この日は、バスでロンダからマラガへ行く予定でした。ところが、友人のイサベルが急遽帰国することになり、マラガ空港まで行くことになりました。ちょうど車をシェアできることになったので、私も一緒に空港まで行き、イサベルを見送ることにしました。
午後2時少し前に村を出発しました。マラガ空港までは、やはり時間がかかります。途中の道を走りながら、スペインの田舎に暮らしていると、空港という場所は遠い存在なのだと改めて感じました。
旅行で来ると、空港は旅の始まりや終わりの場所です。けれど、暮らしている側から見ると、誰かを迎えたり、見送ったりするために出かける場所でもあります。空港に向かう道は、いつも少しだけ特別な気持ちになります。
空港には午後4時過ぎに着きました。
イサベルはまずチェックインを済ませ、そのあと少し時間があったので、外にあるバルのような場所に入りました。マラガ空港の外にそんな場所があるとは知らなかったので、少し意外でした。
そこでビールを飲むことにしました。小さなビールがなかったので、大きめのビールを二人で分けるような形になり、ちょうど一杯ずつくらいになりました。
それから、エンパナーダを一つずつ食べました。
会計は16ユーロでした。
やはり空港は高いです。スペインの普通のバルに慣れていると、余計にそう感じます。村のバルなら、同じように軽く飲んで食べても、もっと手軽な値段で済むことが多いです。空港価格だと分かっていても、いざ支払うと「高い!」と言いたくなります。
それでも、出発前に少し座って話せる時間があったのはよかったです。慌ただしく別れるよりも、ビールを飲みながら落ち着いて過ごすことで、見送りの時間にも少し余裕が生まれます。
そのあと、イサベルはセキュリティの中へ入っていきました。
彼女を見送ったあと、私はそのまま空港に残りました。実はこの日は、別の友人がマラガに到着する予定だったのです。つまり、同じ日に一人を見送り、もう一人を迎えるという、少し忙しい空港の日になりました。
待っているあいだ、空港の中を少し見て回りました。そこで目に入ったのが、旅行者向けの免税手続きです。以前なら窓口で手続きをする印象が強かったのですが、自動機があり、旅行者たちがレシートのようなものをスキャンしていました。
もちろん、税関職員のいる窓口もありましたが、こういう場所でもデジタル化が進んでいるのだと感じました。スペインでは、少し前まで不便だと思っていたことが、気づくと急に便利になっていることがあります。こうした変化の速さには、ときどき驚かされます。
友人の飛行機は午後6時20分ごろに到着予定でした。実際に外へ出てきたのは、6時40分ごろだったと思います。到着口で待っていると、次々に人が出てきます。
大きなスーツケースを引いた人、家族に迎えられて抱き合う人、少し疲れた顔をした旅行者。コスタ・デル・ソルの玄関口であるマラガ空港の到着口には、いろいろな人の時間が集まっています。
友人と合流したあとは、電車でマラガ市内へ向かいました。空港からマラガの中心部までは電車で行けるので、とても便利です。
ただ、チケット売り場の機械は三つしかなく、長い列ができていました。これを待つのは時間がかかりそうです。ちょうど珍しく駅員さんがいたので、クレジットカードをタッチするだけで乗れるか聞いてみました。すると、できるとのことでした。
そこで、初めてクレジットカードのタッチ決済で電車に乗ってみました。切符を買うために並ばずに済むだけでも、荷物を持っている時にはかなり助かります。こういう小さな移動の場面でも、スペインの技術の進化を感じます。
電車に乗ると、マラガ中心部の駅までは10分ほどで着きました。
空港から市内が近いというのは、マラガ旅行の大きな魅力の一つです。飛行機で着いてから、すぐに街へ出られるのは、旅行者にとってもありがたいことだと思います。
駅からはタクシーに乗り、この日の宿へ向かいました。
泊まる場所は、とても雰囲気のある古い建物でした。天井が高く、昔の家らしい造りが残っています。一方で、室内はきれいに改装されていて、古さと快適さがうまく混ざっているような場所でした。
スペインの古い建物には、こういう魅力があります。新しいホテルのような整った便利さとは違いますが、壁の厚みや天井の高さ、窓の形などから、その土地の時間の積み重なりが感じられます。短い滞在でも、そういう場所に泊まると、街の雰囲気を少し深く味わえる気がします。
ただし、少し気になる点もありました。建物の前は車通りが多く、思ったよりも音がします。窓も昔ながらの造りなので、現代の窓のようにしっかり密閉されているわけではありません。そのため、外の音はかなり入ってきます。
音に敏感な人には少しつらいかもしれません。けれど、私はそこまで気にならない方なので、問題なく過ごせそうでした。むしろ、街の中にいる感じがして、それはそれでマラガらしいとも思いました。
荷物を置いたあとは、近くの中華系スーパーに寄り、ビールとワインを購入。その後はバルへ。
友人とタパスをつまみながら夜のマラガの空気を楽しみました。
村のバルとは違い、市内の夜には人の流れがあります。観光客も地元の人もいて、通りには車の音や話し声が混ざっています。
スペインの夜は、やはり外に人が出ています。特にマラガのような街では、夜になっても空気が動いていて、どこか開放的です。旅行で訪れる人にとっても、この夜の雰囲気はスペインらしさを感じる時間かもしれません。
その後、宿に戻ってからも、ビールやワインを飲みながら話を続けました。友人が持ってきてくれたカマンベールチーズが、とても美味しかったです。
そのチーズには「NORMANDIE」と書かれていました。友人によると、フランスではノルマンディー産でなければ、本当のカマンベールとは言わないそうです。私たちが普段スーパーで買っているものとは違うのだと聞きました。
実際、そのチーズは常温でやわらかく溶けるような食感になり、味も濃くて、とても美味しかったです。こういう何気ない食べ物の話からも、その土地のこだわりや文化が見えてくるのが面白いところです。
移動の疲れはありましたが、久しぶりに会う友人と過ごす時間は楽しいものです。部屋で飲みながら話しているうちに、気づけば夜もふけていました。寝たのは午前2時ごろでした。
この日は、村から空港へ行き、友人を見送り、別の友人を迎え、そのままマラガ市内へ向かうという、移動の多い一日でした。特別な観光をしたわけではありません。それでも、空港のバルの値段に驚いたり、免税手続きの自動機を見つけたり、電車で街へ向かったり、古い宿で夜を過ごしたりするだけで、旅の記憶は少しずつ積み重なっていきます。
マラガの夜に聞こえる車の音や、古い窓から入ってくる街の気配も、この日の記憶として残りそうです。













0 件のコメント:
コメントを投稿