バルコニーに出ると、目の前の景色は真っ白でした。
朝の空気はひんやりとしていて、音もなく、静かな始まりです。
そんな朝は、オンラインの語学レッスンから一日が始まりました。
生徒さんの一人、今ではすっかり友人のような存在ですが、来週カリフォルニア・ロサンゼルスへ野球を観に行くとのこと。3泊5日の旅行だそうです。
そこで今回は、「入国審査での会話」をテーマに、少し実践的な内容にしました。前回はレストランでのやり取りだったので、旅の流れに沿ったレッスンです。
そこから話題は自然と現地の物価へと移り、最近のカリフォルニアの物価高に改めて驚かされました。
かつてはアメリカの物価が高く、日本が安いと言われていた時代がありました。私自身も1ドル240円の頃にカリフォルニアを訪れ、日本との違いを強く実感した記憶があります。
その後、円高の影響で「アメリカは安い」と感じられる時期もありました。香港に住んでいた頃は、日本からの買い物客で高級ブランド店があふれていたのを思い出します。
それが今では再び逆転し、日本の物価の安さが際立つようになりました。こうして振り返ると、時代は巡るものなのだと実感します。
午前中の仕事を終えた後は、四半期ごとに提出しなければならない書類を持って、税務手続きをお願いしている事務所へ向かいました。無事に提出を終え、ひとまず一安心です。
その後、再び仕事に戻ろうとしていたところ、友人から「誕生日のお祝いでバルにいるから来ない?」と連絡が入りました。
スペインでは昼食をしっかり取る文化があるため、この「お昼のお祝い」が主流です。
とはいえ、明日は遠出の予定があり、翻訳の仕事も今日のうちに納品しなければなりません。少し迷いましたが、「できるだけ早く終わらせて向かうね」と返事をし、急いで作業を続けました。
バルに到着したのは午後4時頃。すでに食事の時間は終わっており、キッチンも閉まっていましたが、オーナーが融通をきかせて温かいシチューを出してくれました。こうした柔軟さは、スペインの田舎のバルならではかもしれません。
しばらくして、ガソリンスタンドの横にあるバルへと移動しました。しかしこの日は気温が低く、まるで冬に逆戻りしたかのような寒さです。
テラス席に座っていると、じわじわと体が冷えてきます。それでも一杯だけ飲みながら過ごしていたのですが、周囲のスペイン人男性たちの声の大きさには圧倒されました。こちらが話してもまったく聞こえないほどのにぎやかさです。
さすがに落ち着かず、場所を変えることにしました。
ちょうどイギリス人の友人トムがスーパーへ行くというので、車に乗せてもらうことにしました。歩ける距離ではあるものの、ずっと上り坂が続くため、飲んだ後には少しこたえます。こうしたちょっとした気遣いがありがたいものです。
スーパーに立ち寄ったあと、近くのいつものバルで「もう一杯だけ」と腰を落ち着けると、自然と会話が弾み、気がつけば長居をしていました。
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| クルミ |
やがて雨が降り始め、トムは帰宅。私はまだグラスに飲み物が残っていたため、そのまま隣にいた顔見知りのスペイン人女性たちの輪に加わりました。こうして自然に会話に入っていけるのは、この村の良いところです。
雨脚が強くなってきた頃、居合わせた一人が「送ってあげる」と声をかけてくれました。大きな車だったので、途中で雨に濡れて歩いていた南米出身の若いカップルにも声をかけ、相乗りに。思いがけず賑やかな帰り道になりました。
ただ、その車内でちょっとしたハプニングもありました。詰めて座った拍子に、自分のバッグが隣の女性の下に入り込んでしまい、引っ張っても動かないのです。
中にはスマートフォンも入っていたため、「潰れていないだろうか」と内心ひやひやしましたが、後で確認すると無事でほっとしました。
家の近くまで送ってもらい、細い道の手前で降ろしてもらいました。多少は雨に濡れましたが、フード付きのジャケットのおかげで大事には至らず、そのまま帰宅。
本来ならそのまま休むつもりでしたが、ふとカメラのメモリーカードがいっぱいになっていることを思い出しました。データを外付けハードディスクに移す作業を始めたところ、思いのほか時間がかかり、気づけば深夜2時に。
撮りためた動画を眺めながら、「そろそろ編集もしなければ」と思いつつ、その日は静かに幕を閉じました。




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