前の晩は少し飲み過ぎて帰ってきたのですが、それでも朝早く起きました。7時に車を修理工場へ持っていく約束をしていたからです。今回はオイル交換です。
夏とはいえ、朝7時頃はまだ薄暗く、車を預けた後に一人で村まで歩いて帰ることを思うと、正直なところ少し気が重くなりました。
修理工場があるのは、村の外れの「ポリゴノ」と呼ばれる一帯です。工場や倉庫などが集まる、日本でいう工業団地のような場所です。
ところが着いてみると、辺りではすでに仕事が始まっていました。
この地方の夏は、日中になるとかなり暑くなります。そのため、朝6時や7時頃から働き始め、午後2時や3時には仕事を終える人も珍しくありません。
仕事を終えたら昼食を取り、シエスタをして、まだ明るい夜8時頃からまた外へ出る。暑さに合わせて、一日の時間そのものが夏仕様になります。
車を預けて村へ向かって歩き始めると、空が少しずつ明るくなってきました。朝の空気は驚くほど涼しく、歩いていて気持ちがいいほどです。
パン屋さんはもう開いていて、村祭りに向けた飾り付けの作業も始まっていました。まだ一日が始まったばかりのような時間なのに、村のあちこちではすでに人が動いています。
7時を過ぎた頃から辺りはゆっくり明るくなっていきます。この涼しい時間に仕事を始める理由もよく分かります。夏は10時、11時にもなれば、もう日差しが強くなります。
久しぶりにこんな時間に村を歩いていると、昔のことを思い出しました。
犬と暮らしていた頃、夏になると毎朝早く散歩に出ていました。暑くなってからでは犬も大変なので、どんなに前の晩が遅くても、遅くとも7時半頃には外へ連れて行っていました。
夜も同じです。飲んで帰ってきた日でも、寝る前には必ず散歩へ出ました。
当時はそれが当たり前の毎日でしたが、久しぶりに早朝の村を歩いてみると、涼しい空気や少しずつ明るくなる空と一緒に、その頃の記憶まで戻ってきます。
そんな静かな朝から始まった一日でしたが、この日はまだまだ先が長くありました。
9時半にはマリーが迎えに来てくれて、ラ・コスタ方面へ向かいました。ただ、私はすでに半分死んでいるような状態です。前の晩のお酒が残っていて、完全な二日酔いでした。
高速道路を降りた後、いつも朝食を取る店に寄ったのですが、食べ始めると今度は気分が悪くなってきました。それでも、その後は友人の家へ向かいます。
そこは日本人の友人が昔から持っている家で、つい先日まで10日ほど滞在していました。帰る時にはほぼそのままの状態で出てきたということで、この日はマリーと一緒に掃除をすることになっていたのです。
何とか掃除を終えて家路につくことに。
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| 栗の木が沢山あります。 |
村に着いてからはスイミングプールのバルへ。そこで一杯飲んでから家に帰り、ようやく少し休むことができました。
夕方7時から8時頃までシエスタをして目を覚ますと、携帯にはメッセージがいくつも入っています。
「これからバルへ行くよ」
そんな連絡が来ると、結局また外へ出ることになりました。
また飲んで、食べて、いつものように夜が過ぎていくのかと思っていたのですが、この日は思いがけない出来事がありました。
突然、メキシコ人の歌い手たちがバルにやって来たのです。
黒い衣装には華やかな刺繍が入り、ギターやトランペットを持っています。私は詳しくありませんが、テレビなどで見たことのある、いわゆるマリアッチを思わせる姿です。話を聞くと、どこかのパーティーで演奏してきた帰りで、この後はロンダへ向かうとのことでした。
バルで一杯飲んだ後、彼らはいったん外へ出ていきました。もう帰ったのかと思っていると、車からギターとトランペット、そしてソンブレロを持って戻ってきました。
そして、その場で2曲歌ってくれたのです。
目の前でこうしたメキシコの音楽を聴くのは初めてでした。テレビの中でしか見たことのなかった光景が、突然いつもの村のバルの前に現れたような感じです。
歌が始まると、周りにいた人たちも自然に一緒に歌い始めました。同じスペイン語ということもあるのでしょう。スペインとメキシコではもちろん文化も音楽も違いますが、皆が知っている歌だったようで、一気にその場が盛り上がりました。
特別な催しとして予定されていたわけでもなく、たまたま立ち寄った人たちが楽器を取り出して歌い、それを囲んで皆で楽しむ。こういう予想外の出来事が起きるのも、小さな村の夏の夜のおもしろいところです。
結局、家に帰ってきたのは夜中の2時過ぎでした。
朝7時、まだ薄暗い中で車を修理工場へ持っていったところから始まり、コスタ・デル・ソルまで出かけ、掃除をして村へ戻り、シエスタを挟んで再び外へ。そして最後は、思いがけずメキシコの歌まで聴くことになりました。
振り返ってみれば、本当に長い一日でした。








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