この日は急ぎの仕事がなかったので、少しだけ作業を済ませてから、友人の家へ出かけました。
![]() |
| by ChatGPT |
友人のもとには、祖父母の時代から残されている古い手紙がたくさんあります。スペイン内戦によって離れ離れになった家族が交わした手紙です。
これまでは親の世代が手紙を受け継ぎ、いつか整理しようと考えていたそうです。しかし、その方たちも亡くなり、今は友人が保管しています。
このまま眠らせておくのではなく、何らかの形で残したいということで、手書きの文章を文字に起こす作業を手伝うことになりました。
古い手紙は文字の癖も強く、紙の状態もよくありません。写真をAIに読み込ませても、思うようには判読できませんでした。
特にこの日最後に起こしたのは読み取れない箇所が多く、結局、二人で原本を見ながら、一文字ずつ確かめていくことになりました。
そうして文章を追っているうちに、手紙に書かれた人たちの気持ちが、少しずつ伝わってきました。
内戦によって引き裂かれ、離れた場所から手紙を送り合う家族。そのやり取りを読んでいると、単なる昔の記録とは思えません。
友人も目に涙を浮かべながら、「悲しい」と何度も口にしていました。私も、そばで読んでいるうちに胸が詰まりました。
その日読んでいたのは、差出人が亡くなる数か月前に書いた、最後に近い手紙だったようです。最後になるとは知らずに書かれた言葉だと思うと、年月を隔てた今でも、その重みが感じられます。
作業はまだ始まったばかりです。残された手紙は多く、読めない文字もたくさんあります。それでも、一通ずつ丁寧に読み解いていけば、ばらばらになっていた家族の物語が、少しずつ形になっていくのかもしれません。
来週も、続きを手伝いに行く予定です。
友人の家を出たあとは、ガソリンスタンドの横にあるバルへ寄りました。少し飲んでから家に帰り、静かに一日を終えました。
古い手紙の中に残っていた言葉が、帰宅してからも、しばらく心に残っていました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

0 件のコメント:
コメントを投稿