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【村の行事】2026年
祝日2月28日(土) Dia Andalucia、3月6日(金夜)〜8日(日) カーニバル

2026/02/01

1月31日(土) 枝の落ちた公園で考えた、年を重ねてからの海外移住

風は少しあるものの、雲の切れ間からわずかに晴れ間がのぞいていたので、久しぶりに散歩に出ることにしました。

歩き始めてしばらくすると、空のあちこちに黒い雲が浮かんでいるのが目に入り、傘を持ってきた方が良かったかな、とも思いました。

公園に入ると、地面には大きな枝がいくつも落ちています。最初は昨夜の風で折れたのかと思ったのですが、よく見ると切り口がきれいで、人の手で事前に切り落とされたものだとわかりました。強風に備えて、あらかじめ整理されていたのでしょう。

地面はまだ湿っていて、水たまりがところどころに残っています。風がないときはそれほどでもありませんが、ひとたび風が吹くと、濡れた地面から冷気が立ち上ってくるようで、一気に身体が冷えます。

昨夜も夕方五時ごろから雨が降り出しましたが、今朝には上がっていました。天気予報では、昼頃から曇りに変わるものの、雨のマークはなく、明日も曇り。けれど、月曜日からはまた雨が戻ってくるようです。

そんなことを考えながら歩いているうちに、ふと、昨夜SNSで目にしたある話題を思い出しました。アンダルシアに住んでいるという方が、日本で話題になっているニュースについて触れていたのです。

それは、アメリカに長く住んでいた高齢のご夫婦が、最終的に日本に戻る選択をした、という内容でした。そのことが「制度を利用している」として批判を受けている、というものでした。

その投稿では、ご本人のお母様が72歳のときにスペインへ移住した経験が語られていました。特に費用を払うことなく医療制度に加入でき、また医療も充実していて素晴らしい、という趣旨でした。

読んでいて、確かにそういう時代はあったのかもしれない、と思いました。同時に、少し違和感も覚えました。この方がこちらにいらした頃は、1ユーロ90円代だったそうです。今の価値のほぼ倍です。

その頃は、制度も今よりずっと緩く、スペインらしく大らかで、いい加減なところがありました。物価も安く、日本の年金の額面が、こちらで十分生活できるものだった時代です。

けれど、今は状況がまったく違います。為替が変わり、同じ年金額でも実質の価値は大きく下がっています。物価は上がり、家賃もかかる。年金ビザを取るための条件も厳しくなりました。確か高額な医療保険にも入らなくてはいけなくなったはず。

さらに、高齢になってからの移住には、言葉の問題、手続きの煩雑さ、医療へのアクセスなど、現実的な壁がいくつも立ちはだかります。

実際、こちらでは「知り合いがいるかどうか」で物事がスムーズに進む場面が少なくありません。病院でも役所でも同じです。通訳を頼めば費用はかさみ、すべてを一人でこなすのは簡単ではありません。娘さんや家族がそばにいて、支えてくれるからこそ成り立つケースが多いのだと思います。

イギリス人の知人たちを見ていても、「帰るタイミング」を逃した人ほど苦労しています。子どもが中学生に上がると同時に帰国する人、孫が生まれるタイミングで戻る人。物価の高いイギリスに戻る選択ができるのは、資産や家族の支えがあるからです。

高齢になり、体力が落ちてから自国へ帰ろうとしても、家族の受け入れも叶わなず、一人で異国に残る選択をせざるを得ない場合の大変さは、想像以上だと思います。

それでも、この土地には、この土地なりの良さがあります。天気のいい日には、バーに行けば誰かがいて、言葉を交わし、笑い合える。たとえ生活が楽でなくても、人の気配と太陽の光が、心を少し軽くしてくれることもあります。

だからこそ思うのです。高齢で異国に移住するのは、身近にサポートしてくれる人がいてこそ、成り立つことなのだと。そうでなければ、斡旋業者などに多額の費用を支払う羽目になることもあります。

やはり慎重になるべきであり、それは制度の問題だけではなく、日々の暮らしの現実として考える必要があります。

若いうちに外の世界を見て、経験を積み、生活の拠点を見つけ、そして老後に暮らす場所を選ぶ。その過程で得た視野や知識は、きっと無駄にはなりません。

一部の例だけを切り取って判断するよりも、それぞれの人生の背景に目を向けてみる。そんな考え方も、一つの大切な視点かもしれません。

散歩の終わり頃、太陽は出ているのに、冷たい風が吹き続けていました。

晴れてはいるけれど、身にしみる寒さ。

そんな一日でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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