週末は少しだらだらと過ごしたので、この日は気持ちを切り替えて仕事をすることにしました。納品は火曜日まででよかったのですが、できれば今日中に終わらせてしまいたいと思い、朝から集中して作業をしました。
そのため、特別な出来事はあまりありません。外出もしませんでしたし、写真も一枚も撮りませんでした。
いつもなら、せめて天気の記録として空や景色の写真を撮るのですが、この日はそれすら忘れていました。
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| 昨夕の景色 |
スペインの村に暮らしていると、何気ない空の色や山の様子も日々少しずつ違います。けれども、机に向かっている時間が長いと、そういう小さな変化にも気づかないまま一日が過ぎてしまいます。
夕方になって、突然「ガンガン、ガンガン」と大きな音が聞こえてきました。何だろうと思って外を見てみると、向かいの家でバルコニーの修繕が始まったようでした。足場のようなものも少し組まれています。
それを見て、すぐにカーテンを閉めました。
私の家の前の道はとても狭く、車が二台ぎりぎりすれ違えるくらいの幅しかありません。ですから、向かいの家とはかなり近い距離にあります。工事の人が作業をしていると、こちらの室内も見えそうな気がして、何となく落ち着きません。
家の反対側、キッチンの方はまったく違います。窓の外には建物がなく、自然の景色が広がっています。山や空が見えて、気持ちも少しゆるみます。
一方で、居間の方は向かいの家が近く、窓も防音がしっかりしているわけではないので、近所の音がよく聞こえます。人の声や作業の音が近く感じられると、ついキッチンの方へ逃げてしまいます。
スペインの古い村の家は、こういう距離感があります。外に出れば人とのつながりが近く、家の中にいても、どこか近所の気配が入ってきます。それが温かく感じる日もあれば、一人で静かにしていたい日には、少しだけ身を隠したくなることもあります。
仕事を終えて冷蔵庫を開けると、ボトルに少しだけワインが残っていました。飲んでみると、もう酸味が強くなっていて、そのままでは少し厳しい味でした。
どうしようかと思いましたが、そこに炭酸水を足してみることにしました。スペイン語では、炭酸水を「アグア・コン・ガス」と言います。
赤ワインに炭酸の入った甘い飲み物を混ぜると、夏によく飲まれる「ティント・デ・ベラーノ」のようになります。ティント・デ・ベラーノは、赤ワインにセブンアップのような甘い炭酸飲料を混ぜるので、さっぱりしていながらも少し甘みがあります。
今回は甘い炭酸飲料ではなく、ただの炭酸水を入れたので、甘さはありません。それでも、少し古くなったワインの酸味がやわらぎ、何となく飲めるものになりました。
キッチンでそれを少し飲みながら、一日が終わっていきました。
外にも出ず、写真も撮らず、ほとんど仕事だけで過ぎた一日です。それでも、向かいの家の工事の音があり、狭い村の家の距離感があり、冷蔵庫に残ったワインを炭酸水で割る小さな工夫がありました。
でも、キッチンドリンカーにならないように気をつけなければと思いながら、この日はぐっすり眠りました。

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