雨続きの日々には少し気持ちも沈みましたが、キノコの季節を思えば、この雨は恵みでもあります。
■ 週末の「キノコの祭典」と思い出
今週末は毎年恒例の「キノコの祭典」。今年は例年より少し早い開催です。友人から誘われましたが、週末は忙しいので今回は見送りにしました。
初めて参加した十数年前は本当に盛大でした。村には250人ほどの参加者がスペイン各地からやってきました。配られるお土産も豪華。けれど、村長さんや政党が変わるにつれて規模は少しずつ縮小し、今では昔ほどの華やかさはなくなってしまいました。
それでも村にとって大切な秋の行事であることは変わりません。
■ 草刈りの思い出と、ちょっとした恐怖
散歩道では草刈り機がおいてありました。ちょうど朝食の時間で作業は中断されていたのでホッとしました。雨のあとで草が伸びるでしょうが、まだ丈は短いので刈るには少々早いような気がします。けれど私は草刈りが少し怖いのです。
以前、愛犬と歩いていたとき、草刈り機が跳ね飛ばした石がフェンスに「バーン」と激しく当たったことがありました。目の前をかすめて飛んでいったんです。あと一歩前に出ていたら、私の身体に当たっていたかもしれません。あれ以来、草刈りの音がすると、自然と距離を取るようになりました。
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| 石が左から飛んできた場所 |
■ 冬に向かう景色と、村の自然
風は冷たいのに太陽の光はやわらかく、歩くにはちょうどいい陽気。散歩中には黄色い花も咲いていて、雨の多い地域ならではの濃い緑が目に鮮やかでした。
猫ちゃんたちも気持ちよく歩いています。
■ キノコ祭の仕組み:採取から分類まで
キノコ祭は三日間。
金曜日は受付と講義、土曜日の朝には10〜15人のグループに分かれて森へ出かけます。案内役は地元で生まれ育ったおじさんたち。子供の頃からおじいさんやお父さんから食べられるきのこを教えられてきた人たちなので頼りになるガイドです。
そして、採ってきたキノコは専門家が分類し、
緑:食べられる
黄色:食べるとお腹を壊す
赤:絶対に食べてはいけない
という具合に色分けされ、日曜日には説明会や催し物もあります。
今年は秋に入ってもなかなか雨が降らず、きのこはほとんどありません。雨がようやく沢山降り、そして祭典の日までお天気がいいようなので、太陽の日差しを浴びたコルクの森にはきっとキノコが生えるでしょう。
ただ、村人たちが先に採り尽くしてしまうかもしれませんが。😁
■ 村のスーパー事情と「働かない」という文化
散歩の帰りにスーパーへ。村に残るのは今やチェーン店の一軒だけです。以前もうひとつあった、村の人が経営する小さな店は、地元の商品が豊富で少し高めでもよく利用していました。
しかし店主が年金受給年齢になり、跡継ぎもいなかったため閉店してしまったのです。
こちらでは、年金を受け取れる年齢になると、たとえ金額が大きくなくても「働かない」という選択をする人がほとんどです。働くことは「生きがい」ではなく、あくまで「生活のため」という考え方が強いようです。
しかも、日本のように「働きながら年金を受給する」という仕組みがあまり整っていないので、制度的にも働き続けるのが難しいのだとか。ここに来た当初は、その文化の違いにずいぶん驚かされました。
■ バルでの思いがけない朝食
買い物からの帰り道で友人にばったり会いました。
「朝ごはんでも行こうか」というこになり、アンドレスのバルへ。太陽の下、トーストとコーヒーを飲んでいると、ヨガ帰りの友人が二人合流し、さらに友人たちが次々とやって来て、いつの間にか七人の大テーブルになりました。
ちなみに友人たちはイギリス、フランス、アイルランド、オランダ、スペイン人です。まるで小さな国際会議のよう。
昔はこんなふうに、バルに座っていると次々と人がやってきたものですが、最近はめっきり少なくなっていました。今日は久しぶりに、あの頃の賑わいがふっと戻ってきたようで、なんとも嬉しい朝でした。
■ 痛みの話題と、年齢を重ねるということ
会話の中心は、肩の痛みや身体の不調。
昔は「昨日飲みすぎちゃってね」なんて話ばかりだったのに、いまでは「ここが痛い」「あそこが動かない」と、すっかり大人の(?)話題に変わってきました。
それでも、太陽の下で、いろんな国の友人たちと笑いながら過ごした朝食の時間は、本当に心があたたまるひとときでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。





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