今朝は9時を過ぎて外へ出た瞬間、肩が思わずすくむほどの冷たさでした。
昨夜や雨と強い風で窓がガタガタ鳴り、少し不安で寝付きが悪かったのですが、朝になってみれば空はすっきり晴れ。
ちょうど正面から太陽が昇ってきて、まぶしくて目を細めたほどです。
太陽が出るだけで、気持ちがふっと軽くなるから不思議です。
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| 散歩で出会った牛さん |
排水の悪い村のつくり
散歩道の途中にはキャンピングカー用の小さなエリアがあります。
そこには水を補給したり排水したりできる設備があるのですが、昨日の雨のせいでそこに水が溜まり、どうやら排水が詰まっているようでした。
スペインの村は水回りの整備が甘いところが多く、雨水は道路の端ではなく“道の真ん中”をそのまま流れるように作られています。
この村は標高650メートルほど。
ここから坂を下っていくと川のある村に着くのですが、雨が降るとまるでそこへ向かって一本道のように水が落ちていき、強い雨の日などは本当に“道そのものが川”のようになります。
そんな光景を思い浮かべながら、ゆっくり歩いていました。
おじいさんと、巨大カラコレスの記憶
途中、足の不自由なおじいさんとすれ違いました。
愛犬を連れて散歩していた頃は毎日のように顔を合わせていた人で、夏でも冬でも変わらず歩いている姿を見かけます。
そのおじいさんといえば、夏の終わりに雨が降ったあと、岩場から出てきた巨大なカラコレス(カタツムリ)を袋いっぱいに採っていたことを思い出します。
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| カラコレスはこういう岩の隙間から出てきます。 |
このあたりのカラコレスはとにかく大きく、袋を覗き込むと “うわっ” と後ずさりしたくなるほどの迫力です。
カラコレスは砂抜きに手間がかかり、トマトなどと一緒に長く煮込むのだそう。
セビリアでは小さめのカラコレスをコンソメベースで煮たものがポピュラーで、以前そのスープを勧められて飲んだとき、角を出した小さなカタツムリが数個浮いていて、思わず息を止めて飲んだのを思い出します。
それ以来、なぜか私は「カラコレス好き」と思われてしまったようで、セビリアの友人が大量に持ってきてくれたことがありました。
内心「好きじゃないんだけど…」と思いながらも言えず、電子レンジで温め直されたカラコレスを、美味しそうな顔をしながら食べたものです。
モロッコの匂いと、旅の醍醐味
カラコレスのことを考えていたら、モロッコを旅したときの光景がふと蘇りました。
道端に大きな鍋をかけ、カタツムリをぐつぐつ煮て売る人たち。
香りは……正直、良いとは言えず、私は結局食べられませんでした。
旅先で“食べたことのないものを食べてみる”のは醍醐味ですが、勇気が必要な場面もあります。
あの日はその勇気が出ませんでした。
モロッコに寄り道したいという友人へ
昨日、日本人の知り合いが「またコルテス村に遊びに行きたい。その前にモロッコにも寄ろうかな」と話していました。
私はつい、「モロッコは慣れていないと衛生面でびっくりするよ」と言ってしまいました。
市場も、食べ物も、日本とは常識がまったく違う場所。
一番ショックを受けるのは、やっぱりトイレでしょう。
ただ、日本人向けの団体旅行なら“綺麗なところだけを見る旅”になるので、案外大丈夫なのかもしれません。
私が衝撃を受けるのは、いつも個人旅行だから。
道端の食べものも、裏通りも、生活そのままの場所に入り込むので、どうしても現地のリアルを目の当たりにするのです。
日本の常識が通じない場所
世界には、日本の感覚では通じない場所がたくさんあります。
そして、この村もそのひとつ。
排水ひとつとっても、日本ではありえないことが日常です。
でも、不思議なもので、そんな“違い”にも少しずつ慣れていきます。
慣れてしまうと、これもまたこの土地らしさの一つに思えてくるのだから面白いものです。
今日の散歩は、そんなことをぽつぽつと考えながら歩いた朝でした。
そして、午後5時半頃に雲のない空に出てきた満月。
最後までお読みいただきありがとうございました。





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