今日は少し風がありますが、気持ちのよいお天気です。
風のせいか、空気がぐっと冷たく感じられるようになってきました。
村営プールの横にあるホテルの前を通ると、テラスにテーブルが並び、ランチのセッティンがされています。今日は昼食会でもあるのでしょうか。
午後1時半、まだ少し早い時間ですが、車が次々と集まってきています。こちらでは昼食は午後2時からが普通。これから人がどんどん増えて、賑やかになっていくのでしょう。
昨夜は少し遅くまで出かけていたので、今朝は土曜日ということもあり、ゆっくり起きてから散歩に出ました。
飲んだのは缶ビール4本。ほんの少し酔いがまわったくらいでした。
出かけた先は、オランダ人のカップルが主催するカントリーミュージックの練習です。
彼らはオランダとこちらを行き来しながら暮らしていて、滞在中は村の少し外れにある家で過ごしています。昨夜の練習場所は、彼らが持っているもう一つの村の中にある家。もとは革製品の工房だった建物を改装し、音楽を楽しむ空間にしたそうです。
中にはオランダから持ってきた古い家具や絵画が飾られ、壁の色や小物がどれもカラフル。まるで小さなギャラリーのようでした。
彼女は映像制作をしていて、YouTubeに作品を上げたり、ライカのようなカメラを使って撮影したりする本格的なアーティストです。
その日、彼らは「カントリーミュージックのセッションをするから、楽器を持ってきたい人はどうぞ」と呼びかけていました。
私は久しぶりにフルートを持って参加することにしました。
子どものころ、6歳から12歳まではピアノを習い、その後フルートに切り替えて、大学の2年生くらいまで個人レッスンを受けていました。
その後は結婚式の余興で吹いたり、マンドリンのアマチュア・オーケストラに参加したりと、ほんの少し演奏する機会がありましたが、長い間、楽器は部屋の片隅で眠っていました。
このオランダ人カップルは毎年クリスマスにミュージック動画を制作していて、昨年は音楽だけの収録。その彼の作詞作曲によるクリスマスソングに、私も参加させてもらいました。録音はSpotifyにも公開されています。
私の演奏は正直言って下手くそでした(笑)。即興で音符を書いて挑んだものの、コード進行だけで演奏する彼らに合わせるのはなかなか難しくて。でも、それも含めて、とても楽しい思い出です
フルートを組み立て音を出すと、子どものころの練習風景や両親の顔が自然と思い出されます。
もう一度あの音を響かせたい――そう思っても、練習していない指は思うように動きません。特に低音が出にくくて苦戦中ですが、今年のクリスマスまでには、みんなと少しでも一緒に吹けるようになりたいと思っています。
最近は、フルートを立てておけるスタンドを買おうかどうか迷いながら、Amazonを覗くのが日課です。楽器をテーブルに横に置いておくのはやはり心配。人の多い場所では、ぶつけてしまわないかとヒヤヒヤします。
そんなことを考えながら歩いていると、レストラン「モンテロス」の前が人でいっぱい。どうやら結婚式のようです。
色とりどりのドレスにスーツ姿、笑顔の人々。秋晴れの空の下、幸せな空気が漂っていました。
この季節は本来なら雨が多いのですが、今年の秋はほとんど降っていません。みんな雨を待ち望んでいるとはいえ、結婚式の日くらいは晴れていてほしいものです。
今日のような青空の日は、きっと特別な思い出になるでしょう。
この村では、結婚式は教会か村役場のどちらかで行われます。教会は信者でないと式を挙げられず、また初婚のカップルに限られています。
再婚や信仰のない人たちは、村役場で式を挙げるのが一般的です。
役場には専用の結婚式の部屋があり、立会人のもとでサインを交わす、簡素ながら温かな式です。
私もこれまで何度か村の結婚式に参加しました。小さな村ならではの手づくり感があって、どの顔にも笑顔があふれていました。
一度、教会の結婚式に招かれたときは、なかなか始まらなかったのでバルで待っていたら、うっかり時間を間違えて式を逃してしまいました。でも、そのあとのパーティーは楽しかったなぁ。
今日の空は澄み切っていて、風は少し冷たいけれど、心地よい午後です。
音楽と、思い出のフルートと、村の結婚式。
そんな穏やかな秋の日には、バルで友人と一杯――それがいちばん似合う過ごし方かもしれません。
最後までお読みいただきあいがとうございます。





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