今朝は目を覚ますと、昨日の強い風が嘘のように止んでいました。
空気はぴたりと静まり返り、11月のやわらかな光がすっと部屋に差し込んできます。風のない朝は、心まで落ち着くものですね。空を見上げれば雲ひとつない青空で、「今日は歩くには最高だ」と思わずつぶやいてしまいました。
最近、この界隈の同年代の人たちと一緒に「ウォーキンググループ」を作りました。といっても、記録を競ったりストイックに歩いたりするのではなく、景色やおしゃべりを楽しみながら、のんびり歩く“ゆるい仲間”です。
今回のハイキングは、隣村のヒメラ・デ・リバール駅からベナオハン駅までのコース。
まずは村の闘牛場に11時に集合し、マルコスの車でヒメラへ向かいました。
本来なら帰りは鉄道で戻れるのですが、マルコスは体重40キロ近い大きな犬を連れているため、列車には乗れません。昔はこっそり乗せても文句を言われなかったのに、今は規則がきびしくなってしまいました。
そのため、彼は先にベナオハン駅まで車を置きに行き、別のメンバーが彼を拾ってヒメラに戻るという、少し複雑な段取りをしていました。
思い出のコースを15年ぶりに
一度は日本人の方と一緒に歩き、そのとき撮った古いビデオが私のYouTubeに残っています。今見るとブレブレで恥ずかしいのですが、当時は腕をガッチリ固定して、精一杯きれいに撮ったつもりでした。
あれから15年。その頃はいつも毎日大型犬を散歩させていて、体力があった頃。道中で2カ所ほど怖い細い道があった記憶がうっすら残っていますが、それも今よりずっと平気だった気がします。
今回も同じコースを歩いたのですが――
驚いたのは、道が以前より細くなっていたこと。
浸食なのか崩れなのか、小さな道がさらに細くなっている場所がいくつもあり、何度か手をつきながら慎重に進まざるを得ませんでした。
それなのに、まわりのメンバーは平気な顔でスイスイ進んでいくのです。
「みんな強いなあ」と感心しつつ、私は慎重に足場を選びながら歩きました。
イノシシの跡と、大きな鳥の影
天気はほんとうに素晴らしく、日向に出ると暑いくらい。
何人かは途中で半袖になって歩いていました。
道にはどんぐりがたくさん落ちていて、足元にはイノシシが掘り返した跡が無数に残っています。
鹿もよく出る地域で、ときどき大きな鳥が川沿いを滑るように飛んでいく姿も見えました。
自然の中を歩く時間は、それだけでちょっとした非日常になります。
すれ違ったのは3人ほど。
週末になると人で賑わう道ですが、今日は静かな木曜日。
聞こえるのは仲間の笑い声と、足音と、川の水が流れる音だけでした。
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| ベナオハン村に近づいてきました |
ベノハンの駅レストランでランチ
無事にベノハンに到着すると、駅の古い建物を利用したレストランへ。
ここは日曜日はアラカルトのみで少し値が張るのですが、水・木・金は「メニュー・デル・ディア」があり、今日はそれをお目当てにしていました。
これが大当たり。
味も、サービスも良く、久しぶりに「満足!」と言えるランチでした。
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| スペインの目玉焼き+チョリソ+ポテトフライ |
ビールを一杯飲んで、外のテラスで日向ぼっこをしながらのんびり。
……と思いきや、太陽が木々に隠れると一気に寒くなるので、脱いだり着たり忙しい私たちでしたが、それもまた楽しいひととき。
帰りは友人マルコスの車に乗り、途中で1人を降ろしながら村へ。
着いたら他のメンバーはバルへ行ってもう一杯飲んでいましたが、私は「今日はもう十分」と言って、少しおしゃべりだけして家に帰りました。
月一で十分…と思いつつも、楽しいから困る
もともと「月に一度くらい歩こう」という話だったのに、気づけば毎週の恒例行事に。私は仕事の時間をやりくりしながら参加しているので、毎週「1日コース」は正直少し大変です。
できれば近場を午前中に歩いて、午後からは仕事をする日も欲しいのですが……
それでも今日のような一日を過ごすと、「まあ、来週も行きたいな」と思ってしまうのです。
自然の景色と美味しいごはん、そして気の置けない仲間たち。
その組み合わせはやっぱり特別で、何度歩いても飽きません。
今日は本当に、心から楽しいハイキングデイでした。
最後までお読みいただきありがとうございます。










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