お問い合わせは ⇒ shiroimura.cortes☆gmail.com 迄、ご連絡くださいませ。(お手数ですが、☆を@に変更下さいませ)
コルテス村の地図 ⇒ こちら
【村の行事】2026年
祝日8月15日(土) 、壁のないフェスティバル 8月14日(金) &15日(土)、夏のフェリア8月20日(木) 〜23日(日)

2026/08/28

8月15日(土) 音楽と牛とクラクション、白い村の夏祭り

この日は夜に出かけるつもりだったので、昼間は家で色々と用事を済ませていました。

村では今週から祭りが始まっていて、昼間からあちこちで音楽が流れています。仮設のバルも出ていて、DJが音楽をかけている場所もあり、まるで村全体がクラブになったような賑やかさでした。

夕方の音楽が一段落した頃に出かけようと思っていたのですが、準備をして家を出た時には、もう辺りは暗くなっていました。たぶん9時頃だったと思います。

外に出ると、あちこちから車のクラクションが聞こえてきました。それも一台や二台ではありません。

スペインでこれほどクラクションが鳴るのは、サッカーの大きな試合で勝った時や、ワールドカップで盛り上がっている時、あるいは結婚式などです。

「今日は一体何だろう」

そう思いながら村の中を歩き、いつも行く闘牛場横のバルへ向かいました。知り合いは誰もいなかったので、とりあえず周囲の様子を見ていると、大きなトラックがものすごい音を立ててやって来ました。

その後ろには何台ものバイクが続きます。

エンジンをふかし、パンパンと大きな音を鳴らしながら走ってくる様子は、日本で言えば暴走族のようにも見えました。その後ろからは、さらに車が何台もクラクションを鳴らしながら続きます。

警察も見守っています。

先頭の大型トラックが運んでいたのは、翌日、村の道に放される牛たちでした。

本格的な闘牛に使われるほど大きな牛ではありませんが、それでも400キロ前後はあるはずです。一頭ずつ仕切られた箱のようなスペースに入れられているため、外から牛の姿はまったく見えません。

車にはスペイン国旗を掲げている人も大勢いました。

その光景を眺めながら、私はどうしても牛のことを考えてしまいました。

狭い箱の中に入れられ、外も見えないまま運ばれて、その周囲ではバイクのエンジン音やクラクションが鳴り続けています。村では年に一度の伝統行事ですし、それを楽しみにしている人が大勢いることも分かっています。

それでも私は、見ていて「かわいそうだな」と思いました。

何世代も続いてきた文化だからといって、自分も同じように楽しめるかというと、それはまた別の話です。

パレードのような一団が通り過ぎた後、仮設バルでビールを飲みました。

昼間は大勢の人で賑わっていた場所も、この時間は一時的に人が少なくなっています。みんな一度家に帰って夕食を食べ、きれいな服に着替えてから、夜の祭りにもう一度出てくるのでしょう。

私は小さなモンタディートを食べながら通りを眺めていました。

すると知り合いのフランス人が歩いているのを見つけたので、声をかけました。

これは助かりました。

彼が来てくれなければ、このまま一人でビールを飲んで、あまり面白くない夜になっていたと思います。

二人でしばらく飲んだ後、村役場前の広場へ移動しました。そこではバンドの演奏が始まっていて、この日は夜中まで続く予定です。

二番目に出てきたバンドの女性シンガーが、とても上手でした。

スペイン人の話し声を聞いていると、普段からお腹の底から声を出しているように感じることがあります。祭りのステージで歌う人となると、それがさらに際立ちます。

女性歌手の声は力強く、広場いっぱいに響いていました。こういうところで聞く生の歌は、やはりいいものです。

そんな音楽を楽しんでいた時、ステージ脇にパレスチナの旗が飾られているのが目に入りました。

友人と、「バンドが持ってきたのかな」「もしかすると村が用意したのかな」などと話しました。

私は個人的には、祭りのような場所に政治的なメッセージを持ち込むことには少し違和感があります。

もちろん、そういう場所だからこそ多くの人の目に触れ、関心を持ってもらえるという考え方もあるのでしょう。それも分からなくはありません。

ただ、遠く離れた土地で起きている複雑な問題について、どちらが正しく、どちらが間違っているのかを、私は簡単には言えません。

昔、香港に住んでいた頃にも似たようなことを考えたことがあります。

中国大陸のある地域について、バーでイギリス人たちと議論になったことがありました。皆それぞれ強い意見を持っていましたが、私はその時、「そこまで強く支持するのなら、一度自分で現地へ行って見てきたらいいのでは」と言ったことがあります。

安全な場所で酒を飲みながら「あちらが悪い」「こちらが正しい」と話すことは簡単です。

もちろん、実際に現地へ行かなければ意見を言ってはいけない、という話ではありません。

ただ、強い言葉で何かを支持したり否定したりするのであれば、自分が実際にはどれほどのことを知っているのか、一度考えてみてもいいのではないかと思うのです。

そんなことを考えながらも、この夜は結局かなり楽しく過ごしました。

何より、途中で知り合いに会えたのが大きかったです。

一人だったら早々に帰っていたかもしれませんが、彼のおかげで一緒に飲みながらバンドを聴き、遅い時間まで広場で過ごすことができました。

昼間から音楽が鳴り続け、牛を乗せたトラックと車の列が村を通り、夜になると人々が着替えて再び広場へ集まってくる。

賛同できないことや、考えさせられることもあります。

それも含めて、この村の夏の祭りなのだと思います。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。


0 件のコメント:

コメントを投稿