12月に入りました。
今朝の空はどんよりとしたグレーで、雨は止んだものの、空気はしんと冷たくて冬が本格的に動き出したようです。曇り空の朝は、外の音がどこか吸い込まれていくようで、歩いていても妙に静かに感じます。
久しぶりにワイヤレスマイクを取り出したら、バッテリーがすっかり切れていて焦りました。まだそこまで使っていないのに故障かと思ったほど。こういう小さなトラブルがあると、なんだか年の瀬らしい気ぜわしさを感じます。
村のキャンピングカー駐車場には、今朝は2台。雨の寒い日曜日をここでどのように過ごしたのでしょうか。
私は昨日は家にこもって仕事をしていたせいもあり、なんとなく話題も少ない朝です。
■ “気軽に外へ”が減った理由
最近、気軽に「ちょっと外で一杯どう?」と言える相手が少なくなりました。
以前は、マドリッドに戻ってしまった友人が近くにいて、よくタパスをつまみに出かけたものです。家にこもりがちな冬の時期ほど、あの小さな外出がありがたかったのだと、今になって思います。
もちろん誘おうと思えば誘える友人はいます。でも、誘えば誘ったで長くなるし、話が一方通行で疲れてしまうこともある。
ただ“外に出たいだけ”の日には、それが少し重く感じられます。
気軽さって、人付き合いの中では意外と大事な要素なんですよね。
■ 会話の“相性”は重要
よく話す友人の中には、とにかくよくおしゃべりをするタイプの人がいます。こちらが返事をしようがしまいが、まるで止まらない小川のように言葉が流れてくるのです。
「聞いていればいいんだよ」と、ある動画で誰かが言っていましたが、
ときには、聞き続けること自体が少ししんどくなる会話もあります。
香港にいた頃にも、似たような友人がいました。話がぐるりと一周して何度も同じところに戻ってくるので、ランチに行くと食後にどっと疲れてしまい、「大事なお昼休みに、どうして私はこんなにへとへとなんだろう…」と思ったものです。
こちらにもおしゃべり好きな友人がいます。
数人で集まるときは楽しいのですが、二人きりになると、まっすぐこちらを見つめながら2時間も3時間も話が続くことがあって、さすがにそのときばかりは「少し休憩したいなぁ」と思ってしまいます。
■ 気の合う相手と過ごす時間
マドリッドに戻った友人とは、英語のレベルがちょうど同じくらいで、会話が心地よいテンポで続きます。
一緒にいて楽しく、かなりプライベートなことまで話せる、気のおけない友人です。お互いに英語の練習にもなるので、自然と会話が弾みます。
彼女が年に数回この村へ戻ってくるときは、私もできるだけ時間を作って会いに行きます。夜に出かけたり、どこかへドライブしたり。そのひとときが、とても好きなのです。
■ スペイン語が動き出したきっかけ
もう一人、ウェルバに住む友人がいます。
彼女と出会ったのは、この村のキノコ祭り。学校の先生として数か月だけ滞在していたときのことです。
その頃の私は、スペインに住んでいながらスペイン語はまだ入門レベルで、日常のほとんどを英語で済ませていました。
そんな私に、彼女はほぼ毎日のように「お茶しない?」と声をかけてくれました。
片言のスペイン語しか話せない私に、遠慮なくどんどん話しかけてくる。その言葉をどうにか追いかけ、少しずつ返す。
その積み重ねが、私の中でスペイン語をゆっくりと動かし始めたのです。
“話したい気持ち”が言葉を押し出してくれる。
あのときの感覚は、今でもはっきりと覚えています。
■ 今日の締めくくり
今、雲の切れ間から太陽が少しだけ顔を出しています。
冷たい朝の空気の中でも、陽の光が当たると心がふっと明るくなるから不思議です。
「私はこの何年で、何をしてきたんだろう」
そんなことを思う瞬間もあるけれど、こうして時々でも気の合う相手と話しながら、自分のペースで進んでいけばいいのかもしれません。
さて、歩いていると、友人が壁のペンキを塗っているのが見えました。
ちょっと写真でも撮ってあげようかな。
そんな、なんでもない12月の始まりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。



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