アンダルシアの空は、この日もよく晴れていました。昼間の気温は20度を軽く超え、ついこの間まで日なたを探して歩いていたのに、今日は自然と日陰を選んでいる自分に気づきます。
こうした何気ない行動の変化から、季節の移ろいを実感します。
お昼は、友人イサベルの家に招かれていました。食卓には、鶏肉をクリームで煮込んだ一皿が並びます。フレンチ風で、コクのある味わいです。
私はもともとクリームを使った料理が好きなので、ご飯やサラダとともに、遠慮なくたっぷりといただきました。会話も弾み、ビールも進み、穏やかな昼のひとときとなりました。
その後は場所を移し、先日までワンちゃんを預かっていたマルコスとカルメンと合流しました。
ワンちゃんも一緒で、心配していたヘビに噛まれた傷跡も、見違えるほど良くなっていました。獣医を再訪し血液検査も受けたそうで、数値も下がり、腎臓への負担もないと聞いて、胸をなでおろしました。
テラス席で過ごす午後は、まるで初夏のような空気に包まれていました。ほんの少し前までは太陽のぬくもりを求めて席を移動していたのに、この日は日陰を探しながらグラスを傾けます。この時期ならではの、スペインのバルの風景です。
さらに場所を変え、家の近くにある村営プール横のホテルのバルへ向かいました。
夕方に近づき、気温もやや落ち着いてきたため、今度は陽の当たる席に座ります。傾きはじめた光の中で、ゆっくりと流れる時間を味わいました。
やがて話題は、カルメンのこれからの予定へと移っていきます。
彼女にはティーンエイジャーの頃からの友人がいて、クリスマス前までこの村に数か月滞在していたリンダです。犬と一緒に、なんとイギリスから車で来ていたんです。
その友人が現在はスコットランドのグラスゴー近郊に住んでいるそうで、カルメンも訪ねてみようかと考えている様子でした。
その流れで、私も「せっかくだから一緒に行こうかな」と、半ば冗談のように話に加わります。
スコットランドと聞いて、ふと昔の記憶がよみがえりました。まだ20代の頃、ケンブリッジの語学学校に通っていた時代のことです。
クラスメイトたちとバンを借り、ぎゅうぎゅうに乗り込んでスコットランドまで旅をしたことがあります。今思えば、少し無謀な旅でした。
夜に出発して朝に到着し、観光地も宿もその場で探すという、今では考えられないほど行き当たりばったりの旅。エジンバラ滞在中の自由行動の日には、数人でグラスゴーまで足を延ばしました。
目的はネス湖。しかし、ツーリストインフォメーションで聞いたツアーはすでに出発した後でした。
今のように事前に調べる手段もなく、「歩いて行けるのでは」と思い込んで歩き始めたものの、途中で出会った人に「無理だよ」と笑われてしまいます。
結局、そのまま引き返してバスステーションへ向かい、長距離バスでエジンバラに戻るという、どこか拍子抜けの結末になりました。それでも、そんな出来事も含めて、今では懐かしい思い出です。
こうした記憶があるからこそ、同じ場所をもう一度訪れることに、少しだけためらいを感じる自分もいます。思い出はそのままの形で残しておきたい、そんな気持ちもあるのです。
それでも、誰かと一緒に行く旅ならば、また違った景色が見えるのかもしれません。カルメンが行くのなら、その流れに乗ってみるのも悪くない、そんなふうに少しずつ気持ちが動き始めています。
気がつけば、日もずいぶん長くなりました。夜9時を過ぎても、空にはまだわずかな明るさが残っています。
これからさらに日が伸び、活動できる時間も増えていく季節です。
楽しい反面、つい動きすぎて寝不足になりがちですが、それもまたこの時期ならではの贅沢なのかもしれません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。






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