今日は曇りという天気予報でしたが、朝の空は意外にも明るく晴れています。
週末に入る金曜日ということもあり、村のプールの近くにある駐車スペースにはキャンピングカーが三台停まっていました。ここは車中泊が許可されている場所で、旅行者たちがよく立ち寄るのです。
キャンピングカーはどこにでも自由に止めて車中泊できるわけではありません。村によっては「ここは禁止」ときっちり決められていて、違反すればすぐに警察がやってきます。お願いベースでは通じないのがこの国の現実。ダメなものはダメ。罰金制度がきちんとあるからこそ、秩序が保たれているのだと感じます。
三台のうちの一台は、知り合いのオランダ人夫婦のもの。去年この村に家を購入して移り住んで来ました。キャンピングカーはここに停めて、どこか旅行に出かけるときなどに使っているようです。
ここに来る前は長く南フランスで生活していたそうですが、そこを離れてここへ。どうしてこの村を選んだのかは分かりませんが、これからしっかりと定住する様子です。
キャンピングカーで暮らす人たちを見ていると、少し羨ましくなります。以前、私も車でパーティーに出かけて、そのまま車中泊をしたことがありました。大きなバンでもなく、小さなルノー車です。
愛犬を連れていき、私は後部シートで、彼女は運転席で寝ました。もし誰かが窓を叩いたとしても、私にとっては超カワイイ顔ですが、知らない人にとっては怖いボクサー犬の顔が現れるので、安全です。私の“プライベート・セキュリティガード”でした。私がパーテイーで楽しんでいる間、運転席に座って外を見て彼女も楽しんでいたと思います。
あの頃は気軽に出かけて、道端でも眠れたけれど、愛犬がいなくなってからはそれもできません。
今日はこれから朝食を食べに行こうと思っています。ここでは多くの人が朝10時から11時の間に30分ほど朝食の時間をとります。
かつてはバルでパン・コン・トマテとコーヒーを楽しむのが定番でした。子どもを学校に送った後、買い物の合間にバルで集まって、おしゃべりを楽しむ若いお母さん方や、八百屋さんに行った帰りに寄る主婦の方など。典型的なスペインのバルの朝食文化がありました。
ですが、物価高の波に押されて、そんな賑やかな朝のバルはすっかり姿を消してしまったのです。
私がこの村に来た20数年前、当初はトーストとコーヒーで1.5ユーロ。今は3ユーロ。かつて1ユーロが120円だったので1.5ユーロの朝食は約180円。私は香港から移って来たばかりだったので激安に思い、毎日バルで朝食を食べていました。
現在はユーロが180円近くなり、3ユーロの朝食だと約540円です。これで540円は高すぎるので、バルからは遠ざかります。バルの朝食はユーロだと2倍ですが、日本円換算だと3倍になってしまったんです。
地元の人はユーロなので2倍ですが、この2倍もここ5年ほどで起こったこと。でもお給料は2倍になっていないので、結局、バルの朝食は「贅沢」と感じるようになったのも無理はありません。
パンの値段も上がりました。500グラムのパンが今は2.05ユーロ。数年前は1.20ユーロほどだったのに。コロナ以降、そしてウクライナ情勢の影響で、すべてが静かに、けれど確実に値上がりしています。家族の多い家庭ではきっと大変でしょう。
それでもこの国ではパンが食卓から消えることはありません。お米も食べますが、パエリアの横にもパン。お肉料理にもパン。左手にパン、右手にフォーク——それがこの土地の食べ方です。
さて、今日の朝食はどうしましょう。
モジェテという丸いパンに、クラッシュしたトマトとオリーブオイル、たっぷりのハモン・セラーノを挟んだカタラナを食べに行くか、それとも日曜のようにチュロスにするか。
カタラナとコーヒーのセットで今は5ユーロ。数年前の倍の値段ですが、それでもやっぱり、あの塩気のある生ハムとトマトの香りが食欲をそそります。
今日はセラノに決めました。トマトの赤、オリーブオイルの黄金色、ハモンの深いピンク。食べ終えたら、その一枚を写真に残そうと思います。
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| モジェテパンのカタラナ |
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| カフェ・コン・レチェ |
久しぶりのカタラナ、パンの外側がカリッと焼かれて、ハモンセラーノも結構クオリティー良く、とっても美味しかったです。これを食べるとお腹が膨れ、昼食はいらないです。
朝食なのでコーヒーですが、塩気の効いたハモンセラーノ、赤ワインでも飲みたい気分になりました。^^
最後までお読みいただきありがとうございます。



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