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【村の行事】2026年
祝日2月28日(土) Dia Andalucia、3月6日(金夜)〜8日(日) カーニバル

2025/12/28

12月27日(土) 白い村で、道を聞かれ、記憶を思い出す

今朝の空は重たく、今にも雨が落ちてきそうな気配でした。

スマホの天気予報を見ると、あと一、二時間で雨らしい。冷たい風も吹き出して、フードを被りながら朝の散歩に出ました。

そんな中、道を歩いていると、不意に声をかけられました。

どっちの方向に行けばいいのか、と。

プールの横にあるホテルはまだ開いておらず、どうやらデリバリーの人のようでした。まっすぐ行って左、と身振りを交えて説明しました。

ちゃんと行けるかなと様子を見ていると、彼は別の誰かにも声をかけていました。そして結局、戻ってきて私を追い越し、車はそのまま行ってしまいました。

え〜、ちゃんと説明したのに……。

どうやら私のスペイン語は、うまく伝わっていなかったようです。がっくり。

考えてみれば、こういうことは時々あります。

この村の人たちは、背丈も私と同じくらいで、髪の色もダークな人が多い。後ろ姿だけを見ると、まさかここに私のような顔立ちの人間が歩いているとは思わないのでしょう。

だから車が止まって、道を聞かれることになるのです。その瞬間、相手は少し驚くのですが、車を止めてしまった手前、「聞かないわけにはいかない」と思うのかもしれません。

以前には、なんと物々しい黄色い現金輸送車に道を聞かれたこともありました。

日本人の車旅行者に声をかけられたこともあります。英語で話しかけられましたが、すぐに日本人だと分かり、日本語で説明しました。その人はアルヘシラスの方へ向かって行きました。

あの頃はまだ紙の地図が主流でした。でも今でも言えるのは、白い村の細い道をくねくね進むには、Google Mapsで探すより、人に聞いたほうが早いということです。

5月末、週末を利用してパリ在住の友人が遊びに来てくれました。

マラガ空港でレンタカーを借り、Google Mapsを頼りに山側の道を選び、ロンダを経由してここまで来たのです。全く来たことのない場所を運転するなんて、勇敢だなあと思いました。しかもスペイン人の運転は、なかなか荒いですから。

5月末は、花粉症がまだ残っているかもしれないと心配していましたが、今年は意外と軽く済み、思いきり楽しめました。というのも、花粉症の時にお酒を飲むと、鼻が詰まり、息が苦しくなってしまうからです。

今回はその影響も出なかったので、その週末はみっちり遊びました。


イベリコ豚

6月1日シエテピラ村のロメリア際

6月1日ロメリア祭で馬が続々集まってきいます

スペインのこの白い村は田舎で、ヨーロッパの一部とはいえ、一般的にイメージされるような荘厳な建物があるわけではありません。景色も、時間の流れも、まったく違います。

私は、一度行った場所に、長い時間が経ったあとでもう一度行くのが、あまり好きではありません。

新しい記憶が、古い記憶を上書きしてしまう気がするからです。

まるでコンピューターのデータのように、大切に保存していたものが、いつの間にか消えてしまうような感覚です。

15年ほど前、大学のバスケットボールクラブのOB・OG会に出席しました。

その時に飲み歩いていた場所は、道路の拡張によって風景がすっかり変わり、思い出の場所は姿を消していました。それ以来、新しい景色が重なってしまい、昔の記憶がうまく呼び出せなくなっています。それが残念で、思い出深い場所には、なるべく行かないことにしています。

それでも、あの時OB・OG会に行っておいてよかったと、今は思います。

クラブで一番仲の良かった友達は来ていなかったのですが、大学の近くに彼女の実家があり、訪ねました。電話番号を教えてもらい、電車に乗る前にほんの少しだけ会うことができました。それが彼女との最後の思い出です。彼女は二年前に亡くなりました。

学校の先生として忙しく、子ども三人を育て、卒業後はそれぞれ別の道を歩んでいましたが、そんなことはすべて吹き飛んでしまうほど、学生時代に戻った感覚で、一緒に話せた時間はとても楽しいものでした。

大学周辺の風景の記憶は薄れてしまったけれど、友人との記憶は、今もはっきりと残っています。

パリには二度行ったことがあります。

それはもう35年以上前のことです。当時はフランスに入るのにビザが必要でした。

今、もし行ってしまったら、あの頃の記憶が薄れてしまう気がして、どうしても足が向きません。折角友人が住んでいるのに。。。

記憶というものは、一度完成した絵のようなものなのかもしれません。

何度も上から描き足せば、最初の線や色は見えなくなる。だから私は、心の中にあるその絵を、そっとそのままにしておきたいのです。

そんなことを思いながら、雨がぱらつき始めた道を歩きました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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