朝から空はどこか落ち着かず、晴れそうで晴れきらない、そんな曖昧な天気でした。
この日は、友人のマリと一緒に海側の町へ少し遠出することにしました。
道中、いつも立ち寄る高速道路のドライブインのカフェテリアに寄ろうとしたのですが、この日に限ってまさかの休業。
中には人の気配があり、手を振って「今日は開いていないよ」と合図されました。何度も訪れている場所だけに、こうしたことは初めてで、少し拍子抜けしてしまいます。
気を取り直して高速を降り、近くのポリゴノ(工業地帯)へ向かいました。工場や倉庫が立ち並ぶ一角にある、ガソリンスタンド併設のカフェで朝食をとることにします。
ちょうど朝食の時間帯で店内は人であふれていましたが、しばらくすると皆それぞれの仕事へ戻り、一気に静けさが戻ってきました。
ウェイトレスさんたちもどこかリラックスした様子で、常連客と気さくに言葉を交わし、私たちが会計を済ませて外に出る時もみんなとてもフレンドリーでした。
その後は、いつも訪れる場所へ向かいます。
日本人の方が所有している建物で、この日はテラスの手入れを少しだけ。タイルの隙間に入り込んだ苔をブラシでこすり落とす、地道な作業です。
ただ、海からの風が非常に強く、もう一つのテラスの作業は見送ることにしました。自然相手では、無理をしない判断も大切です。
ちょうどその近くで、マリのご主人ガスピが仕事をしているということで、現場を少し見せてもらうことになりました。そこは新しく造成されたエリアではなく、昔からある住宅地で、大きな古い家々が並ぶ趣のある場所です。
彼の雇用主は、そうした建物を買い取り、改装して新たな価値を与え販売する事業をしています。
室内を少し見せてもらうと、現代的な設備が印象的でした。特に驚いたのは、いわゆるウォシュレットです。日本では当たり前の存在ですが、ここではまだ珍しい設備です。
![]() |
| スペインの高級住宅設備ブランド |
このブランドはバレンシア州に本社を置くメーカーだそうです。洗浄機能も自社で開発しているとのことです。日本製の技術とどう違うか、試しに使わせてもらえばよかった、と少し惜しい気もしています。
ちなみに「ウォシュレット」はTOTOの登録商標です。
さらに、ベッドサイドのテーブルには、スマートフォンを置くだけで充電できる機能が備わっていました。
半信半疑で自分の古いiPhoneを置いてみると、しっかり充電が始まったのです。思わず声が出るほど驚きました。知らないところで、暮らしの中のテクノロジーは着実に進んでいるのだと実感します。
写真を撮りたい気持ちもありましたが、さすがに室内は遠慮し、外観だけ記録に残しました。
帰り道には、手頃な価格帯で人気のスーパー「アルディ」に立ち寄ります。店内のアジア食品コーナーで、思いがけずキューピーのマヨネーズを発見しました。
決して安くはありませんが、割引になっていたこともあり、つい手に取ってしまいます。異国で見つける日本の味は、やはり特別なものです。
道中は黄色いお花が沢山咲いていて綺麗でした。
村へ戻ると、いつものバルでひと息つきました。ただ、この日は思いのほか冷え込み、海側の暖かさを想定して薄着で出かけたことを少し後悔します。店内ではスペインらしい賑やかな会話が飛び交い、そのエネルギーにやや圧倒されてしまいました。
そこでテラス席へ移動すると、イギリス人の友人たちと合流。落ち着いた空気の中で、ようやくほっと一息つくことができました。
帰りはマリに家まで送ってもらい、そのまま静かに一日を終えます。ビールを一杯飲んだだけなのに、思いのほか疲れていたのか、酔いがすっと回りました。
特別な出来事があったわけではありません。それでも、予定通りにいかないことも含めて、その一つひとつがどこか旅のように感じられる、そんな一日でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。












0 件のコメント:
コメントを投稿