストランで友人と待ち合わせ。


このレストランは、見晴らしの良い場所に位置しており、スペインでは一般的な「メニュー・デル・ディア」、つまり日替わりランチも提供している。かつては7ユーロから12ユーロの範囲だったメニュー・デル・ディアも、今は10ユーロから15ユーロに値上がりしている。

このレストランにはお肉の炭火焼もあり心惹かれたが、暑さで食欲がわかず、また高い価格もあって、結局メニュー・デル・ディアにした。品質はそれほど高くなく、手頃な価格で美味しいものを食べるのは難しい。

以前、アラカルトメニューで25ユーロ出せば前菜とメインで満足できる料理が食べられたものだが、今は物価高の影響もあり、同じものを食べようとすると50ユーロは必要だ。25ユーロで食べられた頃の日本円は約3,250円だったが、今では50ユーロで8,500円になる。この物価の高騰と円安の組み合わせが、アラカルトでの食事を手が届かないものにしている。だからこそ、ついメニュー・デル・ディアを選んでしまい、美味しくもなく、満足感も得られずに終わる。


コルテス村の行きつけのバルだけが、まだビールが安く、気軽に行ける場所として残っている。しかし、もしもこれが値上がりしたら、やがては家飲みに切り替えざるを得なくなるだろう。スペインでの生活が、ますます意味をなさなくなっていくような気がしている。