今日から二日ほど、友人夫婦の家で再びペットシッティングをすることになりました。
奥さんの誕生日に合わせて、二人で小旅行に出かけるのが毎年この時期の恒例になっているようです。昨年もちょうど同じ頃に留守番を頼まれたことを思い出し、季節の巡りの早さを感じました。
朝の空は一面の曇り空で、どこか落ち着かない天気でした。とはいえ、ときおり雲の切れ間から太陽がのぞき、陽が差すと急に空気がやわらぎます。
この家のまわりには、たくさんのオリーブの木が植えられています。何十本あるのか分かりませんが、見渡す限り濃い緑の葉が風に揺れ、アンダルシアらしい景色が広がっていました。
犬たちは家の敷地の使い方をよく理解しています。朝と夕方の散歩の時間だけ、オリーブ畑の広がる大きな敷地へ出て、それ以外の時間はテラスと庭で静かに過ごします。
庭へ自由に出入りできるよう玄関のドアを開けていても、なぜか私が一緒でなければ外へは行きません。きちんとしつけられているというより、飼い主や人と行動をともにしたい、犬らしい性質なのかもしれません。
昼前、テラスの椅子に座っていると、雲の間から太陽が差し込みました。日なたは思っていた以上に暖かく、春の陽射しの力強さを感じます。
今回は仕事用のノートパソコンやキーボードなどは持ってこず、iPadとポータブルモニターだけを持参しました。荷物が軽いだけで、気分まで少し身軽になります。こういう短い滞在には、このくらいがちょうどいいのかもしれません。
ところが夜になると、空の表情はまた変わりました。10時を過ぎた頃から遠くで雷が鳴り始め、低く響く音が山の向こうから転がってきます。昨夜も同じような雷鳴がありましたが、そのときは結局ほとんど降りませんでした。
しかし今夜は違いました。しばらくすると雨音が屋根を打ち始め、やがてしっかりとした降りになりました。昼間の穏やかさとは別世界です。春の空は本当に気まぐれです。
この家には、昨年まで薪をくべる暖炉がありましたが、今はペレットストーブに替わっています。スイッチひとつで暖まるので、留守番をする身としてはありがたい変化です。もし昔のままだったら、小さな電気ヒーターを持参していたかもしれません。
さて、この家の犬たちは、どちらも保護犬です。
一匹は九歳か十歳ほどの男の子で、まだまだ元気いっぱいです。見た目はそれほど大柄でも力強くもないのですが、驚くほど身軽で、ぴょんぴょんとよく跳ねます。
もう一匹はかなり高齢の女の子で、黒い毛並みの穏やかな犬です。年齢を重ね、体もずいぶん細くなりました。
以前は、庭の家庭菜園を囲っていた柵を軽々と跳び越えて中へ入り込んだり、デスクの上に飛び乗ったりしていたものです。
そんな脚力自慢の犬でしたが、今は静かに歩く、可愛らしいお婆ちゃん犬になりました。その姿には、長く生きてきた時間の重みがにじんでいます。
この犬との思い出で忘れられないのは、ある日、玄関近くの机の上にある棚へよじ登ろうとしていたことです。何事かと思って見ると、家の中にネズミが入り込んでいました。どうやらそれを追い詰めようとしていたのです。大きな体で、迫力のある立派なハンターでした。
今は年齢も重ね、昔ほどの勢いはなくなりました。それでも外へ出たがる様子を見ると、まだまだ冒険心は失っていないようです。
雨音を聞きながら、そんな犬たちと静かな夜を過ごしました。旅に出る人がいて、留守を守る人がいて、犬たちはいつも通り眠っている。そんな穏やかな役割分担も、悪くないものです。



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